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【休校措置の中、どうやって子どもたちの学びをマネジメントするか】

※シェア大歓迎。たくさんの方からヒントやアイデア、情報を得たいです。ここがひとつのフォーラムとなりますように。

 改めまして、僕は成城学園初等学校という都内の私立小学校で教員をしています(6年目)。
 本学もコロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2月末から一斉休校となっています。
 都内の感染拡大が深刻化する中、この投稿をしている4月4日(土)の時点で5月10日(日)までの休校が決定しています。今後もどうなることやら…というのは、おそらく多くの方にとって共有される不安ではないでしょうか。
 
 昨年度、僕は4年生の学級担任をしており、今年度は持ち上がりで5年生の学級担任となります(本学は3〜6年の4年間は同じ担任で持ち上がるという変わった学校ですので、これは児童も保護者も昨年度中から知っています)。
 休校措置が決まった後、僕のクラスでは下記の3つのサービスを利用しながらクラスの子どもたちと継続的にコミュニケーションを取ってきました。本学は1人1台のiPadがまだ実現できていないため、ご家庭で所有されている端末から利用をお願いしました。

① Googleカレンダー…クラスの予定や時間割の共有
② Googleクラスルーム…クラスの課題や資料の共有
③ Zoom…クラスミーティングや授業の実施
 
 その中でいろいろと試行錯誤をしながら、僕の中で確信に変わりつつあるものは、現状における僕の担任としての役割は【授業をする主体】ではなく、【子どもたちの学びをマネジメントする主体】であるということです。
 以下、主に雑感を交えながら問題意識を詳述していきます。

▽▽▽

 休校措置以降、熱意(そして経験)のある教員間で「オンラインで授業をいかに実施するか」というノウハウがものすごいスピードで共有されていきました。そしてそれは現在進行系で進んでいます。これはとても素晴らしいことですし、「誰一人取り残さない」世界を構築するうえで、どこまでも拡がってほしいなと願っています。
 一方で思ったことが3点あります。視点がぜんぜん異なるものですが、いずれも重要なものだと考えているので併記します。

1.教員の負担増

 授業のオンライン化は、日々の授業準備より3倍の時間と労力を要します(個人の感想です)。
 今は先生方の多くが「この状況をなんとかしなければならない」とある種の「躁状態」になっているので、馬力も出やすいのだろうと思います。
 でも、これを毎日のように続けていこうとすると、必ずバテます。バテれば免疫力が落ちます。免疫力が落ちればコロナに……というのは決して悪い冗談ではなく、本当に起こり得ることです。
 実際、僕は2月末に休校が決まってから38度を超える発熱で、数日間、仕事をお休みしなければいけない状況に陥りました。
 幸い、コロナウイルスは陰性でしたが、その際は職場の先生方に多大なご迷惑おかけしてしまったと猛省しています。こればかりは悔やんでも悔やみきれません。
 今、先生方が倒れてしまっては、元も子もありません。教職員の集団感染だけは絶対に避けなければいけないと思います。

 既にたくさんの優れた教材がオンライン上に共有されている事実を忘れてはいけません。オンライン素人のわれわれが血眼になって授業開発にあたるよりも、他にやるべきことがあるかも知れない。そんなことを感じています。

2.児童の健康を害していないか

 1.と関連して、授業のオンライン化はそれを受講する子どもたちにも少なくない影響を与えると踏んでいます。
 授業のオンライン化は、日々の授業よりも3倍疲れます(個人の感想です)。これは発信する側だけでなく、受け手側にも同じことが言えると思います。
 実際、ここ一ヶ月の間にZoom等でのオンラインミーティングに立て続けに参加したことで疲労を感じてしまうこともありました。
(「セルフビューを非表示にする」など、負担を減らす手はいくつかありますが、ここでは割愛します。)

 小学校の場合、1コマの時間は40〜45分です。これと同じ時間で授業が設計できればよいのですが、なかなかそうはいきません。
 とりわけZoomを用いて、子どもたちとインタラクティブ(双方向的)に授業を展開しようと考えると、授業時間は長くなってしまいがちです。教室での45分の内容を完了しようとすると、1.5〜2倍の時間がかかるという感覚です(個人の感想です)。

 このように考えると、子どもたちは1日に授業を何コマ受けられるでしょう。言い方を変えると、子どもたちが画面に向かう時間を、われわれ大人は何時間まで許容できますか?ということにもつながります。
 

3.子どもたちの「声なき声」は拾えているのか

 1.と2.ではオンラインという環境に対して、教員と子どもたちが疲弊してしまうのではないかという視点で書きました。
 ここでは全く別の視点で考えてみたいと思います。そして個人的にはここが一番大切なポイントではないかと思っています。

 1.にも書かせていただいた通り、われわれ教員の多くは「この状況をなんとかしなければいけない」と躍起になっています。それぞれの専門性や経験、持っている知識などを総動員して、素晴らしい実践が日々拡がっていることを実感しています。これはとても尊いことで、僕もたくさんの刺激と勇気をもらっています。
 こうした大人側の取り組みが次々と報告されてくる一方で、それを受ける子どもたちの声が表に出てこないことが気になっています。実際、子どもたちは今、何を望んでいるのでしょう。

 ひと言で言えば、現在行われている取り組みの多くは「学校をオンライン上に再現すること」と言えると思います。授業のオンライン化はそれの典型で、より質の高い授業を提供しようと、多くの人の熱意がそこに注がれています。
 ただ、学校という場所の価値は授業「だけ」ではありません。そして僕がクラスの子どもたちと交流しながら感じていることは、彼らが必ずしも授業「だけ」を望んでいるわけではないということです。
 クラスや学校の仲間と他愛のない会話を楽しむこと、お互いの近況をゆるやかに知り合うこと、教員になんとなく話しかけてみること……こういったささやかで、当たり前のものこそが、今の子どもたちから最も奪われてしまっていて、そして彼らが望んでいるものではないかと思います。
 これは子どもたち自身も自覚していることであり、大声で求めているものだと思います。
 
 これに加えて、子どもたちには「声なき声」があるということも感じています。たくさんの優れたコンテンツがあちこちにあること、それに手軽にアクセスできることを、子どもたちもなんとなく知っているように思います。それは多くの温かい人たちが、熱心に情報を届けようと努力したおかげです。
 一方で、そういうものがあるとは知りつつも、それにアクセスしない・できない子どもたちがいることも事実です。彼らの声を勝手に代弁すると「何をやっていいか分からない」「どうしていいか分からない」という声です。

 つまり、自分の学びをどのようにデザインしていくかということが苦手なのです。なぜなら、これは多くの学校が、子どもたちに一番教えていないことだからです。
 彼らにはいつも決められた「時間割」があって、「課題」がありました。それらをひたすら受けていくことが、彼らにとって「学ぶ」ということを意味していました。それがなくなった今、「学べと言われましても…」というのが彼らの本音なのではないでしょうか。
 学校の休校に伴い、そういったものから解き放たれたことで、「何をすればいいか分からない」と途方に暮れている子どもたちが、相当数いるのだろうと推測しています。
 自分の学びをデザインできなくて困っている――これは子どもたち自身には言語化できない、「声なき声」ではないかと考えています。
 
 授業をオンライン化することで、「これをやっておけば間違いなし」「この知識は絶対得よう」と大人側が提供を続けることもとても大切です。でもそれだけではこの問題は解決しません。
 今、教育に携わる人間の仕事として最も重要なのは、この状況の中で、どのように子どもたちの学びをデザインする力を付けさせられるか。その支援の手立てとあり方を模索することではないでしょうか。

▽▽▽
 
 長くなりましたが、ここで最初の問題意識につながります。

 僕はこれからしばらくの間、【オンラインで授業をする主体】としての役割よりも【子どもたちの学びをマネジメントする役割】を重点的に行なっていきたいと考えています。現行の優れたサービス等を駆使すれば実現できると信じています。

 そのためには、
①子どもたち個々人の現状を的確に把握し、
②そこに対して適切なリソースへアクセスを促し、
③そこでの学びのリフレクションを支援しつつ、
④その子の学びの全体像を設計するという役目があるかと思います。

 今、僕には①〜④のすべてに関する知識と情報と手立てが不足しています。

 そこで多くの方に、
「こんなリソースがあるよ!」
「こういうサービス使えばいいよ!」
「知り合いがこういうことをしているよ!」
「そういうことをやりたいならこの本読むといいよ!」
という情報を、《とにかくたくさん》お寄せいただきたいのです。

 僕は一切のサービス等を知らないものとして教えていただいて構いません。ここに集まった情報のすべてが、子どもたちにとって価値のあるものになると信じています。

 
 「学びを止めない」、「誰一人取り残さない」――僕はとても大事なマインドだと思います。
 画面の向こうの子どもたちが何を(顕在的に/潜在的に)望んでいるのかを適切に把握して、多くの子どもたちが「学び」へ向かえるように伴走すること。
 これこそが何ものにも代えがたい、リアルな教員の真骨頂だと信じています。
 
 情報提供、シェア等のご協力よろしくお願い致します。

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小学校教諭(国語・劇)。学校が好きなインプロバイザー。 教室と舞台、二足のわらじを履いています。晴れときどき曇り。
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