Mリーグ2020レギュラーシーズン通過ライン検討

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1月19日の試合を終え、全チームが60試合消化となったレギュラーシーズン。この終盤戦に差し掛かるころから気になり始めるのが通過ライン予想。どの程度の条件が整えば通過当確と言えそうなのか、過去のデータを使って予想をしてみたいと思います。

1.評価指標の検討

麻雀という競技の性質上、1試合で4チームがポイントの変動がある複雑さがあるので、試合結果をよりシンプルにしたいと思います。

Mリーグの配給原点は25,000点。1試合における点棒の増減を原点(30,000点)を基準にして、点棒1,000点=1ptsに換算、順位点を加減しての対局スコアを算出します。
順位点は上位から+30pts,+10pts,▲10pts,▲30ptsとなり、トップ者には配給原点と精算原点の差20,000点=20ptsを加算します。
従って、順位点の合計は

トップ:+50pts
2着:+10pts
3着:▲10pts
4着:▲30pts

となります。
計算をシンプルするため、各着順に30ptsを加え、20で割ります。
この処理をすると

トップ:4
2着:2
3着:1
4着:0


となります。
今回の検討においては、この数値(以降便宜上「評価点」と表記します)を検討材料のベースとしていきたいと思います。
また、この評価点は【評価点1=スコア20pts=点棒2万点】に相当することになりますので、以降の検討の前提条件として覚えていただけたらと思います。

2.昨シーズンの結果

通過ラインの検討にあたり、現行の8チーム参加、6チーム勝ち抜けと条件が同じ2019シーズンがどのような結果となったか、ここからスタートしていきます。

まず、昨シーズンのレギュラーシーズン全日程の試合結果はこちら。

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※こちらの着順分布は試合内で同点終了となり同着となった場合は2者とも上位の着順にカウントをしております。

・この着順分布に先ほどの着順に対する評価点(トップ=4、2着=2、3着=1、4着=0)を与える
・チームが獲得した素点の増減で補正(素点20,000点につき評価点1を調整)
・同着が発生した試合については、トップ同着の場合には2者ともに評価点▲1、その他の着順の同着の場合は2者ともに評価点▲0.5の補正。
・チョンボによりトータル▲20ptsのペナルティとなったサクラナイツには評価点▲1を補正。


この処理を行い、評価点のトータルを算出した結果がこちら。

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通過ラインは147.385のパイレーツ、次点にドリブンズが143.685となります。

なお、サクラナイツのチョンボ分を反映しなければ、1試合に与えられる評価点の総量は4+2+1+0=7
レギュラーシーズンは180試合ですので7×180=1260が8チームの評価点の合計となります。8チーム均等に評価点が行き渡るとすると、1260÷8=157.5

よって、通常よっぽどの偏りが無ければ157.5が評価点の中間目安=4位~5位の獲得目安となるので、6位通過に必要な一つの道標は140後半~150前半、中間順位が期待できる評価点157.5が通過濃厚160台が当確ラインとなりそうです。

3.評価点の獲得目安

この評価方法は順位に対応する順位点に対して素点増減による補正を行いますので、理論上評価点は無限大となります。
では、1試合に獲得する評価点の目安はどれほどでしょうか?
ここで、過去500試合のデータベースをご覧ください。

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トップ者の平均獲得点棒は45,155(素点+20,155=評価点1.005)、以下2着が30,197(素点+5,197=評価点+0.260)、3着が18,934(素点▲6,066=評価点▲0.303)、4着が5,719(素点▲19,281=▲0.964)
各順位の評価点を加えると

トップ:+5.005
2着:+2.260
3着:+0.697
4着:▲0.964
(※端数処理の関係で合計が7にはならない)

となり、素点補正をかけた各順位の評価点が算出されます。

残り試合全部ラスを取るような極端な例ではかなり試合数を消化しないと通過予測が立てられないので、全ラスとは言わずとも過去のレギュラーシーズンのデータにおいて、かなり悪循環に嵌まってしまった連続10試合のデータを「想定上の最低記録の目安」として定めます。

昨シーズンの赤坂ドリブンズ、21試合ノートップの区間中、#79~#94の10試合ノートップ、2着3回、3着2回、5ラスで▲304.7(素点▲94.7)を叩いた区間をサンプルとします。

順位評価点8+素点評価点▲4.735=評価点3.265
1試合換算=評価点0.3625

つまり、「どんなに悪循環に嵌まっても1試合あたりの評価点は0.3625が期待できる」という設定が立ちます。

4.仮想通過ボーダーの考察

2.で示したとおり予想通過ボーダー評価点は140後半~150前半ですが、より通過濃厚となる評価点157.5を通過ラインの基準値とします。
3.のとおり、どんなに調子が悪くても1試合当たり0.3625の評価点が期待できるとすると、

157.5-残試合数×0.3625

が期待上の想定通過ラインとなります。
そして、現段階60試合消化時点の各チームの評価点と併せてご覧ください。

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残り30試合時点での通過目安評価点は146.625ですが、まだ全チーム到達しておりません。
しかし、ABEMASが現時点で128.285の評価点を得ており、仮に5試合連続トップを獲得すると残り25試合での設定評価点148.438を十分上回ることができ、シミュレーション上では通過が濃厚となる、ということになります。

これにより、当確情報を粗削りながら早い段階で予測できることができないか、と思うところです。

5.結びに

今回のシミュレーションは過去500試合の平均値で想定しており、上下のブレ幅はかなり簡略化しております。想定上のミニマムとなる1試合当たりの評価点を10試合と設定することに統計学的な理論づけは無く、あくまで過去のデータからのピックアップに過ぎないことにご留意ください。

また、シーズンを重ねていくとこの方法での評価値による通過ラインがある一定の所で収束していくことが予測され、今回は6位の通過ラインではなく、より通過が確実な4位~5位の予測ライン(辛めの想定)でシミュレートしておりますので、ボーダーは引き下がることが予測されます。

残り30試合のボーダー戦線となり、より過激さを増すMリーグですが、今後も戦いに注目して参りたいと思います。