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📚読書記録 2024年6月《8冊》

今月の読了は8冊。
購入した本:13冊、借りた本5冊。積ん読は+10冊。先月に続き、ブックオフのセールで本を大量に購入したため、2カ月連続で積読が大幅に増えてしまった。


今月読んだ本の感想抜粋

東京都同情塔(九段理江)

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芥川賞受賞作品らしい、文学的な表現が多用された作品。生成AIを一部に使ったと作者が公表しており、時代の最先端を行く執筆方法と言えるのではないか。短めであっさり読める作品でもある。

東京オリンピックがコロナ禍の2020年に開催され、物議を醸しだして撤回されたザハの国立競技場が建てられているパラレルワールド。
東京都同情塔と呼ばれる次世代型刑務所(作中では刑務所とは呼んでいない)を設計した建築士と、その作家と知り合い、塔の職員となった見目麗しい青年を中心に話は展開していく。どこからどこが誰の視点で、誰のモノローグかわかりにくかった。自分と他人の境界の曖昧さを描くために、わざとそうしているのかもしれないけど。

犯罪者が犯罪者になるのは、人格の問題ではなく環境の問題というのは一理ある気がする。犯罪を犯す人を犯さない人の差はたぶん自分たちが思っているよりも小さいし、きっかけやタイミング次第ではその一線を(越える意思はなくとも)越えてしまうことだってあるかもしれない。

「東京都同情塔」の名前が出てきたときの会話で、「名前は物質じゃないけれど、名前は言葉だし、現実はいつも言葉から始まる」というやり取りがある。これってまさに言葉によって物事が定義、認識され、今まで意識されてなかったことが意識されるといういわゆる言語化のことだなと思った。

現代が舞台だけど、なんとなくSFのような不思議な読み心地だった。


本と鍵の季節(米澤穂信)

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高校生2人が日常に飛び込んでくるちょっと変わった出来事の謎を解く連作短編。タイトル通り、「本」と「鍵」が関係する話が中心。タイプの違う二人の思考と推理、絶妙な関係性も含めて軽妙で読みやすい一冊。

高校生が遭遇する日常の謎、というには軽くない事件もあるが、全体的に軽妙で読みやすかった。

暗号解読やアリバイ証明などミステリとして多様性を出しつつ、タイトル通り、「本」と「鍵」が絡んでくる話で構成されておりまとまりもある。短編集ながら伏線回収も多く、また連作短編としてのそれぞれの話のつながり、ラストも含め素晴らしい読後感だった。


その仕事、AIエージェントがやっておきました

AIエージェントの概念やその構造について解説してある一冊。専門知識がなくてもわかるような書き方がされているが、並行して実際手を動かしながら学ぶことが重要。

基本的な考え方は勉強になったが、実際自分の欲しいエージェントを創り出すにももう少しインプットと実践が必要だなと思った。

こういう類の本はすぐに古びてしまうので、興味あるものはどんどん読んでいきたいと思う。


24年6月に読んだ本まとめ

Notionのデータベース機能で管理

来月読みたい本

文庫化を待っていた「N」(道尾秀介)を購入したので、これは読みたいと思う。あとは積読をちょっとずつ減らしていこうかな。

以上

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