#逆噴射小説大賞 2020私的ピックアップ

第3回逆噴射小説大賞が開催されています。それは今！

#逆噴射小説大賞2020
DAY21夜です。残すところあと3日。いかがお過ごしでしょうか🍑
本日は最終週としては珍しく、10本台の投稿でした。が、5本者もその存在感を増しつつありますね。TwitterやらDiscordを見てると最後の1〜2発悩んでる勢が結構いるので、対パルプ衝撃耐性は崩さぬよう。ガンバルゾー pic.twitter.com/6Om5PdfBAo

— 桃之字🍑ヒーロー小説連載中 (@tate_ala_arc) October 28, 2020

今年で3年目（マジ？）を迎えた大会は例年以上の盛況を見せ、10/29時点で536本が公式エントリーマガジンに収容されています。そのどれもが珠玉、濃厚、激重でまばゆい一品ものです。読むだけで楽しい。

またエントリー作品と同様、これまた例年通りにあちこちで繰り広げられているのが、有志によるピックアップ記事です。

これらの行為には前提として、本大会の選考はスキ数PV数など一切関係なく、主催であるダイハードテイルズ出版局の一存で行われるという点があります。ニンジャスレイヤーなどの連載・刊行と卓越したバランス感覚でファンからのラブ＆リスペクトを築き続ける、ダイハードテイルズならではの独裁体制です。
だからこそ読者・参加者間では自由に読書・スキ・感想行為ができる。なにしろ選考に影響しないのだから褒め放題です。

わかるか。30000000スキを集めるあいつの作品を見たお前は「コミュニティに群がるだけで自分の感性を磨いたつもりのダボハゼどもがよ……」と思うかも知れないが、最後に優勝するのはお前の0スキパルプかも知れない。もちろんあいつの方かも知れない。あるいは本大会を通して素晴らしい作品に出会うことがあれば、優勝すらどうでも良いと思えるかもしれない。俺は全部読んだ上でなお優勝したいと思っているし、集団に所属できることも偉大な能力だと思う。悪口はいけない。

とにかく軽率に読んでみて、良いと思った作品には思いを伝えてみようという話です。読者の側に立ってみれば、本数が多すぎてどれを読めば良いのやらとなっている方も多いでしょう。SNSで記事をシェアするだけでも人の目に触れる可能性は増えますし、自分の感想を文章化することも楽しいものです。やっていきましょう。

前置き　飛ばしていい

主催に選考基準があり、お前に好みの問題があるように、このピックアップにも傾向があります。このあたり。

・目を引くタイトル
・冒頭の鋭さ
・設定を開示しつつ、説明しすぎずに話を動かす
・飛躍しすぎていたり説明的になっていない引き
・以上を無視しても直感に来るもの

これはもちろん大会の攻略情報などではなく個人的な趣味の話で、あらゆるピックアップと同様、選考突破の可能性を示唆するものではありません。事故だと思って褒められてください。

落日の死影／マツモトキヨシ

紹介一作目ですが個人的には優勝候補。いや優勝。書き出しから切れ味抜群の語りで情景をぶち込みつつ、派手なアクションと常識を覆す展開で800字を駆け抜ける。マジにクソヤバいパルプ。凄すぎて笑ってしまう。

『全ての冒険者よ、殺人者（エンターテイナー）であれ！』／お望月さん

MMOを前提に据えつつ現実の話を進めることで展開の意味合いが二重構造に、人物描写の情報量は自動で二倍に。文脈多重事故祭り。

裏磐梯イメージ画像。ダリコレクションで知られる諸橋近代美術館。

フォトンライダーの逃走／ディッグアーマー

「待って待って待って！」という始まりは煮詰めに煮詰めたパルプの正道という気がします。そして一気に加速するSF描写！　説明の削り具合も本物の風格です。

ボーン・ザ・ゴーン／復路鵜

簡明な冒頭一行目が本当に好きです。意味が分かるようで完全には分からず、どういう話だろうと強烈に惹かれます。ジャンルが入り混じりつつ会話と暴力のスケールは現実的なあたりも、とても好み。

退廃レディとジャックポット／ハセガワ

描写はクドくなく読みやすいのにしっかり猥雑で楽しい。良いキャラした男と女の軽妙なやり取りに愛着すら湧きます。

スリーアイズ アンド フォーアームズ／ベンジャミン四畳半

これは一行目オブザイヤー。あまりにもクール。感嘆しているうちに壮大なスペースオペラと一筋縄ではいかない要素の数々を流し込まれてしまい、もはや気持ちよく酔うしかない。

降洋量を測る／誰も悪くないこれは悲劇や

超カッコいいタイトル。そして名前負けしない怜悧な世界描写。雨・水・海・触腕など用語の統一感も作品の印象を強めています。

ルースター・マン／ウズ・弥七

ヒットマン（犬溶接マンが出てくる方）を想起してしまう冒頭。つまりとてもパルプで確実に面白い。あれもこれも鶏関係の用語なんですねと勉強にもなります。

巌流島の闘い　　　(vs 鬼)／ﾄﾞﾝﾄ

バチバチにキマったリリックで始めておきながら、前に進んでいるのかいないのか分からないふわふわ展開。面白過ぎる。鬼、なんか悪いことしたのかな……。

ケハヤ・トライバル／ゆめくらげ

うおーっ！大関・大破壊だ！！大好き！！！　一瞬で決まる立ち合いのスピード感と800字の展開は相性がいい気がします。

今回は以上です。参加各位は【続く】や『逆噴射小説大賞2020』タグなどの規定に抜かりなきようご確認を。残り二日と変なタイミングでまとめちゃった自覚はありますが、続きは未定です。よろしくお願いします。