リモートミーティングに最適なワイヤレスイヤフォンを探す旅

↑の続き。

しばらくリモートミーティングではそこそこ良くできたカナル型イヤフォンを使用していました。

これは音質的には申し分なく満足していたのですが、どうしても有線イヤフォンが故の煩わしさもあり、ワイヤレス型のイヤフォンで良いものがないかを試行錯誤していました。
ここではその一部始終を備忘録的に記載します。

モチベーション

以下に合致するワイヤレスイヤフォンを探しました。

・Bluetooth 接続できること
・できる限り小さいサイズで、装着時の煩わしさが無いこと
・音質が「そこそこ」良いこと(カナル型有線イヤフォンほどのものは求めない)
・ある程度の雑音環境下でも支障なく聴ける仕組みがあること
・マイク入力は期待しない(※今回はマイク機能については言及しません)

世の中には数多商品が存在するため、メジャーどころなもの3種を試してみました。

AirPods Pro

上記に書いたような商品の購入を考える時、一番最初に選択肢に入るのはこちらかなと思います。すっかり「完全ワイヤレスイヤフォン」というジャンルを確立した代名詞のような商品です。なので詳細な説明は割愛。

AirPods Pro を使ってみて感じるメリットは以下。

・iCloud 連携すれば、使っているMac製品と簡単の連携することが可能。(Macbook、iPhone、iPad等)
・アクティブノイズキャンセリング機能があるため、多少音がうるさい環境でもクリアな音声を聴くことができる。
・装着すると自動的にBluetooth接続状態になり、ケースに戻すと自動的に切れる(※各社とも完全ワイヤレスイヤフォンは概ねこの挙動になっています)

以下は個人的にちょっとイマイチと感じた点

・音量調整が単独では行えない(Seriに話しかける必要がある。もしくは機器を直接操作する)
・片耳だけ聴くモードにするのが少し面倒(片耳だけ取り出すか、一度外して再度再生状態にする必要がある)
・私だけかもしれませんがケミカル臭がすごく、長時間つけていると耳の中にケミカル臭が染み付いてしまうのが不快。
・長時間つけていると耳が痛くなり、結構負担になる。
・よく耳から落ちる。

スタンダードな製品ということでとても良くできていて、多くの人の需要を満たす製品だと思います。
ただ個人的には長時間つけていると耳が痛くなりがちで、臭いも気になり、あまり高頻度に使えないと感じました。

あと、今は基本リモートワーク環境(自宅)で使用していますが、持ち運んだら絶対に落として無くしてしまいそうだな、と感じます。

Google Pixel Buds

Google 純正の完全ワイヤレスイヤフォンです。昨年リリースされた製品ですが、先日日本でもようやく購入できるようになりました。

完全に AirPods を意識した製品づくりになっており、ケースから取り出すと Bluetooth 接続しケースに戻すと自動的に切れる、という挙動は AirPods と同じです。PC など Android OS 以外でも使用できますが、Android であれば専用の Popup が表示され簡単に切り替えを行うことができます。

Pixel Buds はイヤフォン側部の丸い部分をタッチすることで様々な操作を行えるようになっています。(再生/停止は1回タップ、音量調節はスワイプ、Google Asistant 呼び出しは長押し等)。この辺はよくできていると個人的には感じています。

また、個人的な感覚であり個人差があると思いますが、AirPods よりも耳に優しい作りになっているように感じ、AirPods よりは長時間耳につけていても負担を感じづらいように思います。

以下は Google Pixel Buds を使ってみて感じたメリット

・Android であれば簡単に Bluetooth 接続することが可能
・個人差があると思いますが、耳の形に沿ってひねって入れるようなタイプのため AirPods より落ち辛く、耳にも負担が少ないように思える。
・イヤフォン単体で操作できることが多い
・Google Assistant の呼び出しは結構便利(Android スマートフォン使用時に限る)
・片耳でも使用しやすい

ただ現状(2020/08/31 時点)では致命的な欠点があり、音声が結構な高頻度で途切れてしまいます。最新のファーム(550)に更新しても解消されず、同様の事象を報告している人が多数おられるため、こちらは私含めかなり広範囲のユーザーで発生している不具合と思われます。
このため、音楽や動画などの視聴には一切向かない製品になっています。リモートミーティングなどではかろうじて許容できるかもしれませんが、いずれにせよあまりワイヤレスイヤフォンとしては出来が良い製品とは言えないです。

あらためて、以下はデメリットです

・音声が途切れる事が多く、イヤフォンとしては致命的(リコール扱いになっても良いのでは、というレベル)
・アクティブノイズキャンセリング機能があるわけではないので、騒音下では使えない。
・Android スマートフォンでは使うメリットを感じるが、それ以外の環境であえて使用しようというメリット・モチベーションが無い製品に思える

ちなみに、 Google Pixel Buds の紹介記事では「リアルタイム翻訳」機能がフォーカスされて語られる事が多いです。
ユーザー体験としては、Google Pixel Buds を長押しして Google Assistant を呼び出し、「xx語を○○語に翻訳して」と話しかけたあと発話すると翻訳をしてくれる、というものです。

実際のところ、このリアルタイム翻訳機能は Google 翻訳アプリの機能として実現されており、Google Pixel Buds がなければ実現できない機能かというとそういうことは無いです。また翻訳できるセンテンスの長さや応答速度には限界があり、たとえばカンファレンスのプレゼンテーションの内容などを逐次翻訳できるような機能ではありません。

便利は便利な機能です。私は自分の話す外国語が発音・文法的に聴き取れるかのチェックに使用したりしています。ただし、一般的にイメージされているような機能ではなく、そもそも Google Pixel Buds を買わなくても実現できる機能です。

AfterShokz Aeropex

最後に、あまり世間的には有名でない商品を紹介します。実は私はこれを一番高頻度で使用しています。

AfterShokz は骨伝導イヤフォンを提供しているメーカーです。骨伝導イヤフォンというと重厚なイメージがありますが、この製品は極めて軽量(26グラム)なのでかけていても負担は少ないです。

何より、骨伝導イヤフォンなので、耳を直接塞がずに使う事ができます。外音を聴きながら、イヤフォンの音も骨伝導の仕組みで比較的クリアに聴くことができるのがこの製品の最大のメリットかなと思います。
流石に地下鉄の中などでは音は聞き取り辛いですが、多少の雑音であれば問題なく音を聞き取る事ができます。
耳を塞がないので耳への負担は限りなく少なく、長時間かけていても疲れないのも良いところです。

こちらは完全ワイヤレスイヤフォンというわけではないのですが、その事によって却って紛失しにくいのも良いと思います。正直のところ私は完全ワイヤレスイヤフォンを外で使いこなす自信がまったくないのですが(絶対に無くす)、この製品であれば安心して外にも持っていくことができます。
また構造も比較的シンプルで、たとえば音量調整なども物理ボタンでの操作になるため、人によってはその方が安心感があるかもしれません。

ただ、音質は、耳を直接塞ぐものには及びません。このイヤフォンは音楽を聴くのにはあまり適してはないとは思います。

改めてメリットについて。

・耳を塞がないので耳への負担が少ない。外音を聴くこともできる。
・骨伝導の仕組みで、雑音の環境下でもクリアに音を聴くことができる。
・完全ワイヤレスイヤフォンではないので構造はシンプルで、充電も比較的長持ちする

デメリットは以下

・音質はそこまで高いわけではない
・知名度が低いので持っていてもドヤ顔することはできない(多分)
・マイク入力もサポートされていますが、他2製品に比べておそらくこちらが一番貧弱。

まとめにかえて

以上だらだらと書いてきましたが、個人的には AfterShokz Aeropex をファーストチョイスで使用しています。たまに AirPods を使うこともあります。
Google Pixel Buds は……、音声が途切れる不具合が解消されない限り他人にはおすすめできないですし、私も使う頻度は少ないです。それでもポテンシャルは感じるので、超速攻で不具合が治ることを期待します。

煩わしさを除けば、やはり音質はカナル型有線イヤフォンの方が優れているとも同時に感じます。私も引き続き、大事なミーティングや語学レッスンの際などは有線イヤフォンを継続して使用しています。

結論としては、個人の好みやユースケースにあわせて適材適所で、という感じでしょうか。



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