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人工呼吸器

人工呼吸器の目的

・換気量の維持
・酸素化の改善
・呼吸仕事量の軽減

人工呼吸器の主な目的は上の3つですが、国家試験などではもう少し踏み込んだ問題が出てくるのでもう少し詳しく見ていきます。

換気量の維持
・低換気の防止
・無気肺の防止
・PaCO2の正常化
酸素化の改善
・血液の酸素化+二酸化炭素の除去
・SpO2とPaO2の維持
呼吸仕事量の軽減
・呼吸補助による呼吸器の休息→呼吸筋の回復

人工呼吸器の回路構成

吸気回路
・加温加湿器または人工鼻
・ウォータートラップ(ホースヒータがあれば不要)
・Yピース
呼気回路
・ウォータートラップ

PEEPと内因性PEEP

PEEP圧
呼吸時に陽圧を加えることです。
胸腔内は通常陰圧に保たれているので、陽圧を加えることは非生理的な呼吸とも言えます。よって様々な副作用が生じることが考えられます。

効果
・機能的残気量の増加→肺胞虚脱の防止
・酸素化の改善
・肺コンプライアンスの改善
副作用
・胸腔内圧上昇→静脈還流量低下→心拍出量低下→人血流量低下→尿量減少
・脳圧上昇
・圧損傷

内因性PEEP(auto-PEEP)
これは人工呼吸器で設定したPEEP圧以外に生じる陽圧です。
呼気が終わるまえに次の吸気が始まった場合などに発生しやすく、流量波形が呼気終了時にゼロに戻るかを観察することで有無を確認できます。
・過膨張→循環(心拍出量)抑制や肺損傷(圧損傷)が起こる

原因
・1回換気量の増加
・呼気時間が短い
・起動抵抗が高い
・コンプライアンスが高い

人工呼吸器関連肺炎(VAP)

気管挿管下の患者に人工呼吸開始から48時間以降に新たに発生した肺炎のとです。

原因
・口腔内分泌物の誤嚥
・胃内容物の逆流
・病原微生物
予防
・分泌物の吸引
・手指衛生
・仰臥位にしない
・口腔ケア
・人工呼吸器回路を頻繁に交換しない。

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