「いつも」になるまで。
ヨガのインストラクターの資格を取ってから、せっかくのスキルを衰えさせたくなくて、人前で話すことに慣れたくて、職場の先輩、後輩や友人たちにレッスンを受けてもらっている。
私は私がめんどくさがりやで流されやすい性格だということを誰よりもよく分かっているので、「月2回レッスンをする」というノルマを自分に課している。
それはしんどくなくて、でも忘れてしまいそうなくらい間隔は空いていない、自分にとって「ちょうどいい」回数だ。
施設の予約をして、みんなに連絡をすると「さあ、もう逃げられないぞ」と気持ちが引き締まる。
やるからには満足してもらいたいと思う。
けれど、思いと現実は多分違っていて、「これで大丈夫かな」
「ちゃんと伝わるかな」
そんな不安がいつもあって、
相変わらず緊張するし、
自信はいつになったらつくか一向に分からない。
伝える方が不安に思っていたら、受け手の方も不安になってしまうと思うので、レッスン中はなるべく相手を観察することに集中するようにしている。
でもどこか、晴れない部分がずっとあった。
***
先日、いつものようにヨガで使う施設の予約に行った。
そしたら係の人に
「いつもありがとうございます」
と言われた。
「え?」
と思ってちゃんとした反応ができなかったが、
私のヨガのレッスンはもう「いつも」と言ってもいい回数を重ねていたらしい。
数えてみたら2年と数ヶ月が経っていた。
「そうか、もう『いつも』なんだなぁ」
帰りの車で声に出してつぶやいてみた。
そうしたら、控えめに浸み出るように自信が湧いてきた。
私の「いつも」の向こう側には、「いつも」私のレッスンを受けてくれる人たちと、会場のお世話をしてくれる人たちがいるのだということもじわじわと実感した。
みんな、いつもありがとう。
いつも付き合ってくれてありがとう。