ゴシックロリータ vs. TDL

くたばれ夢の国。

手鏡に映る顔は完璧な仏頂面だった。私は黒いスカートを蹴り上げて歩き続けた。世界は戦場、ロリータは装甲だ。

どこでもない街を模したモールの屋根の下、群衆はパークの奥へ我先にと駆けていく。D社の潔癖さを好むはずの彼らが何故良い大人でいられないのか。足を掛けたいという衝動は、結局爆弾も何も入れなかったポーチを叩いて抑えた。

暴力に頼れば意義を失う。これはエンターテイメントの本質を知るための挑戦だ。目的はあくまでも構造を分析すること。だから空気に飲まれてもいけない。そのための、自分の価値観を見失わないための武装=服装だった。

今日はこの顔と服で遊びつくす。骨の髄までしゃぶりつくして、もっと面白い物を描いて、理念は立派だが作品としては大したことないと笑ってやる。それこそが勝利というものだ。モールの終わりで足を止め、青天の中央に聳える不合理な城を睨みながら、私は緩みかけた顎を強く噛み締めた。 【続く】

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