大好きだったアイドルがセクシー女優になった話
ある日突然、見覚えのある顔がXのタイムラインに流れてきた。
それは間違いなく、5年前まで応援していた「あの子」でした。
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学生時代、いわゆる地下アイドルと呼ばれるアイドルグループのライブによく通っていた。
収容人数が100人にも満たないほどの小さなライブハウスで、キラキラと輝きながら歌い踊る彼女に思わず目を奪われた。
大きい目が特徴のキュートなルックス、明るい性格、そして何より迫力のある歌で、グループの中でも一番人気のあるメンバーであった。
よくチェキを一緒に撮ってもらったり、ライブの合間に言葉を交わしたりしたこともあった。
「いつもありがとう、またどこかで会おうね」
お別れの日は急に訪れ、私が応援し始めてから1年ほど後に、そう言って彼女はグループを卒業していった。
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「黒宮はるな、〇月×日に△△レーベルよりAVデビュー!」
そんな彼女が、知らない名前で、ちょっとでもAVを観たことがある人ならば誰もが知るような超大手のAVレーベルから大々的に宣伝されている。
なんでも、憧れの存在がいて、その人みたいになりたくてセクシー女優を志したらしい。
AVだから当たり前なのだが、全裸や男性との絡みのシーンも公開されていた。
私(筆者)は女性だが、AVを見ることに全く抵抗はないし、同世代の女性と比較すればむしろよく見ている方だと思う。
彼女のインタビューを真に受けて良いのならば、やりたいことをできているのだから、とても喜ばしいことだ。
しかし、なぜかこの報せを聞いたときにとてもモヤモヤした気持ちになってしまった。
見たいような、見たくないような・・・。
どうしてこの気持ちを消化しようかと思い、この記事を作成するに至ったのであった。
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急に話は逸れるが、私は昨今のライブアイドルのセクシー路線が苦手だ。
ライブアイドルとして売りたいのであれば歌やダンスで勝負すればいいのに、胸やお尻を強調した画像をSNSにアップして注目を浴びる。
それが動員に繋がればいいと思っているのかもしれないが、エロで釣られた客は彼女たちの歌やダンスには興味がないのではないか?と疑問に思ってしまう。
私は女性だが、ライブアイドルにもグラビアアイドルにもセクシー女優にもそれぞれ推しと呼べるような存在がいる(いずれもここで話題にしている『彼女』のことではない)。
私が応援している方々はそれぞれの業界で、自分の肩書の名の下、過激なことをしないで活動している方たちばかりである。
つまり、私は肩書から逸脱した活動をしている人に嫌悪感を抱いてしまうのだ。
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彼女を未だにセクシー女優として受け入れられず、モヤモヤしてしまうのは、どうしてもアイドル時代の面影がちらつくからだと思う。
やはりステージの上で輝くあの頃の彼女が忘れられないのだ。
そして、私自身が性産業に従事していたこともあり、こういう業界で仕事をすることの大変さは重々理解しているつもりだ。
だからこそ、誰より特別で大切な存在だった彼女には、こちらの世界に足を踏み入れてほしくなかったという個人的な気持ちもあると思う。
しかし、もうあの頃の彼女ではないし、名前も変えて、何より彼女自身の意思で新しい世界に踏み出したのだ。
私も認識を改めなければならない。
もう「あの子」じゃなくて「黒宮はるな」なんだ、と。
彼女自身が望んで新しい物語を綴り始めたのだ、と。
最初から「黒宮はるな」として出会っていたならば、モヤモヤした気持ちにならずに済んでいたのかもしれない。
それでも、アイドル時代に応援していた思い出は今でも宝物だと思っているし、彼女のファンでいられたことを誇りに思う。
未だに完全に受け入れられたわけではないけれど、私の中で「黒宮はるな」としての彼女を受け入れることができたら、いつかまたイベントなどに顔を出してみようかなと思っている。
きっと私のことは覚えていないと思うけれど、それでいい。
その時は、また新しく彼女のファンになりたいと思っている。
黒宮はるなが新しいステージで光り輝くように、そして彼女により一層の幸せが訪れてほしいと願うばかりです。
※こちらの文章は、名称等一部の内容においてフィクションを交えて書いています。
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