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ひねくれ受験生による、日本一尖った令和4年度社労士試験 講評

え〜ということで、受けてまいりました。合否は合格発表日までのお楽しみということで置いておいて、主要予備校からの「ちゃんとした講評」が出揃ったタイミングで、ひねくれ受験生による世界一尖った試験講評を書きたいと思います。ちゃんとした講評に飽きた方はぜひ。

■選択式

なんといっても今回の最大の特徴は、河野太郎氏の功績(?)により、合格発表までの日数が47→25日と大幅な短縮になっていること。受験生からすると「ありがて〜」ってくらいの感想ですが、これまでやってた仕事をおよそ半分の納期でやれ!と鶴の一声でやらされた運営側の苦労はいかばかりか・・・その点で言うと、「補正(得点調整=救済)なんてしたくない!調整している時間なんてない!!」という声が聞こえてそうな試験でした。
そもそも選択式試験における、いわゆる「救済」の基準の考え方は、
・3点以上の受験者の占める割合が5割に満たない場合は引き下げ補正(救済)
ただし、引き下げて「7割以上」が基準点を超えちゃうなら補正しないよ
というのが基準です。
こうして考えると、およそ合格率が6%前後の社労士試験において、救済ラインは全受験生の平均点で検討されるため、9割以上を占める「不合格者」の得点分布によってほぼほぼ決まる訳です。つまり、不合格者の多くが「3点は厳しいが、2点は取れる」という得点分布だと補正の必要性がなくなるんですね。合格に近い優秀層ではなく、箸にも棒にもかからない層にいかに2点取らせるか。その観点で言うと、「5つともそれなりの難易度」みたいな問題はなく「2点は誰でも取れるが、3,4点目を確実に取りいけるかは微妙」みたいな感じになってるのはまあうまいなと思います。救済は、社一が唯一されると見せかけてギリされない、くらいじゃないかな? なんて思ってます。
設問としては、判例や事例問題多め。判例も、これまでの「主要判例のキーワードを覚えているか確認」というよりは、「初見の判例の、読解力・思考力確認」みたいな毛色。「丸暗記ではなく考えさせる問題」という今流行りの大学入試とか、更に言うとゆとり教育の「総合的な学習の時間」みたいなトレンドをなぞっているんですかね。
テーマとしては、最新の法改正ポイントがそのまま論点になるようなところは少なかったものの、労基の「この転勤は正当か」、労災の「中小事業主が特別加入できんのか」、雇用の「離職と再就職を繰り返している私でも教育訓練給付金もらえますか?」、労一の「雇い止めやめてください!」、健保の「紹介状もなしに大病院に来るな!」等々、昨今の話題に出やすいテーマ設定がされているところも、実践重視の匂いをプンプン感じますね。
そして、国民年金は相変わらず大好きな雑則。中でも「信頼を向上」させて「分かりやすく」伝えろ、なんてところを穴で抜いてくるあたり、日本の年金制度の「信頼を向上させて、分かりやすく」するのが社労士の責務ですよ、とでも言いたげな感じ。今後も引き続き、「年金制度、大丈夫なの?」という素人の疑問にしっかり条文を根拠に回答できるか、を問うような出題は続くんではなかろうかと読んでます。

■択一式
こちらも選択式と同様、「丸暗記ではなく、応用力・思考力を身に着けなさい」とでも言いたげな出題構成。去年よりは1,2点は平均点は下がるんじゃないかなあ。
安衛では謎の機械の名称や数字引掛けは避けたり、雇用では所定給付日数の表まで載せたり、そんなメッセージ性は色濃く感じます。
また年金でも、「昭和○年生まれの場合はなんたら」みたいな経過措置系はバサッと出さず、「死んだぞ!どの遺族が年金もらえんねん!」みたいな庶民が気になるテーマが出たり、社会全体の社労士に対するニーズに近いテーマ設定をしているなあとは思いました。

気付いたことは適宜また記事に書いていきたいと思います。

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