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詩と詩と思しきものの観察及び観測

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詩と詩と思しきものを観察または観測したものです。
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2023年5月の記事一覧

濃淡の話[詩]

濃淡の話[詩]

帽子は目深に被りなさい。影/法師/のリンパ液が透明なまま地面をつたっている。スニーカーの踵のあたりまで。じり、と足を動かして、おまえ、逃げようとしているのか(しかし何から、?)奥まったところ、薄暗いところ、に蟠る液晶と天気予報——しかし最近の夏の黒さよ。

豆と森[詩]

豆と森[詩]

 

定型文を砕いてやると、
 椿の青い葉が茂っている
(そこに鳩の目がいくつか見えるでしょう)
(明るい偶数の目が)
 そういえば昨夜の雨はすっかりやんで、
 花は落ちない
 硬い葉は洗われたように光って、
 森は明るい
 カラスが不器用に跳んで
 羽はやはり光っている
 やさしい数式を紐解くと
 第二部がはじまってしまう(いいの?)(いいよ)
 豆の芽の伸びる曲線を
 音楽にあてはめよう

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