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親から何も言われずに、私はきょうだい児になった。

私は、兄の障害を知らなかった。


まだたかが六歳くらいの私は、食事中、何の気なしに言ってしまった。

「私のお兄ちゃんって、どこか悪いの?」と。


その瞬間。

食卓が凍りつき、父親からものすごい剣幕で言われた。

「そんなこと言うな」と。

その顔があまりに怖くて、わけもわからず、トイレの中でわんわん泣いた。

あの日、とんでもないことを聞いてしまったことだけは、よくわかった。

それからも、何度か母にこっそり聞いたことがある。

でも、決まってはぐらかされた。

聞いたところで、教えてほしいことはなにもわからなかった。

何かあるのはわかっていたのに。

いま思えば、私の両親は障害を受け止めるレベルになかったし、妹にどう言うかなんて、もっての他だったんだろう。

みんな腫れ物に触るかのように、私の前では兄の障害の話をしなかった。

ちゃんと兄のことを親と話せるようになったのは、私が大学生になってから。

でも、やっぱり。

早く教えてほしかった。

わけのわからないお兄ちゃん、じゃなくて、

障害があるお兄ちゃん、って

はっきり教えてほしかった。

 

そしたら、もっと、

優しくできたかもしれない。

こんなわけわかんない奴、死んでしまえ!!!と何百回と思うことはなかったかもしれない。(私の性格の悪さ。。笑)

もっと別の悩み方をしていたかもしれない。

わからないのが、一番辛かった、

私にとっては。


人それぞれかもしれないけど、

ちゃんと障害について話し合える家族であれたらと思います。

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