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本屋の灯りが地獄を照らす


日頃お世話になっているフォロワーのダイナさんが、
先日、ある記事を投稿されました。



漠然とモヤモヤしていた想いを、全部言葉にしてくれたような気がしました。

その感謝と敬意を表して、このnoteは、上記の記事への返答とします。

(※以下の引用は、全て上記の記事からのものです)


読む者には、何ができる?


隣の家でDVが、虐待が行われていると気づいたら。
友人からLINEがあり、金が底をついた、家を追い出された、食べ物を買う金も残っていない、と言われたら。
発熱した、と送られてきたら。
いや、あなたこそがその当事者であったなら。
どうする。
書物を愛する私たちは、そのように問題と直面する。
どうする。

わたしなら、どうするか。

それが、この記事の問い。

愚直に答える。


警察、役所、病院。

様々な公的機関への選択肢が考えられる。

だけど、今その公的機関が必ず守ってくれるとは限らない。

過失や故意による悲しい事件は後を絶たない。

人の尊厳の防波堤たりえる機関が、揺らいでいる。

それなら。

それらのシステムを借りつつも、
結局は自分で自分の身を守らないといけない。


例えば。

わたしは女性だから、「妊娠と出産」を考える。

辻村深月「朝が来る」の、主軸となるテーマだ。

作中に出てきた施設と、類似した団体は実存する。

そのうちの一つが、「いのちのドア」。

出産や育児に悩む、全ての女性が門戸を叩ける場所だ。


例えば。

わたしは本が好きだから、「図書館」の可能性を考える。

図書館には、マイノリティを守るネットワークが形成されている。

LGBTQや移民。

彼らのエンパワーメントを保障する。彼らの尊厳を保障する。


これらは全て、図書館や書店などの、

「知のネットワーク」を辿って知り得たもの。

たとえ当事者が知らずとも、

当事者を取り巻く人たちが一人でも知っていれば、

助けられるものがある。


本屋の灯りを消してはいけない。

だけど行政からの支援は、決して十分なものとは言えない。

それなら、守れる人が守らないと。

本屋の灯りは、あらゆる地獄を照らせるはず。

それがわたしはちょっとずつ、

根拠を持って分かるようになってきた。



「知のネットワーク」を守る


言い換えれば、「文化」を守ること、とも言えるはず。

守ってきたのはいつだって、その時代を生きていた人たちだ。

それなら、わたしには何ができるか。


短期的には、「書店を存続させる」こと。

書店に限らず、本に関わるあらゆる場所を守る。

出版社や取次が倒れれば、書店も倒れる。

自分の生活も守りつつ、

許す限りの金銭的な支援をすること。


中期的には、「新たな読書モデルを確立する」こと。

ラジオを継続させ、様々な価値観に出会うこと。

「できる」と思ったことには、全部飛び込むこと。

大学院に入学し、より深い見識を得ること。

その中で、わたしなりの価値観を最大限に活かして、

読書が生み出す「新しい自己表現の場」を作ること。


長期的には、「守ってくれる後継者を育てる」こと。

読書教育の振るわない地元に戻り、知識や実践を還元すること。

大学の先生として、後継者を育てること。

実績と信頼を確立して、自分の信じる読書教育を体現すること。



無名のまま、誰かを救う



歴史上のほとんどの書物と著者が無名であったのと同じように、あなたも、無名のまま生涯を終えるが、無名のまま誰かを救うだろう。


無名のまま、誰かを救う。その積み重ねが、歴史なのかもしれない。

歴史とは、人の想いが形になったものだという言葉を、聞いたことがある。


そしてきっと、誰かを救ったとき、あなたは、書物のことなど、とっくに忘れているだろう。
それでいい。そのようにして、書物は世界に機能する。
そのようにして、誰にも気付かれはしないままに、書物はあなたと勝利する。まさに、これまでそうであったように。


そっか、それでいいんだ。

書物はいつだって、わたしたちのそばにいてくれる。

誰かを笑顔にするときも、誰かを傷つけるときも。

人間から生まれたものだから、それが道理なのかもしれない。


書物は決して万能ではない。ただそこにあるだけ。

何かを保証してくれるわけではない。

だけど、お守りみたいなもの。

わたしはそう思う。


人間は一人じゃ何もできないけれど、

誰かと一緒なら、

もっと言えば、書物というお守りと一緒なら、

無名のままでも、誰かを救える。

救った先に、本屋の灯りがきっと見えるはず。

わたしはそう信じたい。

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