『あのこは貴族』優越感とシャーデンフロイデ
最近読んだ本の感想をざっくりと。あくまで個人の感想です。
『あのこは貴族』 山内マリコ(2016)
東京生まれ東京育ちの上流階級のお嬢様華子と、地方から東京出てきた美紀。二人のアラサー女子が青木幸一郎を通して出会い、それぞれの人生が大きく揺さぶられる。
ちょっとした貴族気分を味わえる優越感
この小説の魅力的なところは、たくさんあるのだが、これを一番に言いたい。
地方育ちの庶民である私が、ちょっとだけ貴族気分を味わえます。
ああそうなのよ、お金持ちの人ってそういうものなんだよねって思わせる書き方、当たり前のように彼らの生活や常識が描かれている。華子に乗っからせてもらうと、上流階級の世界にちょっとだけ入り込めます。ありがとう。
小説っておもしろいなあ。
上流階級の人の常識に触れられたという、少しの優越感もなんだか心地良い。
シャーデンフロイデな自分が出てきた
大体イメージでしかなくて申し訳ないのですが、女性がメインの出てくる系のお話って、
築き上げたキャリアを全て失って1からやり直し!ってパターンが多い。
この時私はシャーデンフロイデを感じます。
他人の不幸を喜んでしまう自分がいるのです。
ご多分に漏れず、この小説を読んでる最中も、「いつ落ちてくるかな、いつ落ちてくるかな」登場人物たちの不幸を待ってる自分がいました。
そういう意味でも庶民の期待通りにいかない上流階級の方たちの世界。
そこも皮肉でめちゃくちゃ良い。
ある意味期待外れではあったけど、そこもやっぱりこの作品の魅力的な部分なんだろうなーって思ってます。
小説っていいな、自分の知らない世界に連れていってくれる。
山内マリコ先生の他の作品も読んでみたい、
((作品に出会えたのは岡田斗司夫さんのYouTubeがきっかけだった、ありがとう岡田斗司夫さん…!!))