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📚読書記録 2024年2月《6冊》

今月の読了は6冊。
購入した本:6冊、借りた本6冊。積ん読は+6冊。今月は少な目に見えるけど、併読派なので読みかけの本が4冊くらいあるのと、読んだけどまとめてないものが2冊ある。


今月読んだ本の感想抜粋

ノウイットオール(森バジル)

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5種の小説の登場人物が交わりあう連作短編。各話のエピソードが他の話の伏線のようになっていて、行ったり来たりを楽しめる小説。

各話が関連してくるんだろうなと思いながら読んでると、最初の話からちょっとした違和感を感じる箇所はある。ただ、それぞれ単独の話としても面白いし、違和感を感じた個所の伏線が別の話でしっかり回収されていく点も面白い読書体験。各章の裏が見えてくると、その場面を読み返したくなる。

エピローグまで含めて関係性が回収される形だが、そこから想像される様々なことも含めて良いラストだと思った。書きすぎるとネタバレになりそうだけど、誰かに共有したい気持ちもあるので、いつかネタバレ版の感想を書くかも。


メメンとモリ(ヨシタケシンスケ)

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単純な絵本ともとれるし、「生きる」ということについて書かれた本のようでもある。たぶんその時々の読み手の気持ちが反映される一冊。

こういう本は読む人の、読んだ時の感情によって大きく解釈が変わる。たぶん一年後に読んだときは違う感想になりそうなので、今ぐっときた言葉をメモ。

『自分では選べないことと、自分で選べることがあるってことよね』
自分で選べることを増やしておくことが大事。言い換えると、誰かに決められてしまうことをなるべく少なくして、自分で選べるように立ち回っておくことが大事。それはたぶん生き苦しくなったときの逃げ道の選択肢になると思う。

『ボクがしてほしかったことをしてあげるんだ。だから今、ボクがしてほしいことをたくさん考えておこう』
因果応報、情けは人の為ならず、という言葉の通り、人にしたことはいずれ返ってくる。

『思ってたのと違うから、世界はつらいし、きびしいし、たのしいし、うつくしい』
この感覚と近いかどうかはわからないけど、どうせ大して変わらない世界なら、楽しんだもん勝ちだと思うし、なるべく前向きに生きた方がいいなと思う。


逆転正義(下村敦史)

あらすじはこちら

正義にまつわる話の短編集。どの話も正義をたてに悪を糾弾するように見えるが、別の視点から見るとその見え方が全く変わるというどんでん返しを味わう一冊。

SNS警察の話、罪の相続の話、などいろんな「正義」について描かれてるが、単純に「正義」と思い込むことの怖さを感じた。悪を糾弾しているつもりでも、それが本当の悪なのかはわからないし、何かのきっかけでそれがいつ自分に返ってくるかわからない。撃つなら打たれる覚悟を持て、という言葉もあるように、人を糾弾するということは、翻すと自分が逆の立場になった時に糾弾されることは避けられないということでもある。

匿名のSNSや、ゴシップ週刊誌なんてその象徴とも言える。過去の他人の悪事を暴きながら、自分は安全地帯にいる。人を糾弾できる高尚な人間になったような気分になるというのは勘違い以外の何物でもない。3つ目の話にあるフレーズ『悪を駆逐するためならどんな手段も正当化される ーーなんて自分勝手な正義感だ』

何より怖いのは、「正義」の感覚は人によって異なり、自分とは異なる正義に攻撃される可能性もあるということだと思った。


24年2月に読んだ本まとめ

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個別の感想はブクログにも投稿。

来月読みたい本

とりあえず読みかけの本を読み終わるのと、読んだ本のまとめをきちんとやりたい。本屋大賞ノミネート作品が公表されたので、そのあたりの本も何冊か読みたいな。とりあえず「君が手にするはずだった黄金について」と「放課後ミステリクラブ」は読んだ。

以上

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