見出し画像

発達支援センターに勤めていた人が、我が子を発達支援センターに連れていった話

世の中的に「発達支援センター」はナニモノなのか、あまり知られていないらしい。

そう、はっきりと感じたのは、保育園の先生やママ友の反応を見てからだった。

何を隠そう私はニブい。
変なところは過敏だけど、基本的にニブい。
だから、実際の反応を受けとるまでわからなかったのだ。

“こんな印象を持っているなら、そりゃーみんな行きにくいわ ”
そう思った。

誰が悪いとかじゃない。
そういう雰囲気になってるのが、

もったいない。

なんともったいない。
ああ、もったいない。
もったいなさすぎる。

これは書かねば。

そう思い、記事を書いています。

(※娘の紹介は別ノートに書こうと思います。)


--------

発達支援センターの帰り、自転車に娘を乗せて走っているときに、近所のママ友とすれ違った。
次の日あたり、近所でそのママを含む複数のご家族と遊んだ時に「あの日、どこ行ってたの?」と聞かれた。中途半端な時間だったしね。
「発達支援のところだよ」と私が言うと、“あぁ…”という感じの顔をして、一言も発することなくその話題は終わった。

えっ?
こういう感じの反応なの?
えっ???

と、驚いた。
行くのはダメなこと、のような空気感。
おおう…
ちょっと変な気分なんですけど…

しかし、まだ終わらなかった。

発達支援センターに行くのは平日の午前中。
なので、保育園に遅れて登園する。
その日はセンターに行くのは2-3回目、初めての新版K式をとって、待合室のオモチャで少し遊んで、11時前頃に登園した。
11:30頃になるかと思って保育園にはそう連絡していたけど、意外と早かったため外遊びに合流できた。

「早かったですね。どこかお出かけでしたか?」
先生にそう声をかけられ、“遅刻します”しか連絡していなかった、と気付いた。
「発達支援センターに行ってきました」と、伝えると、娘が横から
「あそんできたんだよー!」
と、嬉しそうに反応した。

「遊んだっていう感じなんだね、いいね」
先生はそう独り言のように言っていた。

お?
基本遊ぶんじゃないっけ…
療育って…
しかも本人の能力に合わせて対応してくれるから、本人は楽しめるのが通常…

あれ!?
私の認識、世間とずれてる?!?!

冒頭に戻る。

そのようなことがあり、『発達支援センター』についてのイメージや印象を改善すべく、いえ、
正しく理解していただくことを目的として、このノートを書くことにしました。

うまくできるかはわかりませんが、頑張ってみます。

※幼稚園くらいのお子さんを想定して書いています。

--------

■その①

さて、結論から言います。

『子供の育ち・発達・生活が気になる』

そう感じている人は、今すぐ自治体の発達支援センター(に類する所)に電話しましょう!!!

全員!!

遠慮しないで!

(支援センターの皆様、仕事増やしたらごめんなさい)

■その②

電話する前にひとつ。

・親から見て気がかりなところ
・同月齢の子供達と比べて気になるところ
・健康状態や生活の様子

など、メモれるところはメモっておくと良いと思います。
実際に面接に行くと忘れたりします(私)。

『家や園の生活で、本人か友達か大人が困っている』
ということが前提として話が進みやすいので、その部分を書き出してみてください。

親は困ってない、という場合は『気になる』『本人はここがやりにくそう』などでも大丈夫です。

■その③

「幼稚園や保育園からは何も言われていないけど。。」

残念ながら、幼稚園の先生や保育士さんは、詳しい子供の発達や発達の凸凹について知らないこともよくあります。

同じ3歳児でも、3歳2ヶ月と3歳11ヶ月は、ものすごく差があります。
それでも「同じ3歳児」と見ている先生もいらっしゃいます。

自閉症スペクトラムの特徴が、性格レベルにおさまる軽いものから、生活に困難が生じる強いものまで幅広くある、と知らない方もいらっしゃいます。

ご家族の判断で、相談に行って差し支えないと思います。

理想をいうならば!!!

保育園も幼稚園にも、学校にも、社会にも、発達の凸凹についての知識などが浸透して、当たり前の常識になって、
必要な支援を受けることが“目が悪い人の眼鏡”くらい普通で、
どんなタイプの人にも分かりやすい環境設定がスタンダードになる。

それがいい。

だけど、それは時間がかかります。
人の「当たり前」を変えていくのはすごく時間がかかります。

現行制度的には、発達支援センター(など)で、その子の特性を詳しくみてくれます。
なので、まずはそこに行きましょう。

そして、多くのご家族が発達の凸凹について認識していくことで、社会の認知が少しずつ上がっていくのだと思います。

今の一歩が、今の子供達が大人になる頃の社会に影響を与えると思います。

■その④

発達支援センターは、

『お子さん自身の得意・不得意を見極めて』
『お子さんに合ったやり方を考えて』
『大人のより良い対応をおしえてくれて』
『必要なら一緒にやってみて』
『センター以外の場所でもうまくいくよう』


手伝ってくれる場所です。

最高じゃないですか?
自治体の施設なら無料ですよ?
悩んでるのに、行かない理由あります?

(支援センターの皆様、仕事増や 以下略)

■その⑤

ただ、住むところによって事情が違います。

すごく手厚いところ。
すごく混んでいて予約がとれないところ。
何かよくわからないところ。

お住まいの地区のセンターがどんなところかは、なんとも言えません。

私が勤務していた発達支援センターは、結構な都会で子供の人数もまずまず多いところでした。

すると、予約がとれません。
秋を過ぎるともっと予約がとれません。
何故なら、年長さんによる一年生になる前の駆け込み検査が急増してしまうのです。
毎年その傾向があります。

おすすめは『初夏』です。

新年度にも少し慣れているし、激増時期にも入っていない、初夏。

この頃に予約を入れると見てもらいやすいと思います。
(様々な状況により差はあると思います)

■その⑥

都会の方が通いやすい。
田舎の方が通いにくい。

これは私の印象ですが、わりと都会の発達支援センターに勤めていた頃は、保育園ママと話していても、“その④”的に思う親御さんが多い印象でした。

しかし、引っ越して少し田舎にくると、冒頭の例に出した“世間と私”のような認識のズレをより強く感じました。

これは私の体験なので、場所や人によって全く異なると思います。

しかしですよ。
“ちょっと田舎”は、すいてるんです。
本当に。

勤めていた都会の支援センターと、実際娘が行ったちょっと田舎の支援センター、混み具合が雲泥の差でした。

子供の数が違うと言えばそうかもしれませんが、違いすぎてびびりました。

「むっちゃ手厚い」

田舎~ちょっと田舎にお住まいの皆様、是非、今がチャンスです。
(※自治体によります)

■その⑦

定期的に通うか通わないかはわかりません。

うちの娘は、
インテーク(初回)面接
・発達検査(新版K式)
・作業療法評価
・評価結果の返し面接

で、終了です。

上記のような評価を行った後、通所が必要と判断した場合はそのように伝えてくださると思います。
それは、“その④”の『必要なら一緒にやってみて』の部分です。
子供の発達状況、保護者の状況など、色々考えた上で通所/終了を判断してくださると思います。

「通ってみませんか?」と声をかけてもらった場合は『ラッキー!』と、生活に役立つtipsの数々を伝授してもらってください。

■その⑧

『療育に行って何しているのか、何になるのかよくわからない』こともあるかと思います。
軽度だったり、困りごとが少ない場合はよりそうだと思います。

ですが、
・軽度である⇒見過ごされやすい
・見過ごされやすい⇒本人の努力不足と捉えられる
・本人の努力不足⇒大人の対応がキツくなる
・大人の対応がキツい⇒自信を育みにくい

という、
悲しい悪循環になってしまう場合があります。

本人にあった努力の仕方や、
本人の力が発揮しやすい環境設定、
大人が『この子頑張ってるんだ』と気付くこと、

このような機会を得られることは、これからの生活・発達に大きな影響を与えると思います。

このような意味で、
その子の特性・得意/不得意を見てもらうことは、とても有意義なことだと思っています。

はてな~???
な部分があれば遠慮なく質問してみてください☺️

■その⑨

発達の凸凹はたいてい誰にでもあるものです。
(そうなんですよ、本当なんですよ)

その程度が強いと、生活での困りごとが増えます。
程度が弱いと、困ることは少ないかもしれませんが「なんか変だな…」という感覚を持つかもしれません。

だから、むずかしい。

「これくらいだったら、別に発達支援センターとか行かなくてもいいよね」
と思えてしまう。

でも、子供を新たな視点から知る、めっちゃ良いチャンスだと思うので、もしよかったら電話してみてください。

ちなみに、娘が3歳になった頃だったと思うのですが(当時都会住まい)、支援センターに電話して相談したら、その電話だけで終わりました。

そこまで困ってない
年齢が低くて判断しにくい
優先順位が低い

そんな感じだったんだと思います。

でも、今住んでいるところなら2-3歳でも見てくれそうな気もします。

■その⑩

支援を受ける、とは、より詳しくその子を知ることです。

知れば対処がわかりやすくなります。

他者、しかも専門の人の目(検査)が入ることで、自分だけではわからない特徴を知ることができると思います。

100人いたら、30人くらいは「相談にいくと良いんじゃないかな?」と思っています。
(もっと多いかも)

学齢期に入る前の時期に、適切な対応ができることは、「今の生活」がやりやすくなることはもちろん、「今後の生活」にも良い影響があります。

支援を受ける=発達障害、ではありません。

前述しましたが、発達障害≒発達の凸凹は、多くの場合、皆がもっているものです。

程度の差なんです。

だからこそ、相談してください。

遠慮なく。

--------

『発達支援センターに勤めていた人が、我が子を発達支援センターに連れていった話』

…という題名にふさわしいのかどうかわからない感じになってしまいました。。。

なんとなくでも、
“困ったら皆行けばいいよ!”
という雰囲気が伝わると嬉しいです。

勤務経験があるとハードルが低くて(むしろ飛び越えるハードルが無い)、世間とのズレを感じていますが、
世間の中にあるハードルがどんどん低くなれば良いなと思っています。

『必要な人が必要な支援を受けられる』

それが、あるべき姿だと信じています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

※画像は、人っぽくなってきた画伯(娘)の絵。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?