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事例動画はインタビューが命! 良いインタビューに欠かせないことは?

週末の午後にテレビを見ていると、時々、企業のトップやマネージャー層が新製品についてインタビューを受ける5分番組が流れてきます。

多分、CM出稿のバーターで制作したパブリシティでしょうが、なぜかその手の番組ではコメント原稿丸読みの“似非インタビュー”が目立ちます。

発言の正確性のためか、編集の手間を避けたいからか、その理由は分かりませんが、せっかくトップが語るメッセージが、見る側に届かないのは確かです。
そればかりか、カンペ読みでセリフを言わされているロボットのようなトップが、少し気の毒に見えてきます。


コメントの効果を引き出す

実は導入事例動画も、日本で作られ始めた頃は同様のスタイルが見受けられました。

語って貰いたいことを事前にお客様との間で調整し、それが原稿になってそのまま読み上げられたのでしょう。

その頃は、「導入エビデンス動画」などと呼ぶ方がいましたが、なんとなく分かります。お客様に動画に出ていただくだけで価値があったのでしょう。
事例動画がまだ珍しい時は、それで良かったのかもしれません。


しかし、マーケティング手法として定着してきた現在では、事情は大きく変わりました。

お客様のコメントで、説得力を持って競合他社との違いや優位性を示す…そんな事例動画が求められているからです。
だから事例動画の肝は、やはりお客様のコメントです。インタビューの善し悪しが事例動画の出来を決めます。

確かに、一見して印象に残るのはイメージカットや編集効果だったりします。

でも導入を検討するお客様候補の視点でじっくり見れば、どんなに演出を施しても、“残念なインタビューの事例動画”は結局見る人に刺さらないとお分かりになると思います。

逆に訴える力を持った事例動画は、突き詰めると、お客様のコメントがいい。

お客様には饒舌な方も朴訥と話す方もいますが、良く出来た事例動画では、例外なくそのお客様ならではのコメントが、時にエピソードも交えて分かりやすくビビッドに収録されています。
これは明らかにインタビューの力です。


良いインタビューに欠かせないこととは?

では発注するお立場で、質の良いインタビューを実現するにはどうするか。

先ずは、依頼するインタビュアーの情報量に注目することです。

それはご自分がインタビューを受ける立場になって考えれば分かります。
何も知らない(と思われる)相手には、真剣に話すモチベーションは薄れます。

だから私はスタッフに、インタビューに際してはとにかく事前に情報を調べ、インプットするように指示します。

オリエンで伺う導入情報やテーマ(事例取材の場合は製品・サービス)は勿論のこと、取材するお客様企業のこと、属する業界のこと、お客様先の製品・サービスのこと、基盤となるテクノロジーのこと、お客様先の人材採用…。
専門家ではありませんので本質の理解には至りませんが、概要を押えることはできます。その実感がインタビューする際の“自信”に繋がります。

そしてそこで終わらずに、もう一段広げて調べるようアドバイスします。

たとえば「クラウド・コンピューティング」をテーマとして調べたのなら、そこから広げて「オンプレミス」「パブリッククラウドとプライベートクラウド」「SaaS/PaaS/IaaS」…という具合です。
拡張した知識は断片的でも構わない。インタビュー中に出てきても、何となくでも知っていれば慌てずにすみます。

質問の中に単語として交えてもいい。それだけでお相手は、「このインタビュアーは分かっているな」と思ってくださる(知ったかぶりは墓穴を掘りますが)。

そのことでインタビューは盛り上がり、豊かなコメントが引き出せたりします。


発注するお立場なら、インタビュー現場に立ち会えば、インタビュアーの知識量(インプットされた情報量)は、ほぼ推し量れる。
情報をインプットしていないインタビュアーは定型の質問に逃げがちです。
インタビューの安定感でも推察はできるでしょう。

いずれにせよ、事前に情報をインプットせずに臨むインタビュアーにはあまり期待できません。


ならば、発注側が自らインタビューした方がいいのではないか。そうお考えになる気持ちも分かります。

でも、本当にそれがいいのか…。私の考えは少し違います。
その理由は次回説明させてください。

(記事:ホンマヨシカズ /producer)

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