コミュニケーションってなんだ
言葉でしか、行動でしか、相手への想いは伝わらない。
どんなに考えていたとしても、伝わるのはそのひとの言動。
当たり前のことだけど、言葉にして「伝えること」も、思うままに「行動すること」も苦手な私は、それがずっと悩ましかった。
でも大学生活の頃、いろいろな場所で出会ったひとたちが、そんな私に、コミュニケーションの方法はひとつじゃないと教えてくれた。
文字盤を使って、手話で、筆談で、点字で。
発語がない子とは、その子の些細な表情や動きから。
そうやって、障害のある子ない子、たくさん関わって、その分だけいろんなコミュニケーションをとってきた。
通常の、言葉でのコミュニケーションに比べて、伝わることはずっとずっと少ない。すれ違いも起こる。
それでも、大切なことはちゃんと伝わる。
「二人の間に信頼関係と、伝えたい・わかりたいって気持ちがあれば大丈夫だよ」
障害者の日中一時のバイトをしていたとき、職員さんに言われたこの言葉。
私にとって、大切な、大切な言葉だ。
*
なんでこんなことを急に思い出したかと言うと、
「私は言いました。」
「聞いてません。」
っていうやり取りとか、
「〇〇さんが〜って言ったから…」
っていう言葉を、
最近よく耳にしたから。
言葉は、人によって
意味も、受け取り方も、重みも、全然違う。
伝えた、伝えなかった、
言った、言わなかった、
そんな軸でのやりとりを聞いていると、思わず悲しくなってしまう。
伝えたかったのか。
何を伝えたかったのか。
何を聞きたかったのか。
大事なのは、そこだよね、と言ってくれる人が増えたらいいな、と思ってしまうくらいに、
私は昔から、コミュニケーションが大の苦手だ。
だから、せめて、
相手の「伝えたい」に応えられる人間でいたいと思う。
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