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【020】北アルプス国際芸術祭に行ってきたよレポ(下)【あの】

 先週に引き続き、北アルプス国際芸術祭のレポート(というか日記)です。まだお読みになっていない方は、ぜひ前の記事を先にご覧ください。

 前回のあらすじ:親切な見知らぬおじさまに車を出してもらったあのとたさかは、ダムエリアを見たのち市街地エリアの散策に向かったのであった――。


3. 市街地エリア――素敵な作品を紹介するぜ!

 市街地エリアには、14個もの作品が展示されていました。時間がなく2つの作品は見ることができなかったのですが、他のものは見て回れました。

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 大町駅前では、ジミー・リャオ私は大町で一冊の本に出会った』がお出迎え(写真はたさかさんより)。バランス感覚が恐ろしく鋭い子どもたち。かわいい。


 続いて見に行ったのは、ドナルド・ワッスワの『アマーニ・ガ・ナブジ(ガーモクヤ・アチャーリ・モト)』。公式サイトより説明を引用します。

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作品タイトルはルガンダ語のことわざで、「ナブジの強さ、その理由は早い段階で加工される=手に負えなくなる前に複雑な状況は阻止する」という意味。ナブジは、製作工程がユネスコの無形文化遺産に登録される美しい樹皮布織物の材料で、樹皮が硬くなるため幼木期に収穫されるという。作家は、このことわざを地域の課題解決を目指す本芸術祭に置き換えた。
本作品は、樹木を伐採せず再生させる技術で加工されたウガンダの樹皮布と、大町の食文化を象徴する地域の味噌樽や米育苗箱を使ったインスタレーションを行い、自然の恵みと引き継がれてきた地域の暮らしを表現する。

 ……なるほど……???

 正直なところ、芸術、特にインスタレーションに疎い私は、その一言しか出てきませんでした。でも「引き継がれてきた地域の暮らしを表現する」とあるように、集合住宅っぽいというか、ごちゃっとした昔ながらの生活感があって、それはいいなと思いました。樽の中に住めそう、とか考えてました。

 こんなに気楽で勝手な感想を言っていいのでしょうか。でもAさん(前回の記事参照)も、「作品ができたらあとは鑑賞者次第。僕がなぜ作品を作った課より、どう感じるかが大切」みたいなことをおっしゃっていたので、いいんでしょう。芸術って意外と懐が広いですね。


 ここからは、一部の作品を写真とともに紹介します。どれも本当に素敵でした。


蠣崎誓種の旅

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 これ、なにでできているように見えますか? 写真だとわかりにくいのですが、実は植物の花びらや種を並べてできています。2019年にも同じように制作したらしいのですが、植物なので腐ってしまい、今回また別に作り直したそうです……すごすぎ……。


朝倉美術部ひみつの森

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 麻倉Arts & Craftsというお店(?)の2階がこの『ひみつの森』となっていて、段ボールや粘土などさまざまな材料で作られた作品が展示されています。1階はショップ兼ギャラリーとなっています。写真は個人的に好きだったコーナー。


淺井裕介すべては美しく繋がり還る

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 大町名店街の地面に、白線で花や植物がモザイク画のように描かれています。この名店街自体も、昔ながらの素敵なお店がたくさんあり、何軒かいつか行ってみたいです。


渡邊のり子今日までの大町の話

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 小さな箱庭がたくさん展示されています。渡邊さんの作品だけでなく、大町の住民の方々の作品も。人によって表現するものが全然違っていて、見ていて楽しかったです。写っているのはたさかさん(本人掲載許可済み)。


布施知子OROCHI(大蛇)』

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 折り紙作家の布施さんは「コイル折り」という技法を生み出し、この作品にはそれが使われているようです。『もけらもけら』という絵本を思い出しました。大好きだったな~~あれ。あとこの作品の展示スペースが元図書館で、いるだけで心地よかったですね……。

 続きまして、あのとたさかがそれぞれ一番良かったなと思う作品を紹介します(たさかさんの部分はたさかさんに書いていただきました)。


4. あの的ベストワン

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 原倫太郎原游ウォーターランド~小さな大町~』は、副題の通り大町をコンセプトにした、体験型のインスタレーションです。

 流しそうめんのように水が循環しており、鹿威しのような仕掛けや水車など、見ているだけで楽しいのですが、なんと小型の船を流せます。流した船を追いかけるのが、幼児に戻ったようでメチャメチャ楽しかった。たさかさんに「見た作品の中であのさんが一番テンション上がってた」と言われるほどはしゃぎました。きっと製作者の方も、楽しんでもらえるように、そして自らも楽しんでこれを作ったのではないかなと思います。



5. たさか的ベストワン

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 ニコラ・ダロの作品『クリスタルハウス』は、機械仕掛けの人形が歌い演奏していました。蔵の中によく響いて心地よかったです。人形が粛々と音楽を奏でている様子は少しばかり不気味さもありましたが、それも魅力に思えました。

 インスタレーションは空間に作品が配置され、目で見て楽しむものが多いように思います(言うほど見たことないですが……)。そんな中、ニコラ・ダロのクリスタルハウスは、目で見て、耳で音を聞いて体で振動を感じて、(解説のなかにあった言葉ですが)蔵というジュークボックスに閉じ込められたようで、物珍しさもあり1番印象に残っています。




 さて、たくさんの作品を紹介させていただきましたが、写真と文章だけじゃ全然良さが伝わらね~~~~~!!!!!!!!

 私の文章力の問題もありますが、二次元の限界でもあると思います。特に『クリスタルハウス』とかは五感で楽しむものだし……蔵に展示されてる作品は入っていくときのワクワク感があるし……『ひみつの森』はほんの一部分しか写ってないし……つまるところ私が何を言いたいかというと……


 北アルプス国際芸術祭に行って、実際に作品を見てください!!!!!!!!!!!!


 ホントに。この一言に尽きます。県内の方ならプチ旅行気分も味わえますし、市街地エリアであれば、徒歩でも頑張れば一日で回れる規模だと思います。11月21日まで開催です! 芸術の秋、ぜひ足をお運びください!!!



参照

北アルプス国際芸術祭:https://shinano-omachi.jp/

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