中島孝介/ネオマーケティング デザインリサーチャー

ネオマーケティング インサイトドリブンdiv所属 社会の事象や日々の観察からインサイト…

中島孝介/ネオマーケティング デザインリサーチャー

ネオマーケティング インサイトドリブンdiv所属 社会の事象や日々の観察からインサイトについて思うことを書いています。 拙著「インサイト・ドリブン たった1人の「こだわり」からヒットは生まれる」もよろしくお願いします。 連絡先:k-nakajima@neo-m.jp

最近の記事

インタビューの意義を高めるデブリ

現在、リサーチ業界ではインタビュー調査が増えてきていますが、みなさんはどこまでインタビューの意義を感じられているでしょうか。たった数名のインタビューをするだけでも●十万円かかるのが相場であり、決して安いものではありません。 それでも生活者のインタビューニーズが高まっているのは、アンケートではわからない非論理(人の矛盾した行動とそれに伴う感情)な情報を得ることができることが大きな要因でしょう。 インタビューは本人もあらためてインタビューをうけることで、普段の自分のなにげない行動

    • インサイトは見つけるというより創らなければならないもの

      マーケティング界隈にはインサイトという言葉があります。抽象的でとらえにくいワードですので、大学などの教授陣はこの言葉は知ってはいる?ものの自分たちで使おうとしていません。 それくらい定義が抽象的で説明しにくいものではあります。 しかし、ビジネス上ではインサイトから新たな商品開発や価値創造といったことの重要性がいわれるようになり、インサイト産業なんて言葉もでてきました。 そこで、あらためてインサイトについて考えていきたいと思います。 インサイトを見つける、という表現の違和感

      • リアルのインサイト創造体験型セミナーを久しぶりに開催してみて感じたこと

        「インサイトの創り方」というテーマでワークショップ形式によるセミナーを先日実施しました。 コロナになってからオンライン上でのウェビナーは数多く実施してきましたが、会場にお越しいただき参加者と同じ空間でのセミナーは以前実施した時から3年以上経っているのかもしれません。 今回3時間のセミナーでしたが、ワークショップ形式で参加者同士が対話する時間が半分以上あったので、時間が経つのがとても早くアッという間に終わりました。 久しぶりに実施したリアルのセミナーだったので感じたことをとど

        • 【番外編】ドラマから考える「ストーリーはビジネスにもっと活用できる」

           インサイトからそれるのですが、人の心に強く残るということは何か?ということを深く考えさせられたことを自分の頭の中を整理することもふまえ書いていこうと思った次第です­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­­。 ­­­­­­­­­­­­­­­­――――­­­­­­­­­­­­­­­ 題名にもあげさせてもらいましたが、きっかけとなったのは久しぶりにしっかり視聴したドラマでした。 なぜ、ここまで自分の意識(感情)にこびりついてはなれないんだろうと不思議に思えたからです。久

          インサイトからヤクルト1000のヒット要因を洞察してみる~子供時代の体験はインサイトと関連が強い!?~

          日経MJの2022年上期ヒット商品番付にものっている「ヤクルト1000/Y1000」。2021年から驚異的な売上を記録しているようで、その数1日120万本だとか。人口から考えると日本人の1パーセントが毎日買っている商品になります。なかなかえげつない数字です。 メインとなるターゲットはビジネスマンで、ストレス緩和や睡眠の質向上といった効果・効能があるようで、そういった健康面のメリットが購入意欲を高めている要因だと思われます。それを支える乳酸菌シロタ株の臨床試験の結果や高密度、

          インサイトからヤクルト1000のヒット要因を洞察してみる~子供時代の体験はインサイトと関連が強い!?~

          インサイトは難しくとらえられすぎ

          インサイトという言葉はマーケティング界隈で、ほんとによく耳にする言葉になりました。 現代社会において生活者の潜在的な意識を探っていかないと新たな価値を構築できないと考えられてきているからだと思います。 確かにほとんどの業界は成熟していて、散々やれることはやってきただろうという中での競争環境になっています。また、技術的な進歩などから異業種参入がいたるところで行われ、もはや競合がどこか?なんて定義を設定しても翌年には変わっていてもおかしくない時代になっています。 自動車市場も電

          TikTok投稿者のインサイトを考えてみる

          今年も半年近く経過してきた中、あらためて昨年何がヒットしたのかを見てみました。 日経トレンディの2021年のヒット商品10は以下のとおり 1. TikTok売れ 2. ウマ娘 プリティーダービー 3. シン・エヴァンゲリオン劇場版 4. 昭和・平成レトロブーム 5. ahamo/povo/LINEMO 6. マリトッツォ 7. キリン一番搾り 糖質ゼロ 8. BTS 9. ピッコマ 10. Visaのタッチ決済 11. カントリーマアム チョコまみれ 1位はTikTo

          インサイト創造~エクストリームユーザーが効果的である理由~

          マーケティングにおけるリサーチといわれるものは、ほとんどが「人」に関わっています。 そしてインサイトとは“人の意識”に帰属しているため、当然ながら「人」が対象のリサーチとなります。 リサーチは、だれ(人)に聞くかがとても重要です。それは目的によって、あるいはジャンルなどによっても変わってきますが、この対象となる人を間違わなければ、感覚としては7~8割の確度で調査はうまくいきます。 例えば、よくあるインタビュー調査に、すでにあるブランドの価値を明らかにする、といった人の意識

          インサイト創造~エクストリームユーザーが効果的である理由~

          インサイト探索にバッチリ!訪問観察を推奨する理由(インタビュー“だけ”の限界)

          調査の中に、訪問観察調査というものがあります。よく耳にする行動観察やエスノグラフィックリサーチといわれているものと基本的には同じと考えていただいてかまいません。 インタビュー調査は言語がメインの情報(対象者の表情やしぐさなどもあります)ですが、観察は言語以外の情報を非常に多く集めることが可能でインサイト探索にはもってこいの情報が取得できる調査になります。 百聞は一見にしかず、とはよく言ったものです。 インタビュー調査はインサイト探索には有効でない? インサイトとは本人も

          インサイト探索にバッチリ!訪問観察を推奨する理由(インタビュー“だけ”の限界)

          ワークショップによるインサイト創造

          インサイトを創り上げるには1人より複数人数ですすめていくことをおすすめしています。 理由は明確で“正解がわからないから”になります。 すなわち、 「これはインサイト?」といった疑問について、複数の人による共感、合意形成がなされることで初めてインサイトと認識されることになります。言い換えると、インサイトはそれくらい脆く、一人で言い張っても、そのとおりだっ!と周囲が納得することはあまりありません。 ワークショップとは? インサイトは複数人数で、といいましたが「ワークショップ

          インサイトと潜在意識・無意識の関係

          「インサイト」は人の潜在意識に存在するものというのが定説です。潜在意識とはよく氷山の海面下で見えない部分で表現されています。海面より上が顕在意識(認識している意識)のことを言っていて、見える見えないを顕在・潜在でわかりやすく表現しているわけです。 では、この海面に隠れているインサイトに重要な潜在意識とは一旦、どういうものなのか。そこについて私の考えを書いていきたいと思います。 「潜在」がついている【意識】とはそもそも何か?まずここについて触れていきます。 意識とは軽くWE

          インサイトとは?

          デザインリサーチャーの中島と申します。 普段は企業からの依頼をうけ、リサーチのあれこれをしながら生活者を起点とした商品開発やコミュニケーション開発のお手伝いをしています。その日々の過程を通じて考えたことや日常にある何かから感じ、考えたことを綴っていきたいと思ってます。 テーマは「インサイト」に関わることなりますので、興味がある方は、今後ともよろしくお願いいたします!  「インサイト」という言葉が商品開発やコミュニケーションなどのマーケティング界隈で非常に耳にする機会が多くな