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#本のある生活

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主にビジネス書、小説(ミステリ多め)の書評📚 読書の幅を広げたいので、おススメあったら教えてほしいです♪
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#読書の秋2022

《23年上半期》過去の本屋大賞ノミネート作品の読書記録

去年の秋くらいから、小説に対する読書熱が高まってきていて、いろんな作品を読んできた。その中でも過去の本屋大賞ノミネート作品は、自分では普段選ばない作家と出会う良いきっかけになっている。 この半年、読んできた本屋大賞ノミネート作品について振り返ってみる。 ちなみに、第20回(2023年)は全作品読んで感想も別記事にアップしているので、この記事の中では省略する。興味ある方は以下をご覧ください。 2023年1月から6月に読んだノミネート作品※掲載順は読んだ順番。ネタバレなし。

やさしい世界の創り方

note公式お題企画「#読書の秋2022」の課題図書の一冊、「マイノリティデザイン」を読んだ。おそらく課題図書になってなければ出会うことはなかった本だと思う。 選んだきっかけ普段読まないような本をしっかり読んでみようと、課題図書をざっと眺めていた時に目に留まった一冊。 目を引くカラーの表紙、「マイノリティ」「デザイン」と各単語はわかるけど聞いたことのない組み合わせのタイトル、表紙に印刷された点字。 コピーライトも福祉の世界も、今自分が携わっている仕事とは縁遠い世界ではある

今までに読んだことのないタイプの小説

『小説の小説』(著:似鳥鶏)を読んだのだが、面白いというよりはトリッキーだな、という感想だ。いや、もともとそういう本だとはわかっていたんだけど、事前に想像していたよりも10倍はトリッキーな小説だった。 いわゆる「メタ・フィクション」と言われる、「小説の約束事を利用した小説」の形式をとっていることが「まえがき」で断られている。 縦書きは上から下へ読む、一行空いたら場面や視点が変わる(ことが多い)、といった本を読んでいくうえでは至極当たり前の約束事さえもネタとして弄ばれている。

挑戦と、挫折と、○○の物語

はじめに この記事は「クライマーズ・ハイ」の読書感想文です。ネタバレを含みます。それを知って読んでも面白い作品だと思いますが、ご了承の上、読み進めてください。 「クライマーズ・ハイ」を読んで 人は誰でも「人生」という山に登っている この本を読み終わって最初に思い浮かんだのは、そんなどこかで聞いたことがあるような、ありきたりの文だった。 物語は、新聞記者である主人公・悠木の2つの時間軸で進行する。衝立岩(ついたていわ)と呼ばれる難所に挑む「現在」と、未曽有の航空機事故の全

📚読書記録 2022年10月《12冊》

10月の読書記録。先月も12冊と比較的ハイペースな読書量だった。 文庫を持ち歩いて、通勤時に読むようになったのも大きいかな。 近年の本屋大賞ノミネート作品もいくつか読んだが、どの作品も非常に良い作品だった。 今月読んだ本の感想抜粋まちの小さな新聞屋が地域に100年必要とされる企業への挑戦(水谷英郎) Kindle Unlimitedで見つけて何気なく読み始めた本だったけど、非常に面白い内容で一気読みした。 まちの新聞屋さんとは思えないほど多岐にわたる事業をどんどん生み出

意見とは、正解のない問題への「自分だけの答え」である

仕事柄、それはファクト(事実)か推定(意見)か、ということを考える機会は多くて、なるべく一次情報を取りに行くということは意識しているんだけど、世の中に発信される情報を「意見」か「反応」か、という切り口で見たことはなかったので、その点はすごく新しい視点だった。 本書では、ある事柄に対する賛成・反対といったポジションが明確なら意見、それ以外は反応と定義している。 また、意見を言うには、問いに対するポジションをとるために自分の頭で考えることが求められる。正解のある問題であれば「