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2023.06.05

 友人のアーティスト写真を撮った。現像するのが楽しみだ。

 友人は歌がうまい。あの、本当に、冗談じゃないくらいうまい。どうしてそんなに歌がうまいのか聞いた。昔から、モノマネがありえないくらい得意だったらしい。
 彼女の「中学生の頃の、みんなから嫌われていた英語教員のモノマネ」はすごくリアリティがある、会ったこともないのに。これは相当学生時代にウケただろうな。モノマネがうまい人ってだいたい歌がうまい。私はモノマネも歌も下手だ。

 あなたが子供だったときの記憶を聞くのが好きだ。生まれたときから、だいたい小学生くらいまでの記憶。
 岐阜県で出会った映像アーティストは、プラモのパッケージの零戦を、アンテナ一本一本まで丁寧に切り抜いていたらしい。元同期のプロダクトデザイナーは、鳥山明の漫画を夢中で模写していたらしい。在野の生き物屋さんは湿地を駆け回っていたそうだ。方向感覚が著しく鋭い友人は、自転車に乗って町内中の路地を走り回っていたそうだ。歌のうまい彼女は、ピアノを弾いて、モノマネとダンスに明け暮れていた。

 厚焼き卵サンドとBCC(ブラインド・カーボン・コピーじゃないよ。ベーコン・キャベツ・チーズね)サンドをご馳走した。友人にご飯を作るのは緊張する。おいしすぎる!店出せるって!と言われて照れる。気分がいい。

 歌がうまくていいね、と、出会ってから何十回目かの賞賛を告げた。彼女は、謙虚で優しいので、「白嵜は手を使って暮らしをよくすることがうまい」と誉めてくれた。コーヒー焙煎、料理、DIY、バイクいじりとか、よくやっているじゃないかと。そんなに大したものではないと謙遜する気持ちをぐっとこらえて、お礼を述べた。相対的なものだな、長所というのは。でも嬉しかった。そうか、私は手を使うのが得意なのか。

 そういえば子供のころ、鶴を折ることに没頭しすぎて、最終的に小さ〜い鶴を折ることに大熱中していた。どうもエピソードとしてぱっとしないな。

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