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【10冊読むまで帰れま10番外篇】「#言葉の力 6月⑥」辻仁成がダメ男の本質を突きまくる!

まだまだやりまっせー!

【54 6/23】

「冷静と情熱のあいだ Blu」辻仁成

うーむ、辻先生。それを言ったらおしまいだけど、その通り!男性は好きでもない女性をただ快楽のために抱けるけど、女性は好きでもない男性とまじわることなんてないはずだ。なんて男性ってゲスな生き物なんだろうと思う。男は女に甘えて甘えて、おかしくなくなって、最後は女から強烈なパンチを食らう、というオチ。

【55 6/24】

「冷静と情熱のあいだ Blu」辻仁成

ダメ男の象徴が、当作品の主人公・阿形順正。昔に別れた彼女のことをグダグダ引きずって、愛してもない若い女と夜な夜な夜を共にする。男女の関係が破綻した際、パソコンに例えると男は「その女との記憶をフォルダにしまい」、女は「その男との記憶をデリートして完全削除」するという。だから昔の記憶を引きずってグダグダ言ってしまう男性が多いのはこのためだ。こんな男のために「女々しくて」という言葉が生まれた。

【56 6/25】

「冷静と情熱のあいだ Blu」辻仁成

そんなグダグダ主人公は最後、元カノと感動の再会を果たすも、今ひとつフィットせずに再び別れてしまう。その後、彼女の特急を追い抜く特急に乗って、ミラノに行くシーンで物語は終わる。
昔を引きずりながらも、元カノとの再会で踏ん切りがついたようだ。過去でもなく、未来でもなく。現在しかないんだと。前に取り上げた言葉のアンチテーゼがこれになる。
そう、僕らは生きている限り、過去を引きずることなく、未来を過度に期待することなく、今直面している現実にコミットしていくしかないのだ。そう気づいた阿形順正の物語。

一方、元カノである「あおい」側からの視線を書いた江國香織先生の「rosso」には名言がなかったなぁ。やはり辻先生の筆力が優ったか。うーむ、残念。

【続く】



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