『きのう何食べた?』の感想と料理一覧
ドラマが面白かったので、私的感想とあらすじ・料理についてざっくりまとめました。
ドラマ『きのうなに食べた?』について
男性カップル(シロさんとケンジ)の料理を中心とした日常を描いた作品。
大きな事件が起こるというよりは
日々起きる出来事に共感したり、ハッとしたり、ウルッとくるようなお話です。
まずドラマ冒頭途中に入るオープニングメロディが良い。
OAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)さんの「帰り道」。
穏やかなメロディと声、そして流れる主人公2人のムービーにすごくほっこりする。
「先回りして君を待ってる 帰り道の坂の途中」〜♪と流れると何故か懐かしくて幼い頃を思い出すような…そんな感覚になる。
登場人物2人
西島秀俊さん演じる筧 史朗(通称シロさん)
シロさんの職業は弁護士。
かっこよくて家庭的。
ゲイであることは極力隠すようにしている。
とにかく料理レパートリーが豊富だし節約上手。
仕事帰りに夕飯の買い物をし、パートナーが帰ってくるまでに料理の支度を済ます。
スーパーでは食材の値段を気にするし、レシピは家庭によくあるような調味料を使うものばかり。
楽しそうにいつも手際よく料理してるけど、しんどいときは簡単なものでいいかと済ます(それでもかなりちゃんとしてる)。自分ひとりのときはナポリタンなどサッと作れるような一品モノにして、パートナーと一緒に食べるご飯のときは品数を増やしてバランスの良いメニューを目指す。
学べるとこがたくさんあるし共感できるとこも多い。
世間体を気にしたりするとこを見ると、どっちかというと私はシロさんタイプかもなーと思いながら感情移入してみたり。
几帳面な性格で普段は真顔のことが多いけど、
料理を食べながら「美味しい」と微笑んだり、向かいで食べるパートナー(ケンジ)を見てるときのやわらかい笑顔はとにかくキュンとする。
内野聖陽さん演じる矢吹 賢二(通称ケンジ)
職業は美容師。
人当たりが良くやわらかい仕草・振る舞いで感情表現が豊富。
ゲイであることには基本オープン。
おおらかで感情表現を最大限出すところが好感持てるしかわいい。
思いっきり嫉妬したりちょっとしたワガママを言ったりするけど、最後は素直に謝る、憎めない人。
シロさんの料理を食べるケンジがとにかく最高。
前に何作ったか覚えてくれてる上、
毎回うれしそうに、ちゃんと「美味しい」って言ってくれる。
しかも料理ごとに丁寧な感想。
「今日のラザニア、ホワイトソースにはいつも通りほうれん草が入ってるけど、ミートソースは焼きナス入りね、ナスがとろとろでうまい〜」
と心からの笑顔。
ウンチクをたれるわけではないし、とりあえず褒めとけスタンスなわけでもない。でもきちんとその料理を褒めてることが伝わる。これは作り甲斐があるわ…と側からみても思う。私はシロさん的立場(仕事終わってから買い物&料理をするので)ちょっとうらやましい(笑
手伝いもするしシロさんが料理している間に洗濯や掃除をすることもある。
シロさんが風邪をひいたときは看病できることに浮かれたり。
指輪を買うことになり、世間体のためという理由を知ってちょっとガッカリしつつも全力で指輪を欲しがるケンジ、指輪を眺めながらうっとり喜ぶケンジがかわいすぎる。
自分もこんな風に素直になりたいと思うし、こんな人と一緒に暮らしたいって思う。
シロさんとケンジが作る料理一覧
1〜12話までざっくりまとめてみました。間違ってるのもあるかも…
1話目のごはん:鮭とごぼうの炊き込みご飯・たけのことザーサイの中華風炒め・小松菜と厚あげの煮浸し・かぶとかぶの葉と豚肉のみそ汁
2話目のごはん:ツナとトマトのそうめん・手作りいちごジャム
3話目のごはん:鶏もも肉のトマト煮込み・コールスローサラダ
4話目のごはん:ほうれん草のラザニア・鶏の香草パン粉やき・明太子サワークリームディップ(バゲットに付けて)
5話目のごはん:サッポロ一番みそラーメン(ケンジ作)・鶏肉とブロッコリーのオイスター炒め・肉みそあんかけチャーハン・お正月に余ったお餅のアレンジレシピ
6話目のごはん:鶏手羽の水炊き・れんこんのきんぴら
7話目のごはん:“シロさんが寝込んだときの、ケンジの看病レシピ”だし巻き玉子・鶏もも肉と卵の雑炊・ほうれん草の白和え
8話目のごはん:鮭と卵ときゅうりのちらし寿司・ナスとパプリカの炒め煮・筑前煮・梅わさびマヨネーズ(ブロッコリー用)
9話目のごはん:きのことかぶの葉の和風パスタ・かぶサラダ・ミネストローネ
10話目のごはん:いろんなクレープたち(おかず系とスイーツ系)
11話目のごはん:ナスとほうれん草のラザニア・鶏肉の香草パン粉焼き・アサリとブロッコリーのペペロンチーノ風・明太子サワークリームディップ(バゲットに付けて)・紅茶のシャーベ
12話目のごはん:シロさんのお母さんレシピ:からあげ・かぶの葉とじゃこいため / シロさん&ケンジレシピ:ナムル・わさびと梅の冷奴・アスパラと卵入りエビチリなど
健康を考えつつ、イベント時にも楽しめそうなレシピたち。
これは真似したくなるのがわかるなぁ。シロさん(たまにケンジ)の料理動画を見てるようで、手順が具体的に見えるからわかりやすい。
ストーリーについて(ネタバレあり)
シロさんとケンジの囲む食卓が微笑ましくて癒されることが多い反面、ふたりの周りの人たちが何気なく放つ一言にハッとさせられる。
「ゲイの人だ」
「あなたがゲイでも犯罪者でも受け入れる覚悟はできているつもりよ」
「ゲイ同士なら友達になれるかと思って」
「生半可な気持ちで同性愛をやっているのか」
…
本人たちに悪気はないし、極端な発言よりもわかりづらいけど違和感のあることばたち。
こうやって普段の何気ない会話の中にも、今までの固定概念や世間体の波がはびこっているんだろうなぁと考えさせられる。
私も思わず言ってしまうことがありそう…改めて気をつけたいと思った。
※以下、11話ネタバレ
普段から自分がゲイだということにあまり前向きではないシロさんだけど、ある一大決心をする。
「正月は、ケンジ連れて俺の実家に帰ろうと思ってる」
すると友人、ジルベールが言う。
「親に恋人まで紹介しちゃうのはどうかと思うよ。
ただでさえ息子がゲイだってことがショックなのに、その上ヒゲが生えた恋人なんてリアルに見ちゃったら、親にとってはダブルショックじゃん。
下手したら余計、ゲイなんて気持ち悪いなんて実感もたれるよ。
どうしたってゲイへの偏見はなくなるわけないだろうしさ」
するとシロさんは
「…ずっと考えてたんだよね。
両親は俺がゲイだってわかったとき、最初にどう思ったんだろうって。
こう思った。
きっと両親は俺がゲイだったわかったとき、俺のこと「かわいそうな子」だって思ったろうって。
次に、「俺がこんな風になってしまったのは私たちの育て方が悪かったんじゃないか」って…自分を責めたかもしれない。
だから、ゲイのなんたるかを知ってほしいってことじゃなくて、
今俺が“両親が思っているよりも不幸じゃない”ってわかってほしくて…
ケンジを、うちに連れて帰ろうって思ったんだ」
…
元々、正月に恋人を連れてこいと言ったのはシロさんの両親。
子に対する親の気持ちと親に対する親の気持ち…
それぞれ形は違えどお互いのことを思ってるんだね。
次回、最終回。待ち遠しいけど、終わってしまうのが少しさびしい。
追記
12話(最終話)を観ました。
最後とてもとても良かった。
恋人の両親に挨拶しに行く日が来るとは思わなかったと涙するケンジと、
体裁を気にすることをやめて楽しそうにカフェでお茶するシロさんにグッときました。
最後ふたりで笑い合いながら料理するシーンかわいかったな。
とても良いドラマでした。
素敵な話をありがとうございました
制作の糧になります!がんばります