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斬新な構想よりも、思いやりのきもち: Craigslist [米国]

昨日とは打って変わって厚い雲が広がる寒い一日になった。11月も後半、冬はすぐそこだ。

そんな日の午後、私はタリーズでいろいろと仕事の中長期的なことをぼんやりと考えていた。この話はこれでいろいろとここ最近考えたメモが軽いレポートぐらいの分量にたまってきたので、頭の整理ができたらまた別の機会にでも書くとしよう。

そんな中、今日ネットで回っていた記事に目がいった。 世界でも類を見ないサービス、米CraigsListの紹介記事だ。

Craigslistは何かは 他の方々の解説に任せるとして、久々にCraiglistの話を見て、いろいろ忘れていたことをハッと気づかされた。

私の思うところ、Craiglistはビジネス組織ではない、むしろその対極にあるようなインターネットのオープン、相互扶助、そして脱商業主義を体現したサービス、そうオープンソースのコミュニティに近いサービスだと思う。

立ち上げ当初の私たちが幸運だったのは、リソースがごく限られていたことです。つまり、壮大な構想を実行に移すような力がなかったのです。そうした構想は、思いついたときはうまくいきそうな気がしても、その大半はやがて、あまりいいアイディアでないとわかりました。そんなわけで、壮大な構想に着手する代わりに、私たちはほんの少しずつ前に進むことにしました。
ゆっくりとしたペースで少しずつ進むので、チャンスを逃す場合もあるのかもしれません。しかし、私たちは実際のニーズに応え、人々を支援するという観点から現実的に取り組むよう努めており、これがうまくいっているように感じられます。「市場とは会話である」という誰かの言葉を覚えていますが、それは正しかったのです。

ユーザーのニーズに寄り添い、会話を積み重ねることでコミュニティをつくっていく。よくあるマーケティングやサービスデザインの教科書のような話だが、それを徹底的にやりきっているサービスはCraigslistの他にない。

新規事業を構想するとなると、斬新なアイデア、新しいテクノロジー、VCに支援してもらえそうな高収益のビジネスモデル、競合他社の動向など、ユーザーの外の話が大きなドライブとなることが多い。

そんな中、短期間で収益をあげられる見込みはなくとも、きちんと真摯にユーザーと向き合い、コミュニティを大事にして、何よりサービスをつづけていくというのは、誰もができる話ではない。というか、できる人はほぼいない。

でも、そんなインターネットが育んだ文化に、これからのサービスをつくり方を感じる。

私も、斬新なアイデアも構想もなくても、なにか周りの人たちを助けて笑顔にできることはあるんじゃないか。 そういうささやかなところから、新しいことをやりたいなぁと思う次第で。



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