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私にはまだそれを聞く力はないけれど。。。

「絵というものは不思議なもので、完成に近づくにつれてそれは、独自の意志と観点と発言力を獲得していく。そして完成に至ったときには、描いている人間に作業が終了したことを教えてくれる(少なくとも私はそう感じる)。そばで見物している人には―もしそのような人がいたとすればだが―どこまでが制作途上の絵なのか、どこからが既に完成に至った絵なのか、まず見分けはつくまい。未完成と完成とを隔てる一本のラインは、多くの場合目に映らないものだから。しかし描いている本人にはわかる。これ以上手はもう加えなくていい、と作品が声に出して語りかけてくるからだ。ただその声に耳を澄ませているだけでいい。」

村上春樹『騎士団長殺し 第2部(上)』より



もっと耳を澄まさなければ、感性を研ぎ澄まさなければ。。。

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