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脳をブーストする市販薬品 / クレアチン

脳を「ブースト」するという目的で使われる薬やサプリメントは、一般に「ヌートロピック(認知増強薬)」と呼ばれています。ただし、このような薬剤やサプリメントの効果は、科学的な証拠に基づいていないものも多く、個々の反応は人それぞれ異なります。

合法的なヌートロピック

  1. カフェイン: コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれている。覚醒作用があり、集中力を一時的に高めることがある。

  2. L-テアニン: 緑茶などに含まれるアミノ酸で、リラクゼーションを促すとされている。カフェインと一緒に摂ることで、集中力の向上が期待される場合がある。

  3. クレアチン: 筋肉増強用のサプリメントとしても知られていますが、一部の研究で認知機能の向上が報告されています。

  4. パントテン酸(ビタミンB5): 一部の研究で疲労感の軽減や認知機能の改善が見られる可能性が報告されています。

  5. ジンコ・ビロバ: 血行改善や抗酸化作用があり、一部の研究で認知機能に対するポジティブな影響が見られるとされています。

注意点

  1. 健康リスク: これらの成分が全ての人に安全であるわけではありません。過剰摂取や他の薬との相互作用が問題になる場合もあります。

  2. 効果のバリエーション: 人それぞれ反応が異なり、すべての人に効果があるわけではありません。

  3. 科学的根拠: 一部のヌートロピックは科学的な証拠に乏しく、効果が確認されていないものもあります。

必ず医師の診断を受けた上で、自分に適したものを選ぶようにしてください。特に既存の病気がある場合や他の薬を服用している場合は、医師と相談することが重要です。

この中で「クレアチン」は市販薬品として入手可能です。

筋トレ向けサプリメントとして各社から販売されています

クレアチンは、主に筋トレや運動パフォーマンスを高めるために使用されるサプリメントですが、一部の研究では認知機能の向上にも効果があるとされています。以下はクレアチンを摂取する際の一般的なガイドラインですが、これは医療アドバイスではありません。特定の健康状態や既存の疾患、薬の摂取状況によっては、特別な注意が必要ですので、必ず医師に相談してください。

クレアチン摂取の一般的な方法

  1. タイプの選択: クレアチンモノハイドレートは最も一般的で、多くの研究で効果が確認されています。

  2. ローディングフェーズ: 初めてクレアチンを摂取する場合、最初の1週間は1日に20〜25g摂取する「ローディングフェーズ」を行う方法があります。

  3. メンテナンスフェーズ: ローディングフェーズの後は、1日5〜10gのクレアチンを摂取する「メンテナンスフェーズ」に入ります。

  4. 摂取タイミング: トレーニング後に摂取するのが一般的ですが、日常的に摂取する場合はタイミングはそれほど重要ではないとされています。

  5. 水分補給: クレアチンは筋肉に水分を引き込む作用がありますので、十分な水分補給を心掛けてください。

  6. 食事との併用: 糖質を一緒に摂取すると、クレアチンの吸収が良くなる可能性があるとされています。

注意点

  • 健康状態: 腎臓に問題がある人はクレアチン摂取によって健康リスクが高まる可能性があるため、医師と相談してください。

  • 副作用: 一部の人には胃痛、水分の過剰蓄積、筋肉のけいれんなどの副作用が報告されています。

  • 他の薬との相互作用: 既に処方薬やサプリメントを摂取している場合は、クレアチンとの相互作用がないか医師と相談してください。

以上のように、クレアチンの摂取は一般的には安全とされていますが、その効果や安全性は個々の体質や健康状態に依存するため、必ず医師と相談することが重要です。


クレアチンの脳への好影響

クレアチンが脳機能に与える影響については研究が行われていますが、その効果はまだ完全には確立されていないと言えます。以下は、クレアチンが脳機能に与える可能性のある影響に関する一部の研究結果です。

  1. 認知機能の向上: 一部の研究では、クレアチンの摂取が特定の認知タスクのパフォーマンスを向上させる可能性が示されています。特に、短期記憶や計算能力、高度な認知能力において改善が見られたケースが報告されています。

  2. 疲労の軽減: 長時間にわたる認知タスクでの疲労感を軽減する効果があるともいわれています。

  3. 睡眠不足: 一部の研究で、睡眠不足時にクレアチンが認知機能を維持する可能性が示されています。

  4. 高齢者や神経疾患: クレアチンが高齢者やパーキンソン病、アルツハイマー病などの神経疾患における認知機能の低下を緩和する可能性が研究されています。

  5. 精神的健康: 一部の研究で、クレアチンがうつ症状やビポーラ障害に対して何らかの効果をもつ可能性が示唆されています。

このような研究結果もありますが、多くの場合、参加者の数が少ない、あるいは短期間の研究であり、確固とした科学的証拠が得られているわけではありません。また、効果が認められたとしてもその規模は限定的であり、個々の生活習慣、健康状態、遺伝的要因などによって効果が異なる可能性があります。

したがって、クレアチンを認知機能向上のために使用する際は、十分な医学的相談を行うことが重要です。特に既存の医療状況や薬物の使用状況、副作用などを考慮に入れた上で、医師と相談することをお勧めします。



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