雪の夜は異世界。

冬なのか、うつなのか、疲れなのか、
最近やたら眠くて疲れる。

実家にいた頃の冬の眠りって深くて、静かで
怖い時すらあったな、と昔を思い出す。

実家は田舎で雪深いところだったので、
雪の夜は何の明かりも音もない。

しんしんと雪が降る、の「しんしんと」なんて、
絶対に体験しないとしっくりこない表現だと思う。

雪は音を吸い込む。
音もなく降り積もりながら、家のまわりに壁を築いて、まるで家が外界から孤立しているみたいになる。

昼間でも、灰色の空に降ってくる雪が溶け込んで、何も見えないような空の日がある。

夜になると暗さは深くて、
明日の朝どうなっているかわからない、
そんな少しの、期待の様な不安のような
気持ちを抱えながら、
重くて分厚いふとんに包まる。

音と光がない世界で、お風呂上がりの自分と
洗濯されたシャツや枕カバーが発するいい匂いを嗅いで、肌触りのいい毛布や、布団に包まれてうとうとしていると、そこは異世界になる。

深い深い眠りがきて、目覚めた時にどんな世界に飛ばされていてもおかしくないような感覚。

一度実家を出てしまい、その間に雪が少なくなり、私の眠りも浅くなったのか、実家に帰ってもここ数年あんな夜は過ごしていない。

あの雪の夜の魔法は、
結構心地いいんだけどなぁ。

美味しいお茶を飲んで、気分よくまた何か書き残せますように!