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400字小説

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400字以内で書いてみました。召し上がれ。
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記事一覧

お題「封筒」「17時」「手を伸ばす」#400字小説



マーマレイドの空と、長く伸びるセサミペーストの影。
僕はこの時刻が苦手だ。不安、寂しさ、別れ、最後。
そんな気持ちが胸の中を支配する。
公園の砂道を蹴りながら、友達の肩に手を伸ばす。
軽く叩くと彼は悔しそうな顔をして、僕の代わりに鬼になった。
カラスが鳴いた。どこからか肉じゃがを作る匂いがする。
スーパーの袋を両手に提げたおばさん。
みんな家へ帰ろうとしている。
17時のチャイムは無残に僕と友

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お題「深夜」「目的地」「流れる」 #400字小説

テールライトがそこかしこでギラつく首都高を、
鼻歌交じりで降りたこいつは、隣で脈絡のない話を始める。
「夜中に文字ってのは書くんもんじゃあない」
 適当に相槌を打つも、奴の語りは止まらない。
「電気のなかった時代、人々は蝋燭に火を灯して書物なんぞ読み書きしておったがな。まあ大変な話ですよ。そう、例えばラブレターなんかを夜中に書いて、朝読み返すと死んじゃう。小っ恥ずかしいこといっぱい。『俺の愛は、君

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Don't feel ...Think!

近頃、全ての日本人に強く言いたい。
考えろ。惰性の延長で、日々を垂れ流すな。
昨今の若者は欲がない、だとか冷めている、とか言われているが
果たしてそれは若者だけに括られるものだろうか。
団塊世代であろうが、戦争体験をした老人であろうが、
どこかに諦め精神を持ち合わせ、集団の中のぬるま湯こそが至福と思っている。
日本人の考えの中にそう言った【集団=正義】が浸透している。
日本という国、そしてその中の

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