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2023.06.27

 2ヶ月に1回くらい行くバーで、クラフトビールの勉強会をした。仄暗い店内に、元蔵人の店主と偏屈な常連客たちの趣味か、極めてヘンテコで上等な日本酒・焼酎がところ狭しと並ぶ。座席の奥がガラス張りになっていて、赤いベルベットの椅子が並ぶ、薄暗い照明のバーカウンター。昭和後期・平成初期全開の内装は、潰れたスナックを改造したのだろう。秘密基地みたいな内装と美味しいお酒が飲める店内はいつも常連で賑やかだ。

 余談だがこういう場所は結構苦手だ。常連だけで出来上がった空間に、異物として私がいるということが申し訳ない。誰かに話しかけてもらえると、いつも嬉しくてへらへらしている。うまくしゃべれてはいないだろう。
 こういう場所は正しいやり方がわからなくて、いつもおっかなびっくりだが、お酒を飲んだ人は大体隙だらけで優しい。なんとかなっている。

 狭く、カウンターだけの店内で、みんなでクラフトビールをシェアして感想を言い合う(と称して、変なクラフトビールをワイワイ飲んでニコニコ笑う)という会合の特性上、いつの間にか、知らない人たちと個人的な話で盛り上がっている。

 ニックネームの由来を聞くときに、ポケモンの話になった。 ADぶっぱのチョッキバンギが好きなんだよね、と笑っていた。ポケモンバトルはエアプだけど、ゴツメさめはだガブいいですよね、ってつぶやいたら、「メガガルーラ狩ろうとしてんじゃん」って言われたのがめちゃくちゃ面白かった。

 サブカル全開の見た目で、アウトドアショップのカメラマンをしていて、さっきまで山岳の話をしていた人が、「コイル祭りにリアタイ参加してた」って言っていたのがよかった。インターネット。最高。16時に入店して、終電ギリギリまで飲んでいた。居心地よすぎるよね。

 彼は「気分を落ち込ませないために、日々やらなきゃいけないこまごまとしたタスクをホワイトボードに書いて音読している」と言っていた。「水を2Lのむ」とか「人とコミュニケーションを取り、自分から喋りかける」「自炊する」とかそういう、割に簡単にこなせるやつ。それで、今日1日の反省点と褒められる部分を、日記に書き出すらしい。

 よくやるよな、と思った。素直に「なるほど、最高っすね、真似してみます」とは言えない天邪鬼で、ここまで生きていたつもりでいたけど、けれど、こういうことって、筋トレみたいにこっそりトライしてみるべきなのかもしれないな、口だけでぐちゃぐちゃ言っていないでさ。

 目標を設定するとしたらこんなところか。

・へらへらしない。

・「わかるっすわ〜」って言わない。軽率にわかり手になりたくない。

・同じ話をなん度もしない。

・毎日お散歩する。

・1日に30分間はティアキン以外の趣味に手をつける。

 散歩してくるか。面倒くさいな。家から出たくない。でも、とりあえず、近所のコンビニまで、なん割引かのおにぎりをハントしに、靴を履いて歩き出してみようか。

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