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サブカル大蔵経601玉袋筋太郎『粋な男たち』(角川新書)

昨年の1月に放送された町中華スペシャルでの玉袋筋太郎と博多大吉の共演。

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二人の呑む姿が素敵で思わず写真を撮ってしまいました。なんというか、大吉先生が人に身を委ねている姿が珍しいような。

さらに千鳥の大悟も慕って呑み交わす。

https://www.zakzak.co.jp/smp/ent/news/180127/ent1801275245-s1.html?ownedref=rensai_not%20set_newsList

まるでいろいろあった吉本芸人たちが、〈スナック玉ちゃん〉に止まり木している様な感じを覚えます。

今年も因縁の爆笑問題「日曜サンデー」で田中が休んだ時にしびんを持って駆けつけた時の、太田の心底嬉しそうな声。あれはさまざまな代役たちの登場の中でもハイライトだったと思う。

分け隔てないきっぷの良さを持つ玉袋筋太郎は事務所の垣根を越えて、東西の芸能人たちに頼られるようになり、いつのまにかみんなの助っ人・玉ちゃんになっていた。

そして特筆すべきは「KAMIOGE」での、変態座談会。あそこで繰り出されるレスラー相手への言葉の返しは、もはや至極の芸の域。昭和レスラーたちから魂を受け継いだのは、現代のプロレスラーではなく、玉袋筋太郎その人なのかもしれません。どんな相手にも受身もとる名レスラーの誕生。

しかし、「浅ヤン」「アサ秘ジャーナル」『お笑い男の星座』、名著『トンパチ!』でも、博士が主で、玉さんは従のように思えました。

いかにして玉袋筋太郎は覚醒したのか。その導き手たちの言葉と本人が背負った業が語られる本書。

瓶ビールを手に、街中華の店主やスナックのママと語らう時の当意即妙なワードを期待すると少し拍子抜けするかもしれない。粋を語ると粋ではなくなる。それを承知であえて語ってくれたのだろうと思います。

あとは、いつ、相棒・水道橋博士の旗揚げしたアサヤンに乱入してくれるのでしょうか。さまざまな事情はあるでしょうけど、いつの日か実現を願うばかりです。

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遠慮のある人が好き。p.45

 どんなジャンルの人でも、この一点で信用できるような気がします。偉い人ほどそうなのではないか。

縦穴を基本に、横穴を掘っていくと予想つかない世界にたどり着くかもしれない。p.66

 人の出会いに導かれる路。

全てを満たさない生き方。p.67

 この辺りが江戸っ子的矜恃か?

酒場は自己確認の場。酒場が選別し始める。p.94

 酒場道。他力浄土の教え、有難し。

姉ちゃん夫婦のためにもならないと、母親に土下座。p.172

 哀しみを背負った人だから、人の悲しみに寄り添える。

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