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サブカル大蔵経485早川義夫『ぼくは本屋のおやじさん』(ちくま文庫)

本屋さんの本の話。

その本屋さんは、元ミュージシャン。

ねちっこくて、ドキッとする文章。

三月書房店主のメルマガを思い出す。

本屋は無くなっていった。

本屋と本と私の関係。

これをアップする前に、著者の「サルビアの花」を初めて聴きました。

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本よりも本屋が好きであった。p.14

 そうなんですよ…。と言うのもノスタルジーなのか。買うならネットが一番便利。でも本屋が好き。建物の中に入った瞬間、安心する。お寺もそんな感じかな。

このNHKのテキスト類には僕は非常に頭にきていて、大体、NHKが受信料と引き換えに各家庭に無料で配れば良いのだと思いたくなるほど、悩まされている。p.37

 本屋におけるNHKのテキストって、田舎でもけっこう確保されていて目立っています。そこに国家権力が映るのかも。

何かが足りない、足りないといった感じで、まるで、自分のだめな部分や、寂しさを補うかのように、ものを増やしたりするけれど、本当は、足りないのではなくて、余計なものが多かったのだ。いつも、そう思う。そして、また、そのことを忘れ、あれもこれもと欲しがってしまう。その繰り返しである。整理して一応スッキリした時、満足する。やってよかったと思う、なんでもっと早く整理しなかったのだろうと思う。ともかく、ほんの一瞬、うぬぼれではあるが、今まで曇っていた本棚が光って見えてくる。何かを棄てた時、初めて、そう思う。何かを得たときにそう思うのではなく、何かをしてたときにそう思う。自分が強い人間になれたような気がする。p.87・88

 本棚のことなんだ…、人生のことかと思った…。

たしかに、O氏のように、今日は買うもんがないから昨日と同じ本を買っていくか、などと言いながら、同じ本を2冊も3冊も買っていくお客さんは稀である。O氏が買っていくような本が減ると言う事の方が残念なのである。p.132

 すごい客もいるんですね…。お店とお客の関係。それを媒介する本という存在。

本よりも、本屋が好きな人は、本を配達してくれなどとは言わない。しかし、本よりも、本の中身だけが好きな人は、牛乳のように配達してくれと言うであろう。p.165

 たしかに、ネットで買うようになって、内容だけ読み捨てしてるかもしれない。本屋の本棚で買った本の方が一冊に思い入れがあります。

父は僕の本「僕は本屋の親父さん」を124冊買った。p.202

 本の多数買いというかたち。

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