とろり@現役鉄道マン
鉄道設備検査の省力化について
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鉄道設備検査の省力化について

とろり@現役鉄道マン

こんな記事がありました。

従来では車両の検査は数日周期で行う比較的簡易な検査と、数年周期で行う詳細な検査がありました。検査周期は車両の使用状況等に応じて設定されているのですが、いずれの場合でも各車両が車庫に入ってくるタイミングでしか検査することができなかったため、ごく稀にある検査周期より短い期間で拡大する不具合に対処することが難しい傾向にありました。

この記事の技術はそういった従来検査の弱点を補完しつつ、検査自体の省力化・さらには鉄道利用の快適性向上まで実現しようとする取り組みです。今回は鉄道業界が取り組む新たな検査方法の考え方について紹介します。

TBM

Time Based Maintenance(時間基準保全)のことで、状態に関係なく一定の時間間隔で点検・修繕を行う考え方です。現在ほとんどの鉄道で行われている方式がこれです。これまでの設備使用実績・故障統計から検査周期を決定していますが、下記のようなメリット・デメリットがあります。

◎検査等が人によって行われるため、技術継承に役立つ
◎どの設備をいつ検査したかを管理しやすい・予定が立てやすい
✖設備の状態に関係なく一定間隔で検査・修繕を行うため、不要な作業が含まれる場合がある
✖検査周期より短い期間で起こる故障に弱い

CBM

TBMの問題点をクリアする考え方として注目されているのがCBM:Condition Based Maintenance(状態基準保全)です。各設備の状態をリアルタイムで監視し、不具合の予兆をとらえた段階で対処を行う考え方です。下記のようなメリット・デメリットがあります。

◎各設備の状態に応じて対応するので、不要な検査等の作業がなくなる
◎常に監視しているので、突発的な故障もすぐ発見・対処できる
✖状態監視のためにセンサー・監視端末設置等のコストがかかる
✖機械学習を用いる必要があるなど、技術面を鉄道会社技術員がキャッチアップできない可能性がある

冒頭の記事のような車両に対する取り組みだけでなく、レール・電車線などについても営業運転する列車にセンサやカメラを取り付けてCBM化する取り組みがあります。

今後の鉄道保守の動向

日本の労働人口減少が継続していく予想のため、CBMを活用した保全省力化検討がより一層重要になると思われます。一方でコスト面ではTBMにメリットがある場合もあるので、コロナで経営悪化したことも踏まえ、TBM・CBMのベストミックスで省力化・低コストな保全体系を目指すことが求められるでしょう。

鉄道技術職に求められること

省力化⇒少人数体制となったとき、技術職1人がカバーすべき範囲が広くなる可能性があります。また常によりよい手法を考えていくために、日々進歩する技術に目を向ける必要もあります。設備も高度化していくので、これまでよりも高いレベルが技術員に求められるようになるのではないでしょうか。

おわり

鉄分多めの記事になってよかったです。どの会社もこういうネタ好きなはずなので、面接とかで使って下さい。

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とろり@現役鉄道マン
大手私鉄総合職の現役鉄道マンです。/※たまに趣味が入ります/鉄道/社会人生活/学生生活/就活/勉強/筋トレ/2022.2.13~