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恋が成就しなくても、世界は壊れなかった

告白した。前に書いた人と5回目に会ったとき、話したいことがあると言って無理やりに時間を作ってもらい夜道を歩きながら話した。

はなからすぐに付き合えるとも思っていなかったけれど、どうしても伝えておきたかった。いま自分の意志を伝えておかないとこの先ズルズルと進んで、自然消滅してしまう気がしたから。

答えは、今すぐに答えられない。タイプでも、好きになりそうのどちらでもない。分からない、と。

それはまあそうだよなと思った。まだ会って1ヶ月しか経っていない人に対して、どうかなんて分からない方がほとんどだと思う。自分の方がなにかを生き急いでいるのかもしれない。

その人が言っていた。一緒にいても友人として平行線のままかもしれないし、付き合う未来もあるかもしれない。保証はないけれど、いいの?と。

確かに保証がないのに、一緒にいるのは苦しさもある。この先に自分が望む結果はあるのだろうか、と不安を覚える。

しかし、自分の望む結果とはなんだろうか。付き合えればそれでいいのか。

毎日LINEをしている。ふたりで飲みにいって、横並びでたわいもないことを話す。相手の好きな漫画を読んで感想を話す。

そんないくつもの"恋愛的瞬間"をいま経験しているわけだけど、なんかこれはこれで幸せだと思う。

いままでずっとその場限りで考えて、時間が過ぎてきた。世の中で生きるのが怖くて、誰かに縋りたくて、その行き先が恋愛だった。マッチングアプリで会う人もすぐに進展させてくれとずっと思っていた。

この土日が来たら付き合えるだろうか、恋愛に進展はあるだろうか。自分の人生はこの土日が終わっても、また平日が来て目の前の現実が訪れるのに、それが怖くてここで世界が終わってくれたらいいのにと考えてしまう。

いくつもの恋愛に失敗してきた代わりに、なんとかいくつもの週末を超えて平日を生き抜いてきた。世界は壊れなかったし、何も変わらなかった。ひとりで生きていく自信がついたかと言われれば、誰かに頼りたい気持ちが過ぎる場面の方が全然多い。

けれども、生きてこれたじゃないかという自負はある。

たとえ恋愛が上手くいかなくても、人生は続いてきたし、世界は壊れなかった。

世界が続く限り、憂鬱な月曜日は何度でもやってくる。それはきっと恋愛が成就しても変わらないのではないか。

もちろん、恋愛はしたいし、誰かに愛されたいし、人肌恋しいときもある。

ただ、「恋愛」に過度な期待を持たなくてもいいのかもしれない。その人と自然な形で一緒に過ごすことができればそれでいいではないかとも思う。

これから先、その人と付き合うのか、それともどこかで会うことをやめるのかは分からない。相手から拒絶されなくて、自分が好きでいる限りは連絡を取ったり、会ったりすると思う。

そんなあやふやな時期があってもいいと思う。

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