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2021年間ベストソング3選[国内編]

先日投稿した2021年間ベスト記事がかなり好評で反響も多くあり、とても嬉しいです。ありがとうございます。
あの記事でかなり消耗したので、今回は軽めにいきたいと思います。

今回はこれもまた先日投稿した2021年間ベストソング[海外編]に引き続き、国内編と題して3曲選びました。

※真面目に選びました。

では、3位から

3. 君島大空「向こう髪」

年間ベストアルバム記事でも9位に選出した君島大空の傑作アルバム『袖の汀』収録の格別に透き通った一曲。
君島は前作『縫層』(2020)ではメタルに寄ったギターロックで、最新作はフォークソングという、幅広くかつ無理なくなんでもこなせる稀有なシンガーソングライターだ。この曲はフォーク志向の曲の中でも最も美しいもので、日本の「blackbird」と言ってしまってもいいのではないかと思う。



2. MONO NO AWARE「そこにあったから」

「多様性」という言葉がかつてないほどに叫ばれている。「ポリコレ」というと、いろいろ意見を言いたがる人が多くなる話題だが、基本的には概ね歓迎すべき流れだろう。
引っかかる点があるとすれば、時折みられる「多様性を認めよう」という言い回しだ。なぜなら、別にあなたが認めなくたって多様性は存在するからだ。
MONO NO AWAREの「そこにあったから」は、確かに当たり前のことを歌っている。でも、なんだかそれが一番真理を言い当てるように思う。それが妙に心地いい。「いつまでもみな 幸せでいて」というシンプルな祈りも、潔く高らかに響いている。



1. 粗品(霜降り明星)「父ちゃんの歌 ~余命宣告編~」

これについては、まずはこの動画を再生してくれとしか言いようがない。


私は元々音楽を自分から聴くようになる前、とにかく「ラブソング」が嫌いだった。「キミ」という語が出てくるだけで無理だった。だから、端的に言って、音楽が嫌いだった(ではなぜ今こんなことになっているかと言えば、それはブルーハーツに出会ったからなのだが、別にそれは今回はあまり関係がない)。
そんな私がラブソングについて見方が少し変わったのは、どこかで耳にした矢沢永吉の言葉だ。

なぜ世界中にラブソングがあるか考えたことがありますか?
うたは最高に気持ちが伝わるからです。 僕はそう思います。

「矢沢、ラブソングを語る」編

うたは最高に気持ちが伝わるから。簡潔で明快な答えだと思う。

これを少しだけ解釈すれば、あるメッセージを普通に発する場合と、「うた」を通した場合で伝わることに決定的な差がある、ということだろう。私はその差分こそ、「音楽の力」なのではないかと思う。

そんな「音楽の力」を最も感じたのが、この千鳥の「クセがスゴいネタGP」で放送された粗品の「ネタ」である。
サビ(というかオチ?)に入った途端、一瞬凍り付くものの、大悟の「笑ってやろう」という一言でじわじわとスタジオが笑いに包まれていった。間違いなく不謹慎ではあるのだろうが、どうしたって笑えてしまう。これが「すべらない話」だったらこうはいかなかっただろう(20210301追記:どうやら本当に「すべらない話」で披露していたようだ。ちゃんとスベっていた。友人が教えてくれました。ありがとう)。
つまりこれこそ、紛れもなく「音楽の力」と言えるのではないか。
他にも粗品による「父ちゃん」の歌がYouTubeには投稿されているが、これが一番面白い。
霜降り明星が2018年にM-1で優勝した後、地元に戻った粗品が、亡き父の友人たちとの飲み会で泣いていたのを何かの番組で見たのが印象に残っている。
いくら時間が経っていようと死んでしまった人への悲しみは消えないが、その乗り越え方は、父の死への悲しみを歌うのではなく、それを「ネタ」にして笑いに昇華してしまうこともあるように、「うた」ひとつとってもこれほど人それぞれなのだ。

と、一応格好良く結論付けておこう。。。


こちらは2021年良かった曲を100曲選んだプレイリストです。出来るだけ思い入れの強い順に上に収録しましたが、ランキングにはなってません。


ポッドキャスト等の制作費にします。 ありがとうございます。