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思いつきから、はじめよう: 奥利奥 [中国]

このままいけば、撤退の2文字しかない。

世界的な有名なお菓子、オレオの話だ。そ中国進出は失敗の瀬戸際まできていた。

世界各国での実績のデータ、綿密な市場分析を経て中国市場に乗り込んできた。ところがふたを開けてみれば、施策は失敗に次ぐ失敗。売上は一向に伸びず。オレオの開発チームは袋小路に立たされていた。

そんなとき、チームメンバーの一人が言った。

「もし、こんな味を作ったらどうだろう。」

過去の統計データでも、各国の比較データでもない。「もし、こんなのを作ったら」のただのひらめきだ。

しかし、チームはこのアイデアをほおっておかなかった。ためしにつくってみて、ためしに中国人のユーザーに食べてもらった。 

「うん、おいしいんじゃない。」

今までにない反応が返ってきた。ひょっとするとこの味ならうまくいくかもしれない。土壇場のところでオレオは九死に一生を得たのだ。そして、ここからオレオの中国市場での快進撃が始まる。

もう何年も前のマーケティング界隈での話だが、私はこの話が好きだ。

「もし、こんなのを作ったらどうだろう?」

パッとひらめいたアイデアからためしに実験してみる。ダメなら違うアイデアで実験してみる。 データに裏付けられた分析と明瞭なロジックが必要な多くのビジネス企画とは対称的の進め方だ。

ちなみに、私はその後こうした「もし~なら (what if~?) 」をきちんと方法論が欧州にあることを知る。

おもいつきから、はじめよう。おもいついたら、ためしにつくってみよう。


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