三方よしのSubscriptionビジネス

掲題のような内容でプレゼンをする予定だったのですが、諸般事情ありお蔵入りになりました。

ここではその記録程度に、そこで発表しようとしていた内容を書いていきます。

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Subscriptionビジネスに限らないですが、ビジネス上でステークホルダーになるのは概ね以下の3者です。

・エンドユーザー
・ビジネスパートナー
・サービス提供者

エンドユーザーが、サービス提供者の実際の顧客。顧客に価値を届ける際に、ダイレクトに価値が届けられるサービスも BtoC の世界のなかでは存在しますが、実際はサービス提供者だけで実現できる範囲というものもそこまで広くなく、何かしらのビジネスパートナーの力を借りる必要が出てきます。

たとえば、自社の製品を変わりに売ってくれる代理店であるとか、製品をOEMで提供する企業であるとか。

特に、創業間もないベンチャー企業だと、様々なリソースが欠けてしまいます。また、自社のコアコンピタンスではない部分を内部で抱えすぎてしまうことも見方によっては経営上のリスクになります。

なので、ビジネスを成り立たせるためにビジネスパートナーの協力は不可欠で、ビジネスにおいてはこの3者の協調を意識しつつ、3者が幸せになるような未来を描く(三方よし)が大事になります。基礎的な話ですが枕として。

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Subscriptionビジネスにおいて語られるKPIは多種あり、基本的にはLTV(Life Time Value)の最大化がテーマになると思います。

それを果たすために注視しなければいけないKPIが以下の3つと考えます。

・Retention Rate(解約率)
・Recuring Profit Margin(定期利益率)
・Growth Efficiency Index(成長効率性指標)

これらを平たくいうと、スライドにも書いてあるように、「低コスト」で「ユーザーに長く使っていただく」(長くお金を支払っていただく)というのが目指すゴールになります。

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そうした場合に怖いのが Churn(ユーザーの離脱、解約) です。

メッセージアプリや、ゲーム業界やニュースアプリ業界など、国民のすべてが顧客になりうるようなサービスも世の中には存在しますが、今隆盛を誇っているSaaSビジネスは専門性が高めのものが多く、そうなると顧客のパイというものが限定的になります。

その中で既存の顧客を失うことは、ビジネスとしては致命的になります。スイッチングコストが高めなビジネスほど、せっかく確保した顧客を一度失ってしまうと取り戻すのは難しくなります。なので、Churn についてはなんとしても抑えることがビジネスとして必要になります。

そして、Churn は、エンドユーザーだけでなく、ビジネスパートナーとしてお付き合いさせていただいている各社についても考慮しなくてはいけません。ある意味「しがらみ」とも表現されるような状態を許容し、うまくバランスを取りながらビジネスを行っていく必要があります。

話が少し変わりますが、先日 PagerDuty Summit に参加し色々と話を聴いたのですが、その中でビジネスパートナーの紹介の仕方がとても興味深いなと思って聞いていました。PagerDuty 社が上場するにあたってお世話になった人たちの紹介、企業の紹介の際にどんな順番でどんなストーリーで紹介するのか、Keynoteに登壇する人たちの順序や扱いをどうするのか、等々、様々な配慮が行き届いた跡が垣間見え、BtoBビジネスは繊細なビジネスだなと感じた次第です。

これ以降のスライドでは、三方良しを意識しつつ、いかに各プレイヤーをChurn させないかをテーマに、どのような機能開発をしているかについて説明をしました。その内容についてはここでは割愛します。

一般的な話として、コスト削減が大事ですよ、という話について書きました。

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Subscriptionビジネスによらないですが、特にSubscriptionについては顧客あたりのサービス提供コストを下げることが経営上の肝になります。

ビジネスのあり方をどうするか、という観点ももちろん大事ですが、エンジニア視点ではシステムをいかに効率的にサービングできるようにするか、が課せられた課題になります。

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上記は一般的な内容ですが、基本的には

・システムアーキテクチャの最適化
・クラウドなど契約の最適化
・適切な可視化(Observabilityの向上)

が施策としてあげられると思います。

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という感じで、どこで発表されることも無いプレゼンテーション資料について、供養の代わりとして記事にしました。


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