見出し画像

月曜モカ子の私的モチーフ vol.164「モチーフ」


先日、詩人の文月悠光ちゃんと食事をした際に"note"での執筆を勧めてもらった。わたしは「月モカ」に関しては最初の数行は読めて残りは有料、みたいな記事にするのが嫌で(というか最初のコンセプトを途中で変更するのが嫌。なんか、ずっと読んでくれていた読者が裏切られたような気持ちになると思うので)、重い腰をあげなかったのだが「FBだと、後からもう一度あの記事読みたいと思ってもタイムラインで流れて探せないし」という文月悠光ちゃんの言葉に痛く突かれるものがあって「それはそうだ!」と考えた。
しかも、この"note"は全文を無料公開できるし、読んだ人が、いいなと思えば「投げ銭」的な感じで、課金できるというのだ。前提としてお金を貰ってからじゃないと「月モカ」読ませないみたいなスタイルは嫌だけど、
チップのような感じで誰かが「面白かったから」と言って投げてくれるお金はぜひともいただきたい(笑)
というわけで中島桃果子、noteデビューである。

今日は実はもう一つ新しいことがあって、4月の誕生日に銀座バイトのみんなから貰ったカウンターテーブル(上の階の窓際に設置)に、ようやく本日、カフェ気分で着席しこれを書いている。

恵比寿橋に住んでいた頃も、ガラスの丸いテーブルと、大きなデスクと、
場所を作品や気分によって場所を変えて書いていた。それがわたしには割と大切で、今回メゾネットタイプの家に初めて引っ越したこともあって、
下にはダイニング的デスクをばばん、と置いてあり、執筆以外のプロデュース業(というほど大したことはしていないが)のミーティングや資料作りに使ったりしている。「かぐらむら」は大量の資料とにらめっこしながら書くので、下のこのデスクでないと書けない。対して上の階にリラックススペースとして据えた、ずっと使っている楕円形のガラスのローテーブルと、なんかずっと愛用しているピンクのソファの場所は、調べ物をしたり、ご飯を食べたりなんかに使っている。(下の階が「仕事!」って感じの気合いが入りすぎていて、下にキッチンがあるのに、作ったものを上に運んで、テレビ見ながら食べていることが多い)

そのソファーのエリアの奥、細い路地に面した大きな窓のあるすぐそばに、このカウンターテーブルは4月から据えられていたのだが、実はまだ一度も使っていなかった。実はこのカウンターテーブルこそがもっとも重要なアイテムであったのに。

家を内件する時「書けるか」「書けないか」だけを重要視して選んだこの家の上の部屋の窓際、螺旋階段の吹き抜け上に当たるこのエリアは、わたしの中でもっとも「降りてくる」気配のあるエリアであった。すべてのレイアウトを決める前に「ここにカウンターテーブルを置く」とそれだけを決めた。
貧乏状態の貧乏引っ越しだったので新しい家具などは一切買わず、これだけがNewなもの。すぐ下の妹、インテリアあやめが「このエリアはソファとローテーブルとテレビを置いて、くつろぎスペースになる感じやな」と言った時も「いや!ここは降りてくるエリアなんで!!!」と強く主張し、あやめっくすが「え? 降りてくるってピンスポット的なもんやろ? その周辺にそんな敷地いるの? そんな降ろしかたするん? 一つ言っておくけど、降りてきて、カリカリ・・・とかやってても絶対どこかでは休憩したくなるんやから、後ろにソファあったほうがいいと思うよ」とちょっとバカにしたように笑いながらアドバイスをくれ、
(それはそのとおり)と思い、ソファスペースの奥に「降りてくるスペース」は据えることにした。

にもかかわらずなぜ今まで使っていなかったのか。まずは椅子がなかったからで、次に、使い勝手が悪かったからである。
最近使い勝手の悪さは
①ソファ座卓スペースが背後に迫り窮屈すぎること
②テーブルに合わせて買ったバースツールの高さを間違えていた
ことに気づき、その2つを改善したら、早くこの場所を使いたくてたまらなくなった。人間は単純。

新月が牡牛座で起こり、火星や天王星が各々移動する、明日15日と16日は、ホロスコープ界の人たちにとってはかなり大きな出来事のようで、変化や動くことを嫌う星たちがとうとう「動く」ということで、それは「非常に長期的な歴史の変動」の入り口と言えるらしい。「山の動く日来たる」は「青踏」に寄せられた与謝野晶子の有名な詩ですが、まさに「星の動く日来る」ということなのだな。星は動いてるものだからなんか「アタリマエ〜♪」という感じがしないではないが、天王星などはまる7年ほど動いてはいなかったみたいでそれが明後日、動くのだそう。

そんな節目を目の前に、わたしは小さく、2つ新しくなってみた。
一つは「降りてくるスポット」のカウンターテーブルで月モカを書いたこと。2つ目はまさにこれ。"note"でのエッセイ寄稿を始めたことである。
わたしは9年前に「蝶番」という作品でデビューしたが、
おとといの土曜、携わった映画「蝶の眠り」が公開された。
意識の中に強く置いているモチーフではなかったけれど、わたしには「蝶」という何か特別なモチーフがあって「蝶」にまつわる何かがある年は、意外と大事な年なのかもしれない。そういう意味では「中島桃果子の動く日来たる」でもあるのかも。
与謝野晶子さん、パロってるつもりはないのです。かしこ。
               

                (文...中島桃果子 / 絵...Mihokingo)

※過去の投稿はFb小説家ページで読めます!

ーーーーーーーーー
【New!!】わたしが劇中原稿の制作と主演の中山美穂さんの書く字を書いた映画「蝶の眠り」がGW明けから公開されます!
このHPの予告編にもわたしの手(と字)映ってます!笑
http://chono-nemuri.com/
【New!!】「かぐらむら」はこちらから!
 ■冊子希望→https://artisticpantie.stores.jp/
 ■WEBで読みたい→http://kaguramura.jp/symphony
☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。

☆このページを通じて繋がってくださっているあなた! あなたの「いいね!」はわたしの励みになっています、いつもありがとう!

長く絶版になっていたわたしのデビュー作「蝶番」と2012年の渾身作「誰かJuneを知らないか」がこの度、幻冬舎から電子出版されました!わたしの文章面白いなと思ってくれた方はぜひそちらを読んでいただけたら嬉しいの極みでございます!