ブログを書くほどに映画に感動した話

現在公開中のヴァイオレットエヴァーガーデンという映画を観ました。

映画館で鼻水ダラダラになるほど号泣したのは初めてで、あんなにすすり泣く声が聞こえる映画館も初体験でした。
エンドロールというものは、映画で流した涙を落ち着かせて、街に出られる状態に戻るためにあるのかもしれないな、なんて思ったほどです。

この作品は2018年に放送されていて、今回の映画は第2弾。

当時からとても話題になっていたそうなのですが、恥ずかしながら、僕がこの作品のことを知ったのはつい最近でした。

先輩がぽろっと「最近ヴァイオレットエヴァーガーデン観てる」と言っていて、メイドっぽい絵で入りづらいけど、見始めたら止まらない。という言葉に惹かれて・・・

その日の夜からネットフリックスでアニメシリーズを観始めました。1話を観た時点で、映画まで観ることを心に決めてアニメをイッキ観。1話を観た3日後には映画館に足を運んでいました。

アニメシリーズから映画まで、こんなに涙をながした作品ははじめてだったと思います。

「ヴァイオレットエヴァーガーデン」は、戦争孤児として拾われた、人の心を知らない少女が、ひとつの言葉の意味を探す成長物語です。

少女は戦うことしか知らず戦争の武器として扱われていました。しかし、ギルベルト少佐という軍人に引き取られ、彼からたくさんのものを与えてもらいます。「ヴァイオレット」という名前、文字の書き方から生活の全てを教わっていく。ヴァイオレットにとっては少佐の命令が、少佐という存在が、人生の全てになっていきます。
しかし2人は戦地で負傷しヴァイオレットは両腕を失い、少佐は瓦礫の下敷きになってしまいます。
ヴァイオレットが病院で目覚めると、腕には義手がつけられており、戦争は終結していました。しかし少佐の姿はなく、新しい人生を送ることを余儀なくされます。
そんなヴァイオレットが選んだのは「自動手記人形」という手紙の代筆サービス業。当時は物書きができる人が限られていたため、「ドール」とよばれる自動手記人形にお話を聞いてもらって、代わりに手紙にしてもらうという職業があったそうです。(呼び名は違えど実在した職業らしい)
人の心がわからないヴァイオレットが、人の心をすくい上げる自動手記人形という職業に就いたのには理由があります。
それは、彼女の全てだった少佐が最後にかけてくれた「愛している」という言葉の意味を知りたいという想いです。


たくさんの人の話を聞き、気持ちをすくい上げ、手紙を書いていく中でヴァイオレットが人の心、そして「愛してる」という言葉の意味に気づいていく。そんな人間の心を描く物語なのです。

あらすじはこういった感じなのですが、この作品で終始語られているのは、「目に見えるものが、本当の気持ちとは限らない」ということなんだと思います。


本当は感謝してるのに親に強く当たってしまったり、大丈夫と言っている人ほど大丈夫じゃなかったり、大好きな人だから、会いたくなかったり。


この作品を観ていると、人間とはなんて気持ちを伝えるが苦手な生き物なんだろうと思わずにはいられなくなるのです。
そして、目には見えていなかった本当の気持ちが伝わった時に救われるもののなんと多いことか。

目には見えない本当の気持ちを伝えるという行為の美しさに、毎回涙していたんだと思います。

この作品は、自分の気持ちは、最終的には言葉にして直接言葉にする以外にないんだという当たり前のことを観た人みんなに気付かさせてくれているんだろうなと思うのです。

そして、気持ちを伝える時に手紙という手法は本当に素晴らしい。
手紙に書かれた気持ちは、時間を超えるからです。あの時の本当の気持ちが今ここで開かれる。未来のあなたにむけた本当の気持ちを残せておける。時間を超えて伝わる本当の気持ちほど心を動かすものはないと思います。

作中のセリフに「届かなくていい手紙なんてない。」という言葉がありますが、「届かなくていい、届けなくていい、本当の気持ちなんてない。」という意味なんじゃないかなと思うのです。

作品のエンディングテーマ、映画での挿入歌は「みちしるべ」という曲で、「あなたの声がみちしるべ」という言葉から始まります。
1話で聞くこの曲の「あなたの声」はヴァイオレットが少佐からもらっていた「司令」に重なるはず。
でも、物語が進んで、目に見えない本当の気持ちをたくさん知り、すくい上げていくうちに、ヴァイオレットのみちしるべとなる「あなたの声」の意味が少佐が最後にくれた「愛してる」に変わっていくんです。

この心の変化を追体験していくのがこの作品の最大の魅力なんじゃないかな。

内容に触れないと書けない、ヴァイオレットエヴァーガーデンというタイトルの素晴らしさとか、演出の話とかもっと語るべきことはたくさんありすぎますがひとまずこの辺で。

みんなみてくれ〜語りて〜

きっとこれからの人生の みちしるべ になる作品の1つになると思います。

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