行列のできるリモコン】
そのリモコンは、毎週水曜日の発売日ともなるといつも長い行列ができた。
そのリモコンには、色の違ったボタンがいくつかあり、赤は、好き好きモード、青はツンデレモード、ピンクは甘えん坊モードなど、色々なボタンがあった。
リモコンは一度きりで、効果も2〜3日だったので、一度試したい人や、何度も買う人で、すぐに売り切れてしまうのだ。
ある日彼女は、彼に向かって青のツンデレボタンを押した。
時を同じくして彼は彼女にピンクの甘えん坊ボタンをした。
彼は彼女が甘えてきても、なぜか自分が冷たくしてい、彼女は自分の意に反して甘えてしまい、お互いのポケットにリモコンがあることに気づきいた。
2人はお互いのリモコンを取り上げて、オフボタンを押し、喧嘩を始めた。
何が不満なの?
お前こそ何が不満なんだ!
ちょっと遊びたかっただけじゃない!
喧嘩はエスカレート。
彼女は最後に叫んだ。
でも普段のあなたの方が好きなんだから!
僕だって、そうさ!
2人は顔を見合わせて笑った。
本分ここまで 414文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。
お題は
行列のできるリモコン】のお題で、【青春の香る】ショートショート
ですって。
ちょっと、行列ができる、が弱かったかしら…
こんなリモコンがあったら、使ってみたいと思う人もいると思うけど、人間の心、そんなに簡単なものじゃないですよね。