13年ぶりに『鈍感力』を読み返して

GWに読んだ本を1つ紹介したいと思います。
渡辺淳一さんの『鈍感力』です。

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この本は読み返しになります。
発売してすぐ(2007年)購入して一度読みました。
その時の感想は、正直言って話半分に受けた止めた程度でした。順調に仕事をこなしてたので、鈍いやつには負けない。といった気持ちが強かったからだと思います。

今回、読み直したのには、この13年間での、心境の変化もありました。業務が、経営層に近くなり、いろんな会議に出てたのですが、会議中怒られている部長を見て、「あの部長、鈍感で羨ましい…」と思うことがあったからです。

本の内容

至る面で鈍感な方が幸せな人生を過ごせる、ということを様々な例で紹介してくれております。
仕事では、タフな方が最後までこなしてくれると信頼され、業務を任せたくなる。
身体的に敏感な方は生活が制限されてしまう。味覚が敏感だと食事に偏がでたり、嗅覚が強すぎると香水が気になり仕事にならなくなる。
恋愛についても、完璧主義すぎると相手が萎縮する。さらに、結婚ともなると窮屈すぎて喧嘩が耐えない。
様々な事例を上げて鈍感の優位性を論じてます。
敏感も悪いことではないのだが、鈍感な土台の上でないと宝の持ち腐れになってしまうと。

10年経った今では、全く理解できると感じました。

なお、本では、「鈍感力」のつけ方には特に言及していませんでした。
筆者のエピソードとともに、才能的なものとして紹介された形が多かったです。

「鈍感力」をつけるためには何をしたらいいのか?


私は現在「適応障害」にて治療中ですが、治療の一環で行っている、
「認知行動療法」が使えるのではと思いました
身体的な鈍感力は天性なものありますが、メンタルに起因するものはこの「認知行動療法」が参考になりそうだなと思いましたので、まとめてみたいと思います。

「認知行動療法」とは、つらいと思った時の、自分の思考のクセを認知し、是正して、健全な行動をとれるようにするといった療法です

健康な時は、意識しなくても、傷つかない行動をとれます。しかし、仕事のミス等で、いやな感情を抱えることが続いた際、普段、なんともないと思った現象まで、悲観的や攻撃的にとらえがちになってしまいます。結果、身体的に影響を及ぼしてしまいます。

この「認知行動療法」の「認知」の部分が、「鈍感力」に通じるのではないか。と思いました。

たとえば、仕事の納期が遅れてしまった場合、どう感じるでしょう? 健全な状態では、また次頑張ればいいやと考えて、意に介さない人もいるでしょう。方や、「ミスしてしまった、どうしよう」と、落ち込む人もいると思います。

落ち込んだ場合、なぜ、落ち込んだかを具現化することで、自動的に行っていた思考を認知化ができます。この場合、「俺って仕事できない人間だと考えたから、落ち込んでしまった。」「社会人だから仕事はできて当たり前なのに出来なかった」など、落ち込むに至った考え方がいろいろ出てきます。

いろんなシーンの、このような考え方を束ねると、自分の考え方のクセを見つけられます。ちなみに、私の場合、「完璧主義」「すべて自分のせいだと思う」「~すべきだ思考」という傾向が強かったです。

これらの考え方は決して悪いものではありません。自己成長のためには自責で考えることも、細部にこだわることも重要だと思います。ただ、その考え方に縛られてしまうと、自分を追い込んでしまうことになり、パフォーマンスを最大限に活用できなくなってしまいます

従って、私が認知したことが、全てではなく、違う認知に捉えたほうが、心身ともに辛いと考えることが少なくなると気づくことが大切です。

もちろん、遅れたお詫びと・反省は必要ですが、腹の中では「無理なものは無理」「皆がミスなく仕事ができるわけない」と思うようにし、自分を責めるのを減らすようにすると、気持ちが和らいでいきます。

こうすることで、鈍感に一歩近づけるのではと考えました

現代社会こそ「鈍感力」が必要では


「鈍感力」が執筆された頃に比べ、世界は大きく変わったと思います。インターネットの普及からSNSが大きく浸透し、好むと好まざるとにかかわらず、多くの情報が目についてしまう時代となってしまいました。しかも、是が非かもわからない情報、悪意が目的の情報もいっぱい目にしてしまいます。それらに感情的に流されないためにも、自分の考え方の傾向を掴んでおくことが鈍感になれる一歩なのかなと思いました。

「認知行動療法」の本は多く執筆されております。もし、いろいろつらいと感じることが多くなっている方がいらっしゃったら、1度本屋で確認されたらと思います。

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