見出し画像

【24年3月】今月のアート放浪記

24年3月のアート放浪記です。
今月も巡った美術館、建築、その他観覧の感想メモを記入していきます!

過去月の放浪記をマガジンにしてみました。
良ければご覧くださいませ。


しながわ水族館
3/1
品川区営の水族館。葛西臨海公園と比較するとコンパクトな作りなものの、水槽の魅せ方に工夫が凝らされており、とっても楽しかった。画像のような水中トンネル、アザラシを360度の角度から見れる空間、都市開発の影響や共存が見えるよう街のパネルを沈めた水槽など、見応えあり。イルカショーも短時間ながらダイナミックでした。生まれたてのアザラシの赤ちゃんもいたのですが、観覧窓が仕切られており、後ろ姿しか見えず。そして、カワウソ!!めっちゃ可愛くて、心がツヤツヤになった気がします。
FACE展2024
@SOMPO美術館 3/3
去年に続いて観覧のFACE展。好きな公募作品に投票できるので、心なしかいつも以上にじっくり作品を観れた。石膏でつくった絵、大量の小さなドットで海の写真を模している作品などなど、面白い作品がたくさんありました。公募展などは、作家さんが多数いる分、多ジャンルの作品に触れられるので、一般的な企画展とは違った面白さがあると思いました。
記憶 リメンブランス
&東京都写真美術館 3/3
様々なアーティストさんの写真展。米田知子さんの北朝鮮、韓国の分断を伝える写真が印象的でした。
上記展示も拝見したのですが、既に企画展を2つ巡って、グロッキー気味だったので、会場の雰囲気だけ味わって、美術館を後にしました。
@本の森ちゅうおう
3/4
丸の内ピカデリーで映画観た後、散歩がてらに建築をチェック。独特な外観に対して、ゆったりした館内と全面スケルトンな窓も相まって、かなり開放感ありました。近所の人、羨ましいなぁ。
椅子とめぐる20世紀のデザイン
@日本橋高島屋 3/4
圧巻の名作椅子たち。造形美なものにたくさん触れられて、心がツヤツヤになった気がする。作品解説の中で、イームズさんは軍の飛行機の椅子の設計に携わっていたけど、戦後はその苦々しい思いを払拭するように椅子を製作した結果、現代でも愛されるプロダクトを生み出したというお話に感動した。椅子というものが技術や美術と共に進歩してきたことが分かった。イームズのラウンジチェア、いつかお家に迎えたいなぁ。
本阿弥光悦の大宇宙
@東京国立博物館 平成館 3/6
ポスターを見て気になってた展示。光悦さんの書、箱物、器、刀と多彩さに驚き。日本の書って読み解き方が分からなくてサラッと見てしまうのだけど、ただ書が書いてあるだけでなくて、背景に絵もあり、印象的だった。ポスターにも使われているものをはじめ、歴史ある箱物(硯箱など)大好きだなぁ。漆や金の美しさと精細な塗りや彫りにびっくりする。数百年前のものが現代でも精巧さと美しさを放っているの、毎回感動する。国立博物館の企画展はいつも見応えも高いのだけど、混雑っぷりもすごくて、今回も人酔いしてしまった。なので、常設展はあまり見ずに帰宅してしまった。笑
@東京都庁 展望台 3/9
散歩がてら都内屈指の寛ぎスポット、都庁展望台へ。冬の澄んだ空気の富士山を見納めに。景色良し、建築良し、休憩スペース良しと、のんびりするのにやはりここは最高。
人のかたち:岡本太郎の人体表現
@岡本太郎美術館 3/10
秋ぶりの岡本太郎美術館。今回は人物作品がテーマ。岡本太郎といえば、かなり独特な抽象画なイメージはあるものの、最初期は具体的な人物画も描かれていたようで驚き。でっかい絵やモニュメントを、岡本太郎デザインの椅子に腰掛けながら見れるので、とても贅沢。広さはないものの、迷路のような構造になっているため、狭く感じない。何度でも通いたくなる美術館。
@豊洲図書館 3/11
都内で1番好きな図書館。開けたスペース、ゆったりと座れる椅子が点在、テラスあり、有料席なら東京湾も眺められる。ちょっと休憩するも、ガチ作業するにもどちらも最適。
@科学未来館(フリースペースのみ) 3/11
冬にリニューアルした際に行ったものの、遠足のキッズたちが多くて、ゆっくり見れなかったので、リベンジ。ただ調子が微妙だったので、今回は観覧は諦めて、館内のフリースペースにて読書。美しい建築に惚れ惚れ。
遠距離現在 Universal / Remote
@国立新美術館 3/13
コロナ渦を経て、人や物との距離感が変わったのを考えてみようぜ!的な企画展。印象だったものは、海底に埋まっているケーブルの写真たち。インターネットってつい無機的な宙に浮かんでいるようなものと思ってしまうけれど、海底に埋まったケーブルがあって、はじめて世界と繋がれているということを再確認。世界は見えない場所に埋まっている一本の有線で繋がっているのか。あとは、アーティストさんのキャッシュ保存された画像を床、壁一面に貼り出されたフロアの展示。キャッシュ保存された画像だと、自分の興味だけでなく、広告などの画像も含まれている。自分の興味は一体何で構成されているのか。昨今のリモート推進の流れをモロに体感している世代なので、共感したり理解したりしやすい作品が多くて楽しかった。
@大谷資料館 3/14
起き抜けのテンションで、宇都宮へ。長く行きたいと思っていた、ついに大谷資料館へ。壮大な空間すぎて、ここは本当に日本??という感覚に。資料館付近から望む、特徴的な絶壁から少しずつテンションが上がって、施設入り口へ。ダンジョンのような急階段を下ると、採掘場跡地へ。視界いっぱいに広がる地下空間は歩いているだけでワクワクした。新宿から電車とバスで3時間、また来たいなぁ。
イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い
@宇都宮美術館 3/14
美術手帖での紹介を見て行った企画展。正直難しかった。ここ2、3年で50以上の企画展を見てきたけど、これまでで一番難解だった。映像作品が多かったものの、解説を見ても、中々難しく…。でも、難しい!どういうことやろ!と自分に投げかけながら作品を観るのもアートの醍醐味の一つなんだと、再認識できた。これから行く方は作家さんの取り組みとか事前に予習していくのもありかも。
櫻井 寛 写真展「列車で行こう!The Railway World」
@キャノンギャラリーS 3/15
ネットでたまたま見たので立ち寄ったギャラリー。予想を遥かに超える感動があった。世界各地の絶景と現地の列車の写真。雪原を走る列車、富士山よりも高い高原を走る列車、オーロラの元走る列車、どの写真もすごく引き込まれた。銀座では、日本国内版の展示をされているようなので、必ず行く。写真集も発売されるそうなので、買おうかな。
Beyond the Spacetime
@YUKIKO MIZUTANI TERRADA ART COMPLEXⅡ/1F 3/15
UG [TOKYOITE] vol.1
@gallery UG Tennoz TERRADA ART COMPLEXⅡ/2F 3/15
SCHRODINGER’S CURTAIN
@Tokyo International Gallery TERRADA ART COMPLEXⅡ/2F 3/15
寺田倉庫エリアのギャラリーをいくつかチェック。箱根のポーラ美術館で作品を観て以来、虜になっている山本基さんの作品を間近で3つも観れたので、大変満足。
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ
@国立西洋美術館 3/17
国立西洋美術館初の現代美術展。美術館の役割は、作品を保管し観覧してもらい、未来の美術をつくる。けれど、その役割が果たせているのか?というテーマの展示。はじめて拝見するアーティストさんばかりで、とても新鮮だった。一見難解だけど、美術展と作品の解説が、従来の企画展よりもみっちりしていて、理解が進みやすかった気がする。参加されている方がこれだけ解説文を読み込んでいる展示も珍しいかも。個人的には、豊島美術館の内藤礼さんの展示を拝見できて、とても満足。ぐっと目を凝らさないと分からないキャンパス。豊島美術館をはじめ、内藤礼さんの作品は、滞在時間を長くもつほど面白い。あとデジタルアートの展示で、アーティストさんの「中学生の頃に手にしたiphone」という記述に驚き。若い!
日本のまんなかでアートをさけんでみる
@原美術館ARC 3/19
遂にきた原美術館ARC!今回のコレクション展は「現代美術のアベンジャーズ」って感じでした(アベンジャーズ見たことないけど)。草間彌生、杉本博司、名和公平、宮島達男、奈良美智、李禹煥、オラファーエリアソンなどなど、名だたる現代美術の作家さんの作品が、ぐっと凝縮されていました。好きなアーティストの展示が山盛りと、新しいアーティストさんとの出会いの場でした。美術館自体は比較的コンパクトなため、展示する作品数が多くはないものの、一つ一つをじっくり鑑賞できるゆとりがありました。展示を見終えたら、牧場風景と赤城山の絶景を見て、また展示を回ってと、とても贅沢な時間だった。気がつけば展示室を3周してました。今年行った展示では1番好きだったかも。アクセスは難ありなものの、頑張って行く価値ありでした。
@佛光山法水寺 3/19
長い階段はきつかったものの、階段を上り切った後の絶景と寺が忘れられない。台湾がルーツのお寺ということで、日本式なお寺との違いも楽しめました。
ついでに、伊香保温泉のロープウェーにも行きました。
櫻井 寛 写真展
「列車で行こう!The Railway World in Japan」
@キャノンギャラリー銀座 3/22
先日品川で立ち寄った写真展が良かったので、こちらへ。品川は世界の鉄道、銀座は日本の鉄道。自然と電車のコントラストが素敵だった。隈研吾デザインの列車、いつか乗ってみたいなぁ。
@江ノ島 3/24
湘南エリアの先輩のお家に行く前、朝8時に江ノ島へ。水族館と迷ったけど、一眼レフなかったので、江ノ島を散策。2016年振りに来たのだけど、足腰に来る…。でも早朝の人の少ない江ノ島、回りやすくて楽しかった。
@ヨットハーバー 3/24
見たかった江ノ島の建築。カフェでカフェラテを買って、ぼーっと空間の美しさに浸る。贅沢でした。
第8回横浜トリエンナーレ
「野草:いま、ここで生きてる(Wild Grass: Our Lives)」
@横浜美術館 3/25
久々の横浜トリエンナーレ。SNSでちらっと「メンタル削られる」というコメントがあり、少々不安を抱えながら、入場。結論、かなり消耗した。戦争、人権、差別、パンデミック、動物駆除、消費活動、災害、地域格差。社会がこれまでと今抱えている問題を提起する作品を凝縮されていた。しかもかなり生々しく。動物の血、デモの再現動画、遺体をモチーフにしたもの、爆撃音の表現。知らないことばかりで、とても勉強になった。ただストレートな作品の数々に、どんよりした気分に浸かってしまった。作品に当てられて一日具合悪い。笑 岡本太郎さんが「分からない!なんだこれ!」と向き合うのもアートだと話されていたので、貴重な体験にはなった気がする。映像作品は長尺なものも多かったし、スタミナも使うので、フリーパスで2回くらいに分けて鑑賞するのがベターだったかなぁ。
@アクアパーク品川 3/28
6年ぶりくらいにアクアパーク品川へ。春休みのキッズにもみくちゃにされながら、美しい水槽を眺めた。イルカショーは流石の大迫力。早めに席取って、漫画読んだりして待機してから、鑑賞した。思わず2回も。コツメカワウソもキュートで心がツルツルになった。アザラシの泳ぐ姿を撮ろうとしたら、脱糞されて、苦笑い。楽しかったので、年パスをゲット。金曜日の夜、定時で上がって、ふらっと1時間ちょいくらい見に来るのが理想。
ブランクーシ 本質を象る
@アーティゾン美術館 3/30
前々から楽しみだったので、会期初日にきた。つやつやの彫刻作品、素晴らしかった。企画展のフロア自体はそう広くないものの、じっくり味わいたくて二周してしまった。リアルな人物の彫刻から、どんどん抽象化されていく、作風の変化を見れて楽しかった。1番最後の鳥をモチーフにした作品は、抽象化されすぎて「鳥?」って感じなものの、シンプルに削ぎ落とされた作品に非常に感動した。絵画も好きだけど、彫刻はぐるりと360度楽しめるので、好きだなぁ。ブランクーシの制作風景の動画が残っているのも面白かった。作品とは関係ないけど、こうした立体的なアート作品が100年経っても朽ちずに残っていること自体にいつもおどろく。ブランクーシの作品をまとまって観れる機会はそうないらしいので、来て良かった。アーティゾン美術館は、美術館フロアと完全に区分けされた形のゆったりした休憩スペースがあって良い。鑑賞の合間に完全にアートと切り離して休憩できる。廊下型の休憩室なので、人の雑踏なども気にならない。美術館としてもここは良いよなぁ。これからコレクション展見るー。

3月は美術館だけでなく、水族館やちょいとした観光地も回れて良かった。
長年行きたかった原美術ARCは、特に良かった。

4月中旬以降は、自由に動き回れる時間がなくなるので、アートを巡るのは、土日メインになりそう(金夜も美術館駆け込みたい)。
暑くなる前に軽井沢の千住博美術館にも再訪したい。

2024年度のぐるっとパスの利用も開始するので、楽しみだなー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?