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「洗濯」で失敗しないための基礎知識

洗剤の種類や衣類に付いている洗濯マークなどあまり気にせず、何となく洗濯していますよね。
でも素材や色によって「これ洗っていいの?」「どう洗うの?」と扱いに迷う衣類も多くあります。
そこで今月は、洗濯マークの意味や正しい洗い方についてご紹介します。

これだけ覚えておけば間違いない「洗濯マーク」

5年前の12月から衣類についている洗濯表示が変わったのをご存じでしょうか?
今までは日本独特の表示だったのが、国際規格に合わせて変更されて、22種類から41種類と倍増しています。種類が多すぎて、逆に混乱しそうですね。
でもご心配なく!これだけ覚えれば大丈夫というマークは2つだけ。
「桶」に水が注がれたようなマークと、「丸印」のマークです。
この2つ覚えておけば、「洗うこと」に関して困ることはありません。

桶のマークは水洗いが可能という印です。つまり、家庭での洗濯機もしくは手洗いが可能ということになります。
桶マークの下に線が入る場合もありますが、線が1本であればデリケートコース洗濯や手洗いを推奨しています。線が2本になれば、確実に手洗いした方がいい衣類ということになります。線の数が多いほど、「丁寧に扱って」という意味です。
次に丸印のマークです。このマークが表示されていれば「クリーニング店でのクリーニングが可能」ということを表します。

丸の中に「P」「F」「W」と英語の表記がありますが、「P」や「F」はドライクリーニング、「W」であればウェットクリーニングと呼ばれる、クリーニング店での水洗い指示を意味します。
この2つをチェックしておけば、失敗や迷いはなくなります。
洗濯前や衣類を購入する際の重要項目として必ず覚えましょう。


その他、知っておいて損はない「洗濯マーク」

洗濯に際して最低限知っておきたいマークを2つ紹介しましたが、41種類もあったら他のマークも気になりますね。
その中から、理解しておいて損はないマークの見方を分類別に紹介します。

■四角マーク~「乾燥の仕方」を指示したマーク
四角の中に丸が入ると、コインランドリーや家庭の洗濯機などで、タンブル乾燥が可能ということ。つまり一般的な衣類乾燥機(ドラム式)が使えるか否かを指します。



丸ではなく横や縦の棒線が入ると「自然乾燥」の印となり、「─」であれば「平干し」、「|||」であれば「吊り下げ」を表します。


■三角マーク~「漂白剤を使用してよいか否か」を表したマーク
普通の三角マークは塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白ができます。三角に斜め線がある場合は酸素系漂白剤の使用はできるが、塩素系漂白剤は使用禁止。×が入ると塩素系及び酸素系漂白剤の使用は禁止です。
だいたいのケースで「×」になっていることが多いようです。


■アイロンのマーク~「アイロン掛けができるか否」かのマークアイロンの中の「」の数が多いほど、アイロンの底面温度を高温にして掛けられるという意味になります(・最高110℃ ・・最高150℃ …最高200℃)。×印が入るとアイロンの使用は禁止です。


この他、文字で「洗濯ネット使用」「裏返して洗う」「色移りしやすいので他の衣類と洗う時に注意」などの表記を加える衣類メーカーもあります。
特に「色移り」に関しては見落とさないよう注意しましょう。

また洗濯表示に特別な表示がなくても、「合皮」「レーヨン」「ウール」「シルク」などの素材は注意が必要です。
洗濯表示だけでは判別できないこともあったります。例えば以下のような場合は注意深くなりましょう。
・「合皮」なら乾燥機を使わない。
・「レーヨン素材」であれば、濃い色
の物は他の衣類に移染しやすいの
で注意する。
・「ウール」「シルク」に桶のマークが
ついていてもウォッシャブル加工の効果が切れると縮む可能性があるため、手洗いかクリーニング店に依頼する。・・・などです。
洗濯表示マークが全部「×」といった衣類もありますが、そんな時は悩まずに信頼できるクリーニング店に相談しましょう。
 

これで洗濯のプロに!~洗剤の選び方から洗濯機の使い方まで

汚れを落とす主体は何か知っていますか?


 洗濯をする際、衣類についた汚れを一番落としているのは何だか知っていますか?・・・それは意外なことに、「」です!
洗剤じゃないの?と思われるかもしれませんが、汚れを繊維から押し流し、汚れを溶かして一緒に排水する「」こそが、一番汚れを落としている主体だったのです。
洗剤は、水が汚れを流す能力を高めて汚れ落ちが良くなるように洗浄力をアップさせる働きをします。コーヒーやジュースや汗など油性の汚れは、油分がバリアとなって水の洗浄力を弱めてしまうため、洗濯洗剤の主成分である界面活性剤が油分の汚れを浮かせて包み込むことで水に溶けやすくし、水の力で汚れを押し流すことができるのです。

目的別の洗濯洗剤の選び方

洗濯洗剤の選び方に関して注目するべきポイントを紹介いたします。

■洗濯機の種類は昔ながらのタイプ?最新式?
最新式の洗濯機になるほど、エコ機能が進化しており、節水で水をあまり使わないようになってきています。
その場合、粉洗剤は溶けるまでに時間を要するため、最新式の洗濯機では、粉洗剤が能力を最大限活かせるだけの水が足りないまま洗濯の行程が終わってしまうなど、粉洗剤には分が悪くなります。
そのような最新型の洗濯機に向いているのが、液体の洗濯洗剤です。
液体は、粉タイプに比べて水に溶けやすく、節水でも十分に効果が発揮できるよう界面活性剤の配合や入れ方を工夫されているので、近年購入した横型や斜めドラム式、縦型でも節水タイプの上位機種は液体の洗濯洗剤の方が向いている傾向にあります。

■汚れ落としを考えるなら弱アルカリ性の洗濯洗剤
洗濯洗剤の成分表記を見てみると、「酸性」「中性」「弱アルカリ性」の3種類の性質に分かれます。このうち、汚れに強いのは弱アルカリ性です。
粉洗剤には、過炭酸ナトリウムと呼ばれる、酸素系漂白剤が入っており、水質を弱アルカリ性に変える効果を持っています。そのため、汚れを落とす力で液体と粉はどちらが強いかというと、粉が圧倒的に有利です。
最近は液体の洗濯洗剤も弱アルカリ性の洗剤が多く出てきており、粉の優位性が若干失われつつありますが、男性特有の汗臭さなどを洗い流す時には、今でも粉洗剤が有利であるのは間違いないようです。

■洗う衣類によって使う洗濯洗剤を分ける
衣類の中でも下着と上着では、汚れ方が異なります。
人から出る皮脂などの汚れは下着に多く付着するので、より皮脂などの油性の汚れに強力な弱アルカリ性の粉の洗濯洗剤に軍配が上がります。
ファストファッションなどカラフルで濃い色の衣類を洗う場合は、より色が流れ出る可能性が少ない液体の洗濯洗剤で洗うのがふさわしかったりします。
 
■洗濯洗剤も節約したい?
できるだけ汚れを落とせる安価な洗濯洗剤といえば粉洗剤が圧倒的です。
粉、液体、第三の洗剤と後者になるにつれてコストパフォーマンスが悪くなっていきます。このように、財布の中と相談しながら洗濯洗剤を選ぶというのも大切なポイントではないでしょうか。
 
■洗濯洗剤以外の家庭にあるものや、他のものを駆使して洗う洗濯洗剤の能力は確かに心強いですが、べっとりとこびりついた汚れや、完全に脂分ばかりの汚れだと、汚れの種類にもよりますが効果が弱いケースがあります。その際は、食器用洗剤や重曹といった油分に特化した材料を部分的に塗り足すことで、洗濯した際の汚れ落ちをさらに高めることにつながります。

「洗剤」、「柔軟剤」、「漂白剤」ってなに?
■洗剤・・・普段着に使う「一般洗濯用洗剤」と、ニットなどデリケートなものに使う「おしゃれ着用洗剤」の2つがあります。一般洗濯用洗剤は、液体と粉末タイプがあり、すすぎ1回でOKのものや柔軟剤入りのものなど、特長は様々です。
 
■柔軟剤(ハミングなど)・・・リンスのような役割です。洗濯の最後のすすぎの時に使います。衣類をふんわりやわらかに仕上げ、静電気・毛玉・毛羽立ちを防ぐ効果があります。水洗いできるすべての衣類で使用可能です。仕上がりに香りをつけたり、抗菌・防臭効果のあるものもあります。

■衣料用漂白剤・・・シミやしつこい汚れを落とします。漂白剤には、食べこぼしなどのシミやしつこい汚れを落とす効果があります。また、皮脂汚れなどが少しずつたまって衣類の黄ばみや黒ずみになるのを防いだり、ニオイをとりのぞいたり、除菌する効果もあります。
 
【酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)】いつものお洗濯で、漂白・消臭・除菌・抗菌ができます。色柄物と白無地、どちらにも使えます。液体と粉末タイプがあります。
 
【塩素系漂白剤(ハイタ―など)】漂白力が強く、高い除菌・除臭効果があります。白無地衣料専用で毛や絹には使えません。

洗濯機を使いこなそう

■洗濯コースを使い分ける
日ごろは「おまかせコース」に任せっぱなしだと思いますが、洗濯機には便利な機能がありますので、一度じっくりと取扱い説明書を読んでみましょう。あなたにぴったりの便利機能を発見するかもしれません。
ここでは一般的なコースの種類と洗濯の特長を紹介します。
・標準コース
最もよく使うコースです。普段のお洗濯に使います。
・手洗いコース(ドライコース・ソフトコース)
やさしい水流や軽めの脱水で衣類を傷めないように洗い
ます。仕上りを大切にしたい衣類を洗うときに使います。
・スピードコース(おいそぎコース)
 洗い時間を短縮するコース。時間のないときに便利です。
・大物洗いコース(毛布コース)
タオルケットや毛布、敷パッドなどの大物洗いに使います。

■専用投入口を使いこなす
洗濯洗剤や柔軟剤・漂白剤は洗濯機についている専用の投入口にセットしましょう。柔軟剤は自動的に最後のすすぎの時に投入されるので便利です。
 
■ピンチのときの乾燥機能
洗濯物が乾きにくいときや早く乾かしたいときなどに。30分ほど乾燥させてから干すと、洗濯物の乾きが早くなり、洗濯ジワも少なくなります。また、生乾きのときに20分ほど仕上げ乾燥として利用するのも便利です。

重労働な洗濯を楽にする

■洗濯の動線洗濯のプロセスは、洗うだけではなく、「洗う」→「干す」→「たたむ」→「しまう」を経てようやく完了します。洗濯から干すまでのことは考えていても、最終的にたたんで収納するまでの動線を考えないと、家事は楽にはなりません。例えば、洗濯機の近くにしまえる場所があれば家事の効率アップにつながります。もちろんすべての洗濯物を収納するのは難しいのですが、洗面・浴室で使うタオルやパジャマ、下着だけでもしまえれば、それだけで家事負担の軽減になります。 

■洗濯物を干す場所洗濯機、干し場、収納スペースをひとつの場所に集約して、「洗う」→「干す」→「たたむ」→「しまう」を効率的に行えるようにすることが、洗濯が楽になる間取りの秘訣です。図の間取りでは、洗濯機のある洗面・脱衣室から室内干しができるサンルームにドア1枚で行き来ができ、「洗う」→「干す」の動線が短いので、家事の効率アップにつながります。また、洗濯・脱衣室に直結のクロゼットを確保しているので、ここでよく使うタオル類やパジャマ、下着や子どもの着替えなどは、取り込んですぐにクロゼットでたたみ、そこに収納することができます。さらに、朝のお出かけ準備や夕飯の片付けと並行して洗濯する方も多いので、洗濯スペースをキッチンの近くに配置するのも重要なポイントですね。

 ■室内干し家を建てる際、洗面・脱衣室の天井に室内干しユニットを取り付ける家庭も増えているようです。室内干しユニットには、使う時だけ天井に金具を取り付けて竿をかけるタイプや、電動で竿を下ろして使うタイプもあります。雨の日だけでなく、共働きや夜に洗濯をしたいという場合にも、こんなふうに室内干しができる設備があれば、家事がぐんとスムーズになりますね。


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