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執着を手放し『台湾隠居』で得た大原扁理のストレスフリーな生き方 vol.1

20代で週休5日の隠居生活の後、30歳で17万円握りしめ、台湾へちょっくら移住。散歩と思索と読書の「隠居」三昧! 大原扁理の書き下ろしエッセイ『いま、台湾で隠居してます』

 はじめましての方も、知ってくださってるという方も、台湾からこんにちは。大原扁理と申します。
 この本は、私が2016年の秋から約3年間、思いつき&ノープランで台湾に移住してから、かの地で隠居生活を作り上げるまでの体験、見聞きしたもの、考えたことをまとめたものです。

 まず、隠居生活って何? って感じですよね。少し自己紹介をさせてください。
 私は25歳から東京郊外で隠居生活をはじめました。
 隠居生活といっても、徳川のご老公とか、落語に出てくるような感じではなくて、週に2日だけは生活費のために働くけれども(介護の仕事をしていました)、あとの5日はなるべく社会と距離を置き、年収100万円程度稼いだら、あとは好きなようにさせてもらう、という感じでした。少労働、低消費、そして省エネ型の最高な生活。それを6年ほど続けました。詳しくは『20代で隠居  週休5日の快適生活』などの著書に書いてあるので、興味のある方は読んでみてください。

そして今回は、それを台湾でやってみた、という記録です。
 そんな簡単に海外移住とかできるんかい、とお思いでしょうが、結論から言いますと、できちゃってるんですよ、これが。相変わらず、東京に住んでいたときから親の遺産や株はなし! 宝くじにも当たっていない! ITにも疎いまま、です。
 いつか海外に移住したい、という方にも、ふつうの観光に飽きてしまい、違う楽しみ方を知りたい、という方にも、もちろんただ読んで行った気になりたい、という方にも。これがベストとは言わないけれどひとつの例として、なにか役に立つことがあれば幸いです。あ、ふつうの観光旅行には、あんまり役に立たないかもしれませんが…。

 とにもかくにも、早速、行ってみましょう!

ここは台湾。 なのに、台湾らしいことは何もしない。
しみじみ楽しい!ゆるゆるマイノリティライフ

25歳にして隠居生活をはじめた大原扁理さん。東京郊外で年収100万円以下の生活を約6年間続け、30歳を過ぎた2016年、まさかまさかの台湾を舞台にした隠居生活がはじまりました。台湾でのゆる〜い隠居のトリセツ公開はもちろん、台湾の人々との出会いから、これまで感じることのなかったマイノリティとしての生き方など、アップデートされた大原さんの新しい世界が綴られています。この連載では全4章を何回かに分けてご紹介します。

第1章 なぜ、台湾で隠居することになったのか

 20代で世をはかなみ、東京で隠居を決め込んで6年。最近食えなくなったなー、飲めなくなったなー、とか思っていたら、どうりで私は三十路にさしかかっていました。
 それで、東京で隠居ができることはもうわかったし、東京以外でも隠居できるのか試してみようかな~と思っていたのです。
 そんなわけで、東京のアパートを引き払い、台湾へ、ちょっくら行ってみたのでした。

元来、旅行が好きではない

 みんなが非日常の夢を見る旅先で、私はずっと日常を夢見ていました。
 
 安宿のチェックアウトの日時を気にしたり、そこから逆算して朝起きる時間を決めたくない。

 何も予定を立てずにただ家にいて、気が向いたときに本を読んだり、コーヒーを淹れたり、掃除や洗濯をしたい。

 つまり旅先で、とくになんにもしたくない!

 そんなわけで私は、いくつかの街で部屋を借り、仕事を探し、ふつうの生活を始めたのでした。

 いつでも、どこにいても、私が恋焦がれるのは非日常ではなくて、何の変哲もない、輝かしくない、ありふれた日常なのです。

海外移住は選ばれし人だけのもの?

 週末にぷらっと海の向こうへ行けちゃう時代にですよ、海外移住って、そんなにごく一部の選ばれた人だけしか体験できないようなことだろうか。行ってみたら案外、何とかなるんじゃないの? 非日常を求めない、日常の延長みたいな感じで、もっとごくふつうの生活を海外で送ることも、できるんじゃないの?

 誰も教えてくれないなら自分で試してやる!

 というわけで、海外移住にあたって私が大切にしたのは、私自身が「一部の選ばれた人」側にならないこと。私はいつも、なるべくフツーの人が、なるべくフツーの条件で隠居生活ができるのかを知りたくて、ずっと試してきたつもりでした。

 ですから海外移住する際も、初心を忘れないため、自分の条件を「フツーのどこにでもいる市井の人」と同じにするべく、人より恵まれてると思しき条件を禁じて、トライしてみることにしました。

次回は、第1章の後半【台湾に移住する前にやっておきたいこと】から【台湾へ出発】までをご紹介します。



大原さんの近況 〜2022年6月某日〜

ドリンク&フードチケットをもらったので、普段は高くて行けない地元のスタバへ。こんな感じで英→日の翻訳をしています。注文したのはメロンフラペチーノと抹茶のスコーン。

ポメラで翻訳のお仕事

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