見出し画像

「Day to Day」連続感想まとめその1 4月1日〜4月10日

講談社が5月1日にスタートした、人気作家が書いた掌編(小説でもエッセイでも可)を毎日アップする「Day to Day」。

連載企画「Day to Day」

内容はどんなものでもOKだが、縛りとして「新型コロナウイルスが拡大する2020年」の世界を描くというルールがある。分量は原稿用紙2〜3枚程度ですぐ読める。毎日1作品がアップされるが、アップ日のちょうど一ヶ月前が舞台、という設定になっている。
とにかく作家のラインアップが豪華だし、こういう企画には乗っかるべし、と思ったので、毎日アップされる作品にTwitter上で感想を書くようにしている。どこかでまとめておこうと思ったので、noteにてまとめていきたい。10日をひとまとめにするので、今回は5月1日〜5月10日にアップされた、「4月1日〜4月10日」である。

元々の作品もすぐ読めるので、そちらも合わせてぜひ読んでいただきたい。感想もだらだら書くタイプのものではないので、1ツイートに収めているが、前後に関連情報も書くので、実質80〜100字くらいか。

4月1日 辻村深月
辻村さんらしい世界観で、エイプリルフールを上手く絡め、読書の楽しさを教えてくれる作品でした!

4月2日 西尾維新
なんと、掟上今日子シリーズだ。これはもしかすると、ミステリの謎解きに「3密」を取り込んだ最初の作品かも知れない。ラストの「オチ」も見事です。

4月3日 大崎梢
エッセイ。ご主人の実家・高知から届いた文旦(すみません知りませんでした)をきっかけに、義母の思い出などを含め、今は行くことができない遠方に思いを馳せる好編でした。

4月4日 吉川トリコ
密集を避けて歩くうちに閑散としたオフィス街に迷い込む、小説風エッセイ。違った視点からだと、いつもの風景が全く違って見え、新しい場所に来たと錯覚する。今全国で見られる世界観に共感します。

4月5日 有川ひろ
飼い猫「トム」とのほのぼのした攻防戦?の日々を描く。世間の激変と対比した、恐らく来年もその先も変わらないだろう日常にホッとします。そして、トムは確かに可愛い。

4月6日 真梨幸子
2100年の視点から、歴史の分岐点となった「2020年4月6日」を記録風に振り返る。緊急事態宣言をきっかけに、ある意味ユートピアでありながらディストピアでもある2100年へ。こうなったら、嫌だね。

4月7日 凪良ゆう
4月7日はやはり、凪良ゆうさん。本屋大賞を想起させる「書店大賞」を受賞したのに授賞式が中止になった「あたし」と、その夫でただいま仲が最悪な状態の「大吉」との家での一日。掌編なのに情報量が多く、もうこの設定の長編が読みたいくらいです。
(注:「やはり」というのは、4月7日が本屋大賞の発表式の日だったから。本来なら、全国の書店員と一緒にお祝いをしているはず、の日だった……)

4月8日 森博嗣
今回の事態になるはるか前、約15年前に自分自身に緊急事態宣言を出し、田舎に籠り、人に会わない生活をしているので、特に変化がない日々を過ごす。「致死率」や電車の危険性など、一歩引いた視点からの指摘も冴えてます。

4月9日 志駕晃
3密状態なので感染予防を充分に施したスタジオからのラジオ生放送。CM中のある出来事をきっかけに空気が一変する。表向きな語りとは逆に、身近になると豹変する人々への皮肉かも。

4月10日 青柳碧人
蔓延するウイルスを撃退できる成分を持つ生物を捕獲するため、江戸時代にタイムスリップする。奇妙なスーツとゴーグルを着けて……いま日本中で拡散される「あの妖怪」の意外な由来の話。こういうネタ、大好きです。

というわけで、今日はここまで。
作品の優劣はつけないことにする。こういう企画そのものを応援したいし、作家さんの文章の力を信じたいので。
Twitter上では毎日感想を書いているので、リアルタイムではそちらを参照していただければ。次のまとめ更新は、5月20日ごろです。



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?