のわ本 あとがき

「貴方はこの拙い物語ですら本当だったと信じているのですか?」

ここに辿り着いたということは、無事に出口から出て、2人の思い出も観測した方でしょう。
まずは今回の本をお手に取って頂き、誠にありがとうございます。

ChroNoiRの物語に魅せられてVTuberにのめり込んだ私ですが、その始まりはまさに「ヘテロスタシス」でした。
あのMVから始まるVtuberのストーリー展開、自分と同じ時間軸で生きるChroNoiRの2人が、今まさに物語を紡いでいる。「生きるコンテンツ」ならではの新しい楽しさがあると思わせてくれました。

さて、冒頭に戻りますが
ChroNoiRを追っていく中でもう1つ衝撃だったのが、ヘテロスタシス冒頭に出てくるこの一文です。
物凄く簡単に2人の物語をまとめますが、ヘテスからGeminidsまでのMVは
「あったかもしれない二人のifの物語」と最後に明かされました。

ChroNoiRという二人の物語、
Vtuberとしての叶と葛葉

毎度出されるMVを血眼になって考察する日々、その全ては、始まりのこの曲の冒頭から嘲笑うかのように否定されていたのです。
こんなに面白いことがありますでしょうか。

今回の同人誌は、その感動の気持ちに引きずられ、ヘテスを題材にするなら脱出ゲームのように、自分で考えて動く、ゲームで遊ぶような同人誌を作りたいと思ってこの形になりました。

皆さんに楽しんで遊んで頂けていたら嬉しいです。

内容に関しては、ヘテスの時点ではまだ2人の気持ちには差(があると私は思っているので)をそれを軸に表現しました。

叶は転生を受け入れて楽しんでいる
葛葉は叶を巻き込んだことを後悔している

この時点ではまだちぐはぐで、でも次の世界行くことを辞められない、それは葛葉自身もまだ叶と遊んでいたいからなぁと。

まぁこの軸の2人はGeminisでふっきれて永遠の世界を2人で生きていくことを決めるので最後はハッピーエンドです。

ここからは本の各所の解説です
まず大前提として、あのファイルの中には様々な軸ののわ2人の意識が含まれています。

①ヘテロスタシスの中にいた2人
②そこから出て次の世界に行った2人
③現実世界(普段私たちが見ている)2人
④ロトが作り出した(表に出ることのなかったヘテス脱出付近の心情を具現化した)2人 
です


それぞれのアイテムに当てはめて解説してみると
脱出計画ノートと、思い出のプリ帳
実際に写っているものは①の2人ですが、実は④が中心に進んでいて、
出口の先で2人が言っていたように、④の2人の意識が勝手に作り上げたものなんですよね
出口手前、叶に見せかけた口調で「上手く行きそうだ」といったのはロトです。
④はロトによって作られたので、最後はロトの意思が出てきます。

私の解釈ですが、2人の物語にとってロトは、「叶を幸せにするために行動するもの」で、あのノート自体が叶の「誰かに僕らのことを覚えていて欲しい」という願望を叶えるために作り上げたものです。

そして貴方に覚えていてもらうために、ロトが貴方の元に届けました。

出口の先の2人
これは②の2人。叶は貴方の話を聞いて、ロトがやったことだと理解しています。
ちなみに脱出ノートの後半で、葛葉が貴方の存在について話そうとして辞めていますが、それも葛葉が、貴方がロトによって自分の本当に願いを叶えるために「遣わされた」存在だと気づいているからの発言です

さて、あれ?じゃあ③はどこにいた?
というお話なんですが、わかりますでしょうか

そう、脱出ノートの1番最初のページ
表紙裏にいる2人の文字です
これは、現実世界の2人が、貴方が「ヘテロスタシスにいる自分たち」の意識に巻き込まれていることに気づいて警告を出しています

もうお分かりですね、そう
「貴方はこの拙い物語ですら本当だったと信じているのですか?」
てことです。

長々と解説をしてしまいましたが、何故こんなに長ったらしくあとがきを書いたかと言うと
いざ完成した後に自分で遊んでみたら
「あれ、これ私が考えていたことが何も伝わらないかもしれない」と急に思ったからです

ゲーム性と、2人の心情の入れ込みを上手く噛み合せることが思ったより難しいですね

さて
最後になりますが、
今回の撮影は被写体の2人に沢山協力してもらいました。
屋外の撮影も大変だったのに付き合ってくれて、本当に感謝です。
仲の良い2人なので、自然な空気感がくろのわの2人に近くて、本当にこの2人にお願いして良かったなと思いました。

これで本当の本当に最後の言葉ですが
最後にもう一度、思い出のアルバムを見ながらヘテロスタシスを聞いてみてください。


ばか騒ぎよ置いていかないで
ほんのちょっとだけ思い出を
僕に、僕に、見せて


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