見出し画像

セルフイメージ

自分にどんなイメージを持つか?
「セルフイメージを上げる」というような記事を様々なブログ等で目にするのですけど、これってかなり難しいですよね。

分かりやすい例を挙げると、これまでカウンセリングをして来ている中で何件かいわゆる「醜形恐怖」のお客様がいらっしゃったことがあります。

「容姿が醜い」「嫌な臭いを発している」など、自分自身についてかなり否定的なイメージを持っています。
いくら周りの人間が「そんなことないよ、かわいいよ、良い匂いがしているよ」と言ったところで、当人は「みんな私を憐れんで言ってくれている」とか「みんな嘘をついている」と受け取ってしまい、人間関係も拗らせてしまう。
当人にとってそれは「自分は醜い」という想いを「否定」されることになって「自分を否定されている」となってしまっているため、伝える方も受け取る方も双方ともにつらい状況を作ってしまいます。
これは当人も相当つらいし、その周りの人間もどうしたら良いのか、途方に暮れてしまうモノです。

お客様の中には居ませんでしたが、その否定的なイメージを払拭すべく美容整形を繰り返す方もいると聞きます。
否定的なイメージだけしかないために「理想」が分からず、1か所直してもまた他のところが気になり…を繰り返し、借金をしてまで手術をすることで結果的に自己破産してしまうというケースもあったようです。

それではセルフイメージを上げるために必要なことって、何でしょう?
これは自己肯定感にもつながるのですが、必要なのは「今の自分が持っているセルフイメージはどのようにして出来上がったのか」を知ることと考えています。

「価値と価値観」の違いについてもお話しましたが、容姿の美醜、そしてその好みは「個人」によって大きく違います。
街を歩くカップルを見ていて「何であんな不細工な男にあんな美人が???」と感じた事って、少なからずあると思います。(私にはあります)

もちろん見た目だけの話ですから、それぞれの内面までは分からないですし「もしかしたらあの男はものすごいお金持ちなのかも」なんて穿った見方をしてしまうこともあります。
ですが容姿の美醜は相対的なモノで、絶対的な美も無ければ絶対的な醜さもないことだけは確かです。

これまたいつもお伝えしていることですが、オギャ~と生まれた瞬間から「僕は(私は)醜い」と考える赤ちゃんはいないわけで、成長過程のどこかで「私は醜い」という価値観を植え付けられているはずなんです。

上記の醜形恐怖のお客様に共通していたのは、子供の頃に両親や兄弟姉妹から「お前はブスなんだから」「お前は器量が良くないんだから」と言われ続けていたことです。
そこに「○○ちゃんと比べて」なんて比較も入っていたりしました。

つまり今の自分が持っているセルフイメージは過去に「他人から」植え付けられたものであり、正しいイメージではないと理解してからでないと、セルフイメージを上げる事って出来ないモノ、と考えます。

セルフイメージを上げるためには、今の自分が持っているセルフイメージが「間違ったイメージ」であると知る事から始めるわけですが、実際のカウンセリングでもこれは相当に難しかったです。
難しかったのですが、時間をかけてじっくりと向き合いながら少しづつ「間違った思い込み」を伝えていくことで、醜形恐怖を克服出来た方も居ます。
ほんと、時間や期間は相当に掛かりましたが。

カウンセリング全般に言えることですけど、マイナス(否定)をいきなりプラス(肯定)にするのは、相当ハードです。
なのでまずマイナスを±0(あるがまま)にする。
そこからプラスを目指す、そんな感じを想像して頂けたら分かりやすいでしょうか?

いいなと思ったら応援しよう!

須藤 勝則
頂いたサポートはカウンセリング普及活動などに使わせて頂きます