「Day to Day」連続感想まとめその2 4月11日〜4月20日
講談社が5月1日からスタートさせている、毎日更新の作家書き下ろし掌編シリーズ「Day to Day」。毎日Twitter上で感想を書いているものをnoteにまとめている。
今日は5月11日〜5月20日にアップされた、「4月11日〜4月20日」の10日分だ。アップ日の一ヶ月前が執筆時の想定日になっている。
感想は1日あたり1ツイートに限定している。まとめてみると、感想というよりは概要に近いが、これはこれでいいかと思っている。
・4月11日 秋吉理香子
結婚式などの司会業のため華やかな衣装で仕事に行っていた私を「プリンセス」だと絵に描いていた息子。だが今は仕事がなく、生活費のために出前代行をしている。その仕事姿を見た息子は…….心温まるエピソードです。
・4月12日 砥上裕蔣
春に桜を見ることができる有難みを教えてくれた母。ただ描くだけの対象だった桜を改めて眺めると、ある感情が湧き上がってくる。最後に砥上さんらしい「あれ」も鑑賞できます。美しい!
・4月13日 朱野帰子
テレワークが命ぜられているのに、なにかと理由をつけて会社に出勤する田中さんに「会社に行くな!」と諭す俺。田中さんは会社では孤独なんだ、そして俺も……いつの間にか語り手にまで哀愁が漂う。あなたもそうかもよ?
・4月14日 深水黎一郎
自分が活躍するシリーズ新刊の発売日に書店に行こうとした大癋見(おおべしみ)警部は海埜警部補に止められ……典型的なオヤジ意識の大癋見警部を面白おかしく書きながら、新刊が出たタイミングの悪さへの哀しみも。
・4月15日 有栖川有栖
ようやく覚えたウェブ通話システムで、今日が誕生日(それでこの日か!)の火村英生と近況報告。火村もリモート授業に四苦八苦しているが、事件現場には行けるのか? 有栖川さんの悩みがそのまま反映しているようです。
・4月16日 海堂尊
売れない作家である俺の前に「ラスト・チャンスをやろう」と「神」と称する老人が現れ、ある小説を書くことを告げる。人類の未来のため、小説は書けるのか、それとも……今の世間の雰囲気を盛大に皮肉っています。
・4月17日 周木律
アポロ13号が打ち上げ後に数々のトラブルを抱えながら全員で危機を乗り越え、無事地球に帰還したのは50年前の今日。どんなに準備してもピンチは起こる。だが乗り越えることもできるのだーー勇気づけられるメッセージです。
・4月18日 瀬名秀明
3月に出演した100分de名著「アーサー・C・クラーク特集」へのコアSFファンからの批判をきっかけにうつ状態にあった著者が一ヶ月ぶりにBS番組にリモート出演して……絶望を捨て、作家復活宣言と取れる内容に期待が持てます。
・4月19日 中山七里
あるシリーズに登場するヤクザ・山崎が主人公。描かれるのは「ヤクザから見たコロナウイルスの現状」。収入源がなくなり、刺青やヤクで免疫力も低く、組事務所は三密だらけ……肩身の狭い思いをするのはどこも同じか。
・4月20日 法月綸太郎
不要不急のことを書く、として、チェスタトンのブラウン神父シリーズ短編「ヴォードリーの失踪」の考察。殺人トリックが印象的だが、動機面が重要だ。トリックは覚えてたけど動機は記憶があやふやだから読み返さなきゃ。
第2回はここまで。では、また10日後に。
なお、ツイッターでは毎日感想を更新しているのでよろしければ。
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