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サブカル大蔵経1001吉田豪『証言モーヲタ 〜彼らが熱く狂っていた時代〜』(白夜書房)

【サミュL】今回のこのシリーズって証言モーオタであって証言モーニング娘。ではないんですよね。/結局あの頃の人間関係の話ばっかりしてるんですよ。p.268

青春、恋愛、活動、宗教、麻薬、戦争。
さまざまな言葉に喩えられるモー娘。の特定の推しの応援時代。その戦友達をひとりひとり訪ね歩く、美談なき奇跡の叙事詩。

【吉田豪】考えなくていいことを考えますよね、特にサブカルチャーという自意識過剰な文化を通ると。p.168

記憶の奥底の告白が、人を引き寄せる。
そして、もし自分がその場にいたらどうなっていただろうかと思いました。

【吉田豪】たぶんネット文化が生まれてからの初めての大規模なアイドルだったからp.56

吉田豪の神域の距離感と公平感。その人選と聞く焦点を通して浮かび上がる、ネット黎明期の熱量と「BUBKA」という極北の雑誌の磁場。

【宇多丸】新しく入ってきたやつより、俺の方がモーニング娘。みたいなこと言い合うのが楽しい時代だったんですよ。p.270

最初は証言者たちはみなモー娘。に興味がなかった。この本の読者もそうかもしれない。対象と自分が分かれてるはずなのに、いつのまにか分からなくなってくる、謎の迫力に満ちた奇書。

私はこの本を宗教に重ねて読みました。

【掟ポルシェ】みんな気持ち悪いんだけど、不器用なのがわかるから憎めなかった。p.17

 不器用たちの集まり。

【コンバットREC】ナリ沢くんは江戸川区某所に一軒家を買ったんだよ(笑)p.41

 後藤の実家のお店に近いところ。

【杉作J太郎】ついにリアルタイムで戦ってる戦士たちに出会えたと思ってね。応援するというよりともに戦っていくというか、p.70

 杉作さんのワード力がすごすぎました。

風呂に入っている場合じゃないよ!p.73

 宇多丸さんに電話で

モーニング活動が忙しかったから、p.78

 活動!

【小板橋英一】AKBのほうは語るみたいな人は全然いなかったですね。p.103

 プロレスも、語りたくなる試合が多いのが良い興行でした。

【久保内信行】園部の駅前の喫茶店で野中広務は毎朝モーニングを食べてて、秘書が順番にそこに来たヤツを捌いていくのを見学させられて。p.107

 久保内信行さんの『カオスアニメ大全』は名著だと思います。

【有馬岳彦(サムライ)】あと朝とかレジやってると矢口が並んで、「あ、俺いま逆に矢口に並ばれてる!」とか思って。p.146

 本書の象徴、有馬さんの名言。

【ピストル】当時はそういう人が周りにいたんですよ、高井麻巳子推しでモーオタやってる人たち。p.176

 この気持ち同年代なので、わかります。私も高井の実家の小浜市に行って公衆電話に入り電話帳で調べたことがありました。

【ロビン前田】どうしても当時の感覚がフラッシュバックして、二度と手を出すまいっていうような。p.201

 本書の吉田豪さんの合いの手は、いつもより感情あふれる感じがします。

【岩岡としえ】あの人は完璧ですね。p.231

 後藤真希の出欠確認とまつ毛。

【吉田豪】マンガ地獄変に参加したことは人生の中で大きいんですよ。p.279

 私もこの本で吉田豪さんを知りました。

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