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マドンナとの同居生活は大変です 14話

翌朝


"おはよぉ!"


"相変わらず朝から元気だね笑"


"だって私だもん!"


部屋の外から聞こえてくる2人の会話。


○○:うるせぇ…今何時だと思ってんだよ…


すると


田村:山下君おはよ〜!




勢いよく開けられる○○の部屋のドア。


○○:朝からうるせぇよ…


田村:朝こそ元気に行かなきゃね!


○○:あと部屋入ってくるならノックぐらいしろよ…


田村:ごめんごめん笑


賀喜:とりあえず○○君も起きたんだし下降りるよ〜


田村:は〜い!
山下君も早く降りてきなよ!


そう言い残し2人は○○の部屋を出てリビングへ戻っていく。


○○:うるせぇのが朝から2人も居るとか…しんど…


寝起きとは違う気だるさが○○を襲いつつも制服に着替え2人の居るリビングへ向かう。


賀喜:○○君おはよ〜


田村:朝ご飯はなに?


○○:知らん。


田村:晩ご飯は作ってくれたのに?


賀喜:本当はいつも楽しそうに作ってくれるのに?


○○:誰が1回でも楽しく作ったんだよ。


田村:で、ほんとに朝ご飯ないの?
なら私とかっきーで作るけど?


○○:なら2人で勝手に…


賀喜:その代わりちゃんと○○君も食べるんだよ?


○○:…


田村:もしかして人にご飯作らせるのに食べないつもりだったの?


○○:だってこいつが作る料理やべぇんだもん…


賀喜:でもちゃんと全部食べてくれてたじゃん?


○○:そりゃ食べねぇと何言われるか分かんなかったからな。


田村:まっいいや!かっきー作ろ!


賀喜:おぉ!


結局作るのかよ…


○○は若干呆れながらもソファに座りスマホを弄る。


田村:朝ご飯なんにする?


賀喜:やっぱ朝と言ったら和食じゃない?


田村:やっぱそうだよね!
なら私卵焼き焼く!


賀喜:じゃあ私はお味噌汁作ろ〜


とそれぞれの役割を決め作り始める。


〜〜


〜〜


〜〜


〜〜


〜〜


〜〜


数分後


田村:出来た〜!


賀喜:こっちも終わったよ〜


無事朝食も完成し運んでくる2人。


しかし


○○:何作った…?


田村:卵焼きとお味噌汁!


賀喜:あと白ご飯だよ?


○○:白米は分かる。
けど他の2つは絶対違うだろ…


机に並べられた自称卵焼きは、漆黒の物体になり、味噌汁はドブ水の如く濁った色をしていた。


俺…今からこれ食うの…?


田村:味は大丈夫だから食べてみてよ?


ほんとかよ…


○○は疑いながらも少し口へ含む。


すると


○○:ぐふっ!


田村:なっなに!?


賀喜:もしかして美味しすぎた!?


田村:あっ!そういうこと!?


○○:ちげぇよ!


田村:ならどうしたの?


○○:これ何入れた…?


田村:何ってお砂糖だけど?割と沢山。


○○:沢山ってどれぐらいだ…?


田村:ん〜?確か大さじ4杯とか?


この人馬鹿だろ…


○○:普通はもっと少なくていいんだよ…


田村:えっ?そうなの?


○○:お前も止めなかったのかよ…


賀喜:だってお味噌汁作ってて見てなかったんだもん。


こいつ…


賀喜:ならお口直しにお味噌汁飲んでみてよ?


○○:これも怖いんだけど…


賀喜:いいからいいから!
ほら?1口飲んでみ?


○○:ならお前も飲め…そしたら飲んでやる…


賀喜:うん。いいよ。


そう言うと賀喜は悩む素振りは一切見せず濁った味噌汁を喉へ流し込む。


賀喜:うん。飲んだよ。


こいつほんとに飲みやがった…


賀喜:次は○○君の番だよ?


○○:はぁ…わかったよ…


そひて○○は恐る恐る口へ運び


"ゴクッ"


と喉を鳴らす。


すると


○○:ぐふっ!


賀喜:どう?美味しい?


○○:これ味噌汁じゃねぇだろ…!


賀喜:失礼だなぁ。ちゃんと味噌汁だよ。


○○:ならなんでこんなドロドロしてるんだよ…


賀喜:えっ?ドロドロしてる?


ダメだ…こいつら狂ってやがる…


○○:もういいや…俺先に行くわ…


○○は全てを諦めたかのように項垂れながらカバンを持ち、家を出ていく。


賀喜:あぁ、言っちゃった。


田村:もしかして美味しすぎて逆に食べられなかったのかな?


賀喜:ん〜?多分それは無いんじゃない?
それと私達も遅れちゃうし行こ?


田村:そうだね!


とその後2人も何故か朝食を完食し家を出ていく。


その頃


○○:…マジで気持ち悪ぃ…もう2度とあいつらに飯なんか作らせねぇ…


永遠に後悔の念が残り、ブツブツと独り言を呟きながら学校へ向かう○○。


しかしこの時はまだ


"久しぶりだな。○○。すぐあの時の事後悔させてやるからな。"


今後訪れる"絶望"を知る由も無かった。


To Be Continued

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